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現代美術史

現代美術がどう生まれ、どういう議論を経て、今に至るのか。
美術はよくも悪くも人々にどういう影響を与えていたのか、をわかりやすく書いている本です。何を芸術と考えるか、芸術を癒しとは考えず、物事を省みたり、考えを深めることに使っていこうとしている動きもよくわかりました。

文章は平易であっても書かれているイベントは突然出くわしたら、
今のはなんだったんだろう?と不勉強な素人は思ってしまいそうな
ものばかり。解説を読むとなるほどー、とは思いますが、解説なしに
解釈するのはなかなかに難しそうなイベントがたくさん紹介されていました。

人々への影響、というところでやはり生々しかったのは、プロパガンダに芸術が利用されていく可能性が極めて高いというところです。
ヒトラーは、政治で重要なのは偶像を作ることであるということを理解し
映画などで華々しく自身を祖国のヒーローに祀りあげることに成功しました。監督を勤めた監督は「最後までナチスのやり方は知らなかった。私は芸術を追求しただけだ」といった趣旨の言葉を残しているようです。ナチスのやり方を知らない、はどこまで本当か、と思わないではないです。しかし、おそらく「美へのこだわり」はあったのでしょう。その監督からすれば、自身のこだわり、としてシーンを象徴的に見たのは、歴史上大きな変換店だったともいえるかなと。

いろいろ勉強になる本でした。これからここで学んだことを機に、各種美術館を訪れなおせたら。と思いました。

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