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配信者には堕ちない方がいい #4

あれから数日が経ち、私のコメントはぽつぽつと読まれていた。それでも全くないよりはいい。

文章を口に出さないが、黙読してるんだろうなと思う場面はある。だからこそ敢えて避けられていることを実感した。

自分は避けられているのに、他のリスナーのコメントは読まれる。そんな日々に耐えられなくなっていた。


ある日の配信終わり、苦しさを我慢できずに鍵垢で呟いた…

避けられていることに気付きながら、何も気付かないフリを続けながら嘘の笑顔でコメントすることをやめてしまいたい、と。(ニュアンス)

この鍵垢はフォロワーが推しだけの専垢だが、普段のインプレッションを見るに、推しは基本TLを見ていない(と思っていた)


呟いてから1時間ほど経った時、とある通知が届いた。









 
【@推しさん がいいねしました】








…………え?

通知を見て確認した時にはいいねは外れていた。
でも確実に「見た」というメッセージだった。
ツイートには推しの名前もハッシュタグも入れていなかったため、エゴサで見つかることはない。
偶然TLを見ていた、あるいは私のツイートを見ていた、と考えられる。

通常推しはリスナーのツイートをいいねしない。
都合良く解釈すれば、私の苦しみは推しの元に届いてるという返事なのかと思った。
いいねを残すわけにはいかないので、押した後に外したが、通知だけが残るようにしたのではないかと。

もちろん、ただ手が当たっただけかもしれない。
間違えて押してしまい、慌てていいねを外したのかもしれない。
でもこれまでに誤操作でいいねされたことはないし、例え誤操作だったとしても、そのツイートを見たという事実は間違いなかった。
これで完全に干されたら、その時は見捨てられたと受け入れる事にしようと思った。


結果はというと、それからまたコメントを読んでくれるようになった。
以前と同じように、とはいかなかったが、面倒くさいと見放されて干されることは免れたらしい。
叩かれることよりも変わらずにいてくれることを選んでくれたんだと思った。

飽きやすく、すぐ別の事に興味が変わってしまう推しなので、新規リスナーをよく構ったり、別のリスナーのコメントを多く拾ったりして、リスナー間はピリピリしていた。
それによりモヤモヤする事もあったが、分散する事により自分へのヘイトが軽くなっていた。

推しの態度に一喜一憂し、リスナーからの監視とバッシングに怯え、そんな日々が続いて純粋に推しの配信を楽しめなくなっていた。

正直、オキニだと囃し立てられて、調子に乗っていた部分もある。
だが、前にも言ったように、特別な対応を貰っているわけでもないため、ただただ惨めな気持ちを味わうだけだった。


リスナーから憶測されるだけのオキニになんてなるもんじゃない。

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