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ランディさんと始めるリコーダー 第0回

きっかけ

作家の田口ランディさんが、Facebookに、アルトリコーダーを買ったけれど手が小さくて音が出せないと投稿されているのを見かけて、「練習法ありますよ」とご連絡したところ、トントン拍子に話が進んで、オンライン会議アプリのZoomを使った遠隔レッスンをさせていただくことになりました。

ランディさんは、もう10年近く前になるかと思いますが、僕が木琴の通崎睦美さんとやったコンサートに来てくださり、以来何度か僕の小さな室内楽シリーズ(20席程度のサロンコンサート)にもいらして、僕がやっているようなバロックのリコーダーレパートリーにも関心を持ってくださっていました。現在は神奈川県の湯河原町(熱海や箱根の隣です)にお住まいで、東京のコンサートに気軽に来ていただくのも難しくなっていましたが、そんな中、リコーダーを始めようとなさっていることに嬉しくなりました。

リコーダーを始めようとなさる方で、わからないことがあっても近くに習えるところもなく、手探りでやってらっしゃる方はランディさんに限らずたくさんいらっしゃることと思います。僕も、そういう方々にお役立ていただけるようなものをネット上で提供するにはどうすれば良いかとずっと考えていたところでした。これまでも入門レッスンの動画をいくつか上げているのですが、生徒になってくださる方が既に経験ある方だったり、他の楽器のプロだったり、また基礎の基礎の1回のみの公開になってしまって、本当のやさしい入門に適したコンテンツを作るには、もっと実際の初心者の方の実情に即したものがいいのだけれどと思っていたところだったのです。そこで、ランディさんとの遠隔レッスンの録画を公開していきませんか?と提案したところ、それもご快諾いただきました。

ランディさんご自身もオンラインでどんな文化活動ができるか試みていらっしゃるところだったそうで、僕もこのコロナ禍を機に遠隔レッスンを開始したところだったので、そんなときにランディさんがアルトリコーダーを買われたのは実にタイムリーなきっかけでした。というわけで「ランディさんと始めるリコーダー」と題して、これから月2回程度のレッスンの録画をおそらく半年間ぐらい公開していきます。合わせて、ランディさんにお渡しする楽譜や教材も全てPDFでファイルで公開して、各1時間程度の動画の中のポイントの解説も載せていくという連載を開始します。

最初のお話

第1回のレッスンの様子は、8月頭までには公開見込みですが、その前に今回は第0回として、レッスン開始前の打ち合わせからオリエンテーション的な部分を抜粋した動画を載せます。リコーダー入門としては第1回以降をご覧いただければ良いのですが、これはどうぞ予告編としてご覧ください。13分ぐらいの動画2つに分けました。

1 楽譜の読み方から

1つ目の動画、アルトの最低音の話などから始めています。ランディさんが「ドの音が出せない」とFacebookにお書きになっていたので、きっと最低音のことだろうと思いつつ、最低音は難しいから、最初は出せなくていいですよなどと言ってます。少し慣れてきたら練習していきましょう。あと、アルトの最低音は(ドではなく)ファなんですよと説明しながら、へ長調の移動ドなら最低音ドでもあるけどと思いつつ、固定ドとか移動ドとかちょっと面倒な話を口走ってます、笑。その辺は必要なときに改めて説明するので、今は聞き流してください。

それから、ランディさんは、楽譜が読めないとおっしゃっていたのですが、リコーダーをやるならバロック音楽が吹けるようになりたいともおっしゃっているので、そのためには楽譜を読むというのが必須だというような話をしています。ついで、楽譜を読むというのは、イロハニホヘトと書いてあるのを「色は匂えど」と読み取るというようなことで、言葉と似たようなものだという風に話が進んでいます。言葉のプロであるランディさんがどのように音楽を捉えていかれるのか、僕の方もとても楽しみが広がったところです。

では、前半の動画をどうぞ。

2 独習する方々のために

最初のお話、後半では、ランディさんのレッスンを公開することで僕が何を目指すのかという話に続いて、ランディさんご自身がリコーダーをやろうと思ったきっかけや、リコーダーを通してやりたいことを語ってくださいました。ランディさんの周りにもリコーダーを一緒に楽しむ方々がいらしたり、子どもたちにも楽しさを伝えたいとのこと。僕のレッスンをそのためにどのように活用していただけるか、これからもこのようなやり取りを通して僕も学んでいきたいと思ったことでした。そういう話をするうちに、基礎の段階で難しいポイントはどこかということに話が移って、気がついたら、一定のテンポで手拍子を打ち続けながら手拍子と無関係な話を続ける練習というような、基礎練習の導入みたいなことになっていきました。

では、後半の動画をどうぞ↓
そして、第1回レッスンの公開をどうぞお楽しみに!

(補足)楽器は何を買う?

この連載をご覧いただきながら、「私もリコーダーを始めてみよう!」と思ってくださる方がたくさんいらっしゃると嬉しいところですが、楽器について、一点だけお伝えしておきたいことがあります。
ソプラノリコーダーを買うときには「イギリス式」あるいは「バロック式」の運指の楽器にしてください。「イギリス式」と「バロック式」は呼び方が違うだけで同じ運指です。ソプラノリコーダーは、ドイツ式とかジャーマン式と呼ばれる運指のものが小学校でたくさん使われているので、そっちをお持ちの方が多いかもしれません。現在、市販のアルトリコーダーは「イギリス式(バロック式)」のみに統一されているので、ソプラノも同じ運指のものを使う方が混乱なく進められます。
(余談ですが、バロック時代には現在「バロック式」と呼ばれているのとまた異なる運指が使われていたので、どの運指が正統かということではないのです。)
あとは、プラスチック製の楽器で各メーカーの上位機種がいいと思いますが、「イギリス式(バロック式)」の楽器なら今お持ちのもので全然構いません。ランディさんと一緒に皆さんもリコーダーを始めましょう!


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