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学校では絶望について教えてくれない

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心を地獄に置いてきてしまったのです

 見渡す景色が地獄に見える人と、そうじゃない人の違いってなんだろう。
 同じ景色を見ているはずなのに、私にとってここは地獄。突然鬼が出てきて釜茹でにされる恐怖で汗がじわりとにじむ一方で、隣にいる人は涼しい顔でぼんやりリラックスしている。まるでユーレイが見えちゃう人と、ぜんぜん見えない人みたい。

 思えば私の心はいつも、地下深くの地獄にある。あの〜、私、出身地が一応地獄なんですけれども、なんだろう

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なんでつらいの?

誰かにとって当たり前のことが、別の誰かにとっては未知の世界の話だったりする。
羨ましいと思うこともあれば、それが自分じゃなくて良かった、と胸をなでおろすこともある。

自分を形作るものは、育った環境や昔からの習慣、自分の意思では選べないものが大部分を占めるけど、大人になった途端にすべて自己責任になる。考え方も、人との関わり方も全部そう。

過去を変えることはできないと分かっているのに、過去のことを

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学校では絶望について教えてくれない

 なんと世界は絶望で溢れていて、その中でいかに希望を見いだして生きていくか、そういう術を学校では教えてくれないわけですが、世の中の大半の人は、考えたり気付いたりする習慣がないので(考えてる風を装って満足してる人がほとんど)、世界が絶望で溢れているということすら認知しておらず、なんとも言えない違和感を抱える私たちが少数派ということになってしまうのです。
 でも、漫画も映画も、善人ばかり出てきて、ひた

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やさしいって何だろう

 電車で座ろうとしたら、他の人がやってきて押しのけられることが度々ある。それに近いことがよくある人生を送っている。
昨日も、電車で目の前に座っていた人が降りたので、座ろうとしたら、ちょっと離れたところにいた女が、体をねじこんできて座った。わりとムカついたので顔をじっと見ていたら、すぐに寝始めたので、それでもずっと顔を見ていたら、いろんなことが思い浮かんだ。
自分こそが優先されるべき、自分こそが一番

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プロムに行かない君たちへ

 この国にプロムがなくて本当によかった。

 数週間前から、誰が誰を誘っただの、告白されただの、どこでドレスを買うだの、そんな会話が聞こえてくるだけで意識が遠のきそうになって、窓の外に目をやる。鳥の群れが飛ぶのを目で追って、何も考えないようにする。

 ほとんど話したことのない地味な異性が、放課後突然家を訪ねてきて、目も合わせずにボソボソと、一緒に行かない?なんて言ってきたらもう死にたくなる。別に

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