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役に立たない仕事術

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記事一覧

役に立たない仕事術6

キレの習慣

 日々の仕事に慣れてくると、あの人ってクールだけど、実は他の人のフォローをいつもしているな、とか、あの人って表面上はニコニコしてるけど、利己的でラクすることばかり考えているな、とか、周りの様子や動き、性格、考えがよく見えてきます。
 ちなみに、私の職場は、他人の私物を盗む人、自分の思い通りにならないと突然キレる人、感情的になって泣いたり怒鳴ったりする人、挨拶ができない人、毎日のように

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役に立たない仕事術5

たのしい残業、島耕作

 入社して1ヶ月でバイトから契約社員の島耕作に、その5ヶ月後、私は偉いおじさん二人に呼び出され、正社員島耕作になることを告げられました。理由としては、社員の一人が妊娠、いずれ産休に入るからとのことで、私はずっとバイトでもいいな、ほどほどに暮らせたら、と思っていたのですが、偉いおじさんたちの、どう?ラッキーだね?うれしいね?こんなこと滅多にないよ?ね?ほら?喜んでるね?と言わ

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役に立たない仕事術4

 たのしい昼休み

 夜、緊張しながら寝て、朝、緊張しながら起きて出勤して、会社でももちろん緊張して過ごす。休みの日も、特に日曜日は、明日からまた会社だと思うと一日中気持ちが休まらず、リラックスもクソもありません。そんな状態が入社して半年以上は続きました。緊張しやすいのです。わりと何にでも緊張します。レジでも、美容室でも、友達の結婚式でも、交番の前を通る時でも、ATMのお金を運ぶ警備会社の人が、二

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役に立たない仕事術3

 加由子

 感情を持ってしまったロボットの設定然り、単純作業は考え事をする時間にぴったりです。はじめは自分が一人であれこれ喋っているだけでした。ですがどんどん、友達や知り合いが頭の中で話し始めました。きっとこんな時、あの人ならこう言うだろうな、という言葉が飛び交い、響き渡りました。
 仕事を始めてから、以前のように自由な時間が激減し、周りの友達もそれぞれ、仕事、バイト、学業にいそしむ中、気軽に会

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役に立たない仕事術2

 ロボット研究会

 業務の大半が単純作業のアルバイトとして入社した私は、来る日も来る日も封筒にラベルを貼ったり、B5の用紙を三つ折りにしたり、文字を入力したり、複写式の伝票に住所を書いたりし続けました。
 はじめのうちは、慣れることに必死で、どうすれば速く正確に出来るだろうとか、もっと丁寧にしなくてはとか、あれこれ考えながら作業していたのですが、あまりにも量が膨大で、というか一日中同じ動きを繰り

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役に立たない仕事術1

 体育会系の精神的コスプレ

 一人暮らしを始めてからの数年間、夜起きて昼眠るような生活でした。大学には週に2回行けばいい方で、よく単位が取れたものだと思います。アルバイトも続かず、大体は部屋にこもって、たまに友達に会うために外出する程度で、人混みも電車もできるだけ避けるようにして、平穏な心を守ることに徹していました。それが突然、平日は毎日朝に起きて、混雑した電車に乗り、人と関わり、会話をし、仕事

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役に立たない仕事術0

 はじめに

 まさか自分が働く日が来るとは、思ってもみませんでした。本当は、薄々思っていたけれど、死んでも働きたくないという強い気持ちにより、現実から目を背け続けてきたのです。ですが実際は、生きながらにして、なんと仕事までしています。もう1年以上経った今でも心のどこかで、これは夢なのでは?と、にわかに信じられずにいます。
 社会的に大人になる日を、長い浪人生活と、大学生活で、なんとか先延ばしにし

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