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2021年1月の記事一覧
忘れられていく死と、遺り続ける痛みについて/「かないくん」(谷川俊太郎・松本大洋)
「きょう、となりのかないくんがいない。」
からりと乾いてはおらず、どこか湿り気を感じさせる冬の空気。色や音がそぎ落とされた挿絵とともに、こんな言葉から物語は始まります。
クラスメイト。『親友』でもなく、かないくんは、ふつうのともだち。でも、もう一週間も休んでる――そしてある日、先生が告げる。
「かないくんがなくなりました」
みんでお葬式に行ったこと。かないくんが作った恐竜も、描いた絵も、ま