【随想】予備動作
野球を観るのが好きだ。
バッティングフォームもピッチングフォームも全員、千差万別である。
ただ、打つ前も投げる前も反対側に動いて、勢いをつけることは共通だ。
そこに個性があり楽しい。
一見、殆ど反動をつけないように見える人もいる。
しかし、よく見ると既に最初から反動をつけた状態で構えている。
上半身と下半身が捻られて予め「弓の弦を引いた」ような状態になっているタイプだ。
ピッチャーなら技巧派
バッターなら好打者に多い。
一方、大きく反動をつけ爆発的にボールに力を伝えるタイプの選手もいる。
ピッチャーなら剛球派、
バッターなら長距離打者に多い。
反動に限らず、あらゆる予備動作があるのだろうが、「反動」が最後の準備であり、ファンがその場で見ることが出来る準備でもある。
そこに、選手の思想の断片が現れており、魅力的に映る。
だから、ファンはバッティングフォームを真似するのかもしれない。
結局、野球を通して「その人」がどんな準備をして、どんな心理状態で臨んでいるのか、を観たいのかもしれない。