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【ショートショート】3人目の背番号11

日本ハムファイターズのホームスタジアム、エスコンフィールドには背番号11を付けた2人の選手の壁画がある。
ダルビッシュ有と大谷翔平である。
あまりにもこの2人の実績が大きすぎたため、事実上永久欠番状態となり50年以上がたってしまった。
球団が11を打診した選手も数名いたが、
「背負い切れない」、
「流れが変わりそうなので」、
「比較されるのが辛い」、
等、断られ続けた。
ついに球団は外国人選手に一度11番を付けさせて重くなりすぎた番号をフラットな状態にすることにした。
その年に獲得した外国人のうち一番年俸の安いホッジ選手という技巧派左腕に11番を与えた。
本人はそんなことも知らずに入団したものの、壁画を見てしまい、自分に対する球団の期待の大きさに勘違いして感動してしまった。
そこからは神がかったホッジが21勝を挙げ最多勝のタイトルを獲得してしまった。
シーズンオフに生真面目な性格のホッジは壁画にお礼参りにいこうとエスコンフィールドに行く途中に自動車事故に遭い、死亡。

ますます11番が特別な番号となってしまったわけだ。

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