短編小説『病みクマ🐻』
ロウソクの灯りが灯る薄暗い倉の中で数体の人形がひそひそと話している。
『だからさぁ、外国製は思想がないんだにゃぁあ…』
片手に焼酎の一升瓶を持ち、勢いよくラッパ呑みをする招き猫。それを心配そうに、潤んだ瞳で見る日本人形は前髪を気にしながら、灯るロウソクの傍らで不気味なツラをしてつぶやく。
『招き猫さん酔っ払いすぎですよ…』
テディベアがすかさず反撃する。
『ボクがよそもんだからって説教垂れるんじゃないよ。お前らだって昼間に遊んでくれてた子どもがデカくなって相手にされなくなった