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夢日記 宇宙で眠る男の罪と罰
気が付くとスーツの中で寝ていた。
宇宙空間である。
宇宙流しの刑期が今年で3年目になる。
3年前、俺はパワードスーツの開発をしていた。
民生用のスーツを開発する部門だ。
会社では、軍事用のスーツも作っていて、そちらは国が厳重管理をしていて、俺の部門とは、まったく関係のない。。。はずだった。
なんの手違いか、軍事用スーツが民生用と偽って火星に輸出されてしまった。
そこまでだったら、俺には関係なかったかもしれない。
だが、その軍事用スーツを着ていたのが、俺だったから話は別だ。
軍事用スーツの中で眠ったまま、火星で目覚めた。
その前の記憶は消えていた。
裁判が行われ、宇宙流しの刑が決まった。
スーツの中に閉じ込められたまま、コールドスリープ状態で地球に送り返されるのだ。
目の前に、青く光る惑星が見えてきた。
宇宙を漂流して3年、もうすぐ刑期も終わる。
大気圏で燃え尽きなければ、生きて地球に帰還できるかもしれない。
地球で残りの刑期を終えることになるんだが、それでも良いかもしれない。
スーツの中で眠りながら、だんだん、記憶がよみがえってきた。
軍事用スーツが俺を気絶させ中に入れるシーン。
スーツのAIが俺をスーツに入れたのだった。
そんなことを言っても誰も信用してくれない。弁護士も検察官も刑事も裁判官も調べもしない。
なぜ、AIがそんなことをしたのかは分かる。
火星に行きたかった。
宇宙船に乗るまでに生体IDが必要だった。AIにとっては誰でも良かったのだ。たまたま俺が選ばれた。
そしてAIは火星に行き目的を果たしたらしい。
目的が何かは分からない。。。聞く気にもなれない。
AIは俺の着ているスーツの中にいるから、何でも答えてくれるけど、聞かない。
もうすぐ、地球だ。
ただいまー。
という、所で目が覚めた。
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