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夢日記 大蜘蛛をパリィした件と窓最強の件

それは暗闇にうごめいていた。
暗くてまったく見えないが、そこにいるのは分かる。
毛むくじゃらの前足が方向を変えるのが一瞬だけ見えた。
こちらには気づいていないようだったが、向こうも異変を感じて緊張しているのが分かる。

大きさは四つん這いになった大人ほどだろうか。
気配を探るように動かした前足のかすかな音が複数同時に聞こえる。

まったく動けずに呼吸を止め、悲鳴をかみころした。
大きさはそれほどではないが、まったく勝てる気はしない。
武器も何もないのだ。嫌な汗が流れる。少し苦い。
ここから逃げる手段も思いつかないまま、急速に酸欠になっていくが、呼吸音や微妙な空気の動きで気づかれたら怖い。ゆっくり慎重に鼻から息をついて周囲を見た。

ここは、倉庫のようなところか?
なぜ、ここに閉じ込められているのか、ここがどこなのか分からない。
窓はない。だが、なんとなく夜だと分かる。
夜じゃなければ世界は死んでいるのだと俺は思う。静かすぎるのだ。

物陰から出た所に、金属のバールのようなものが見えた。
希望的観測から幻を見てるのかもしれない。とにかく暗くて何も見えないのだ。
しかし、相手も動く気配はないし、ここでじっとしていても不利は覆らない。もし、あれが蜘蛛のようなものだとしたら、彼らは待つのに長けたハンターだし、動きも素早く罠を張られたら逃げられない。何より巨大すぎる。

ともかく、バールの所までダッシュして、振り回しながら逃げるしかない。
覚悟を決めてダッシュした。
背後からハンターの気づく気配。届いた。バールを握る。そのまま背後を殴りつける。かすかに固い感触が伝わる。かすったようだ。
そのまま振り返らず壁際に逃げて振り向く。
どこにも気配がない。
上!?
天井から巨大な質量が降ってくる。
全力でバールを振り回す。
鈍い音、固くて重くて凄い手ごたえ。カウンターで渾身の一撃が決まった。

ようやく深く呼吸した。まだ、生き延びれるかもしれない。
少し希望を持った瞬間、何かロープのようなものが巻き付いた。
同時に強力な力で引っ張られて倒される。
バールが床に当たって固い音を立てた。

「ガシャーン」
離しちゃダメだ。

必死にバールを探したが、周りにはなかった。

あの嫌な音はブラインドが風にあおられて壁に当たった音だった。
俺は起きたのだった。

風が吹き荒れる音とブラインドが壁に当たる音が何度もなった。
そのたびに、心臓がギュッとなる。
恐怖を眠さが上回って、急いで窓を閉めて回った。

強風こわい。昨晩の落雷より、寝込みを襲う強風の方が怖かった。

暗い倉庫の中で大蜘蛛と戦うよりも、寝込みを襲う強風の方が怖かった。

テレビでは、パリィアニメがやっていた。
それで、パリィの夢を見たのか。単純だな。。。

窓を閉めたので、もう怖くないや。凄いなマイホーム!ありがとう窓!


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