見出し画像

3月8日のミモザの花

フィレンツェでも3月に入ると
空気も、色彩も
春らしい明るさを帯びてくる。

陽光がきらきらと輝き、
街のショーウィンドウには
復活祭の飾りつけの定番の
うさぎ🐰やヒヨコ🐥🐣タマゴ🥚たちと一緒に
黄色いミモザの花が
よく飾られる。

イタリアの3月8日は 
Festa della Donnaフェスタ デッラ ドンナ(女性の祭り)
あるいは
Giorno della Donnaジョルノ デッラ ドンナ(女性の日)
といって
男性たちが、女性たちに
「女性の日おめでとう」と言って、
ミモザの花をプレゼントする。

もともとは、むかし
工場勤務の女性たちが、工場の事故か火災で
多数犠牲になったことが発端だとか、
女性の参政権を求める運動が発端だとか、
この日付けの根拠は、諸説あるみたい。

「どうして3月8日が女性の日なの?」
とイタリアの人たちに聞いてみた時に、
彼らの答えは上記のようにいくつかあって、
一致していなかったり
どちらかというと
「さあ?」とか「昔からそうなってる」
とかの反応の方が多かった。

この日、街は一日じゅう
黄色いミモザの花で彩られる。

行きつけのBarバールやお店で贈られたと思われる、
小さなミモザの花束を手にして歩く女性が
たくさんいたり

ミモザで店先を飾っているところがあったり

街角には
田舎から、たぶん自分の庭のミモザの木の枝を切って来て、
小さな枝ひとつひとつに赤いリボンを結び
〈ひと枝1ユーロ〉で売って
ちょっとしたお小遣い稼ぎをしてる人もいた。

男性たちは、そういう街角のミモザ売りや
露店の花屋さんで、気に入った花束を買い

恋人や奥さんだけにとどまらず

友達や、お母さんや他の家族、
仕事場の同僚、
自分の店に来るお客さんの女性たちにも
気軽な感じで
今日は女性の日だから と花を手渡し、

女性たちもそれを
「グラツィエ」と言って受け取りながら、
じぶんも笑顔の花を咲かせる。

ミモザの花って、ちいさな毛糸玉みたいな 
ぽわぽわした、可愛らしい
丸い黄色の花がたくさん寄り集まってて、
枝をいくつか、大きめの花瓶にどさっと挿すと
あふれんばかりの
『ミモザの噴水』みたいな姿になる。

明るい黄色い花と
濃い緑色の葉っぱのコントラストは
春らしい色彩で、

眺めていると、自然と笑顔になるし
元気なエネルギーをもらえる。

もちろんミモザを贈るのは、ただの習慣というだけで
イタリアでは必ずするべきこと、だとか
誰に贈らなくちゃいけない
とか、決まっているわけじゃない。
(誰にも何も贈らない男性もいると思う)

でも私が現地に住んで目にした
毎年の3月8日にはいつも、
街じゅうに黄色い、愛らしいミモザの花が
春の陽光に生き生きと溢れかえっていた。

あるイタリア人男性の言葉が印象的で、
心に残っている。

「この日は自分にとっては、全ての女性に感謝する日だよ。
だって女性のいない世界なんて、寂し過ぎて想像できないしね。
存在してくれてありがとう、って言うだけでも足りないよ。
彼女たちは男性に、そこにいてくれるだけでも、大きな喜びを与えてくれるのに
それだけでなく毎日、僕たちの日々の生活が心地よいものになるよう、
様々なこともしてくれているんだから」

イタリアでは普段、カップルたちは
カップル単位で行動するのが普通で
子供がいると尚更、
女性は、女友達同士で出かけることは
あまりしなくなるのだけど

この日だけは例外的に
女友達だけで食事に行ったり、
踊りに行ったり、

男性たちも(珍しく)ヤキモチをやかずに
お父さんや子供たちも
「女性の日だから、今日はゆっくり楽しんできてね」
と、恋人や妻、お母さんたちをこころよく送り出す。

一年に一度くらい、合法的(?)に
お母さん業や主婦業を休めたり、
パートナーや家族より自分を優先して過ごしても罪悪感を感じなくていい日
があるのって、いいと思う。

個々人の多様な事例はあるし、
それを言い出したらキリがないけど

一般的に女性は
自分のことはいつも後回しにしがちで、
誰かの為に一生懸命あれこれと動き回って
気が付くと
心も身体も、すっかり疲れ果てている…
という事が、多いと思うから。

人間なら誰にとっても
〈役割〉を休んでリラックスできる日は
普通に必要だけど
価値が客観的に評価されず、報酬が発生しない仕事というのは、休みもなかなか認めてもらえなかったりしない?

ただミモザの花を贈られるだけでも
私なんかは、すごく嬉しくて
気持ちもポジティブに上がってた⤴︎けど
(たぶん女性たちの多くは同じだと思う)

そんな物質的な贈物モノは別に必ず必要ってわけじゃないし、

家族や恋人同士だけでなく、
たとえ友達同士であっても

優しい言葉や
やさしい心遣いは、
元気と笑顔をつくり出してくれるから

何か機会があったり
いつでも ふと思いついた時には
気軽にそれを、贈り合ってみたいよね。


お互いにね♪



*****

さて
今回は〈女性の日〉ということで、
素敵な女性の方々をご紹介したいと思います。

YouTubeのチャンネル紹介となりますが、
日本社会ではよく、何かを紹介すると
単なる「シェア」よりも「これに賛同する」という意味に捉えられることがあるので
いちおう念のために申し上げておきますと

私はいつも、どのような事も
自分の頭で考えて、判断したいから

考える材料として、
資料や情報として、
多くのさまざまな意見や考えを
見たり、聞いたり、読んだりしています。

これまで
誰かの言う全ての意見に100%賛同して、それを無条件に受け入れる"信者"になったことも、
これからなることもありませんが、

それを踏まえた上でも
このかたたちは、作られている動画の内容や、質について、個人的に
本当に感嘆し、尊敬している女性たちです。
(でも全ての動画を観てる訳じゃないです)

もしまだご存知ない人たちがいたら、ぜひご紹介したいな♪ と思い、選びました。

気になる方がいらしたら、
彼女たちのYouTubeチャンネルを訪れて、
皆さんの知見を広げる資料のひとつとして
他の動画もご覧になってみてくださいね。


🌟Alicia Fordアリシア フォードさん
ロシアのかただそうですが、artist nameなのかな? 

驚くほど美しく、聡明で、ユーモアのセンスも非常~に(笑)、豊かなかたです。
(別の動画ではもっとそれを発揮なさっています)
私は最初、大学教授や研究者なのかと思いましたが、違いました。
(さて、この方のお仕事は何でしょう?😉)

彼女のチャンネルにある
『北方領土の真実』
『ロシア現代史』(共に二部作)の動画は、
非常に秀逸な力作で、必見です。
私は物凄…っく勉強になりました。

もちろん他の作品も、素敵なものばかりです。
(こちらの動画は2022年4月に発表されています。
再生時間16:13)


🌟我那覇真子がなはまさこさん
沖縄出身のジャーナリストさんで、
私はこの方を2020年のアメリカ大統領選の時期に知り、以来、時々動画を見るようになりました。

世界各地の"現地"に実際に足を運び、
そこの人々と直接会い、話をし、
ご自分の目と耳で情報を得て、それを素晴らしいレポートにして届けて下さっています。

物腰が柔らかく、いつもにこやか☺️で、
上品で愛らしいかたではあるけれど
内に持っていらっしゃるお考えや情熱は、とても強靭きょうじんで、熱いものをお持ちだと感じています。
(靖国神社でのスピーチ動画を拝見して、そう思いました)←ご自身のチャンネルの動画ではなかったです。

このインタビューも、興味のない人には面白くないかも知れませんが、
価値が解る人には、とてつもなく意義深く興味深いもので、
ほんとうに感嘆し、感謝しました。
(再生時間29:27)


🌟の花さくやさん
『【施設出身の私】と【保護猫】』というチャンネル名で活動されている、
とてもお若いのに、内面の成熟度、知性、聡明さなどが卓越しているかた

動画内でお話しされている、ご自身の生い立ちを考えると
子供は普通、学校の先生以外に
親や祖父母からも、たくさんのことを学ぶのに

この方は、これまでずっと
大人たちよりもむしろご自分自身で、
ご自分のことを育み、様々なことも学んで来られたのだろうな…
と思うので
よく道をあやまたずにここまで真っ当に、
ここまで理知的に…
と思わず頭が下がって来てしまう。

私自身「無関心ではなかったけれど全く無知であった」分野について、彼女の動画からたくさん勉強させていただいています。

自分自身の親との関係だったり、
社会問題としての親の責任、制度の責任、
当事者の子供たちの心理学的側面への懸念、
どのように自分や大人達が役に立てるのか…etc.
本当にいろいろと、考えさせられます。

あと、彼女のお料理や家事の動画も、アイデアや工夫に溢れていて、とても勉強になります😊

*追記*
2023/4/14付の動画で、無期限活動休止を発表されていました。
同時に、相当数の動画が非公開になっています。
今後YouTubeを再開するかはまだ未定と仰っていますが、応援したい気持ちは変わらないので、
まだ公開されている動画に差し替えて、置いておきますね。
(再生時間5:18)

*追記2*
2023/6 に活動再開されました。
『木の花さくや。一人と一匹暮らし。』
というタイトルになっています。


書いたものに対するみなさまからの評価として、謹んで拝受致します。 わりと真面目に日々の食事とワイン代・・・ 美味しいワイン、どうもありがとうございます♡