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「見えない自由がほしくて 見えない銃を撃ちまくる 本当の声を聞かせておくれよ」 ヒロト&マーシー全作品リスト 〜1988

①『ALIVE HIROSHIMA '88』/オムニバス 1988.10

DISC2 M.4 NO NO NO (作詞・作曲 甲本ヒロト、編曲 THE BLUE HEARTS)

1988年8月5日(金)&6日(土)に開催された、「広島ピースコンサート」の様子を収めたライヴ盤(DISC1に5日、DISC2に6日の様子が録音されている)。
前年から引き続き、ブルーハーツはこの年も参加している。

「原子爆弾 打ち込まれても これには かなわない」。
広島で行われたチャリティー・コンサートで「NO NO NO」を披露するという反骨精神こそ、ブルーハーツがブルーハーツたる所以である。

ブルーハーツの後に登場した南こうせつが観客を煽る際、「(声が)もっと出るはずだ…。ブルーハーツの時出してたじゃないか…。」と発言しており、いかにブルーハーツのアクトが盛り上がっていたのかが見て取れる。

他の参加者はARB、桑名正博、杏里、ハウンド・ドッグ、エコーズ、世良公則など。
前年に比べるとちょっと地味?
このイベントには参加していないものの、スペシャルサンクスとして「オフコース」、「レッド・ウォーリアーズ」、「ラウドネス」、「爆風スランプ」、「タイマーズ」の名前がクレジットされている。

DISC2 M.13ではイベントに参加したアーティストが集結して合唱しているのだが、ブルーハーツの声は聞こえない。
YouTubeに当日の動画がアップされていたのでそちらを確認してみたのだが、やはりブルーハーツは参加していないようだ。
ブルーハーツのwikiを確認してみると、彼らは本イベントの翌日、愛媛県宇和島市で行われたイベントに参加している模様。
おそらくはスケジュールの都合上、最後までこのコンサートに参加する事が出来ず、自分たちのライヴが終わったら直ぐに宇和島市に向けて出発したのだろう。
この多忙さ。デビューから1年足らずで一気に人気者になったというのがよくわかる。

②『TRAIN-TRAIN』/THE BLUE HEARTS 1988.11

M.1 TRAIN-TRAIN  (作詞・作曲 真島昌利)
※3rdシングルA面

M.2 
メリーゴーランド (作詞・作曲 甲本ヒロト/真島昌利)
※ヒロト&マーシーのキャリアでも珍しい、2人の共作曲。
※※ピアノを弾いているのは「BO GUMBOS」のキーボーディストKyonである。

M.3 
電光石火 (作詞・作曲 甲本ヒロト)
※4thシングルB面
※※ハンドクラップ&フットスタンプに参加している渡辺誠二は、ブルーハーツのローディーを務めていた。
後にCDデビューしており、そのアルバムではヒロト&マーシーが楽曲を提供している。

M.4 
ミサイル (作詞・作曲 甲本ヒロト)

M.5 
僕の右手 (作詞・作曲 甲本ヒロト)
※この曲は「GHOUL」のVo.だったMASHAMIのことを歌っているという説がまことしやかに語られているが、実はこれはデマ。
『ISHIYA私観 ジャパニーズ・ハードコア30年史 番外編 右手を失くしたカリスマ MASAMI伝』の中で、ヒロト本人の口から明らかにされている。

M.6無言電話のブルース (作詞・作曲 真島昌利)
※3rdシングルB面

M.7 風船爆弾(バンバンバン)  (作詞 河口純之助/甲本ヒロト、作曲 河口純之助)
※河ちゃんの楽曲が初登場。
これでブルーハーツに3人のシンガーソングライターが揃った。

M.8 ラブレター (作詞・作曲 甲本ヒロト)
※4thシングルA面

M.9 ながれもの (作詞・作曲 甲本ヒロト)

M.10 ブルースをけとばせ (作詞・作曲 真島昌利)
※ピアノを弾いているのはKyon。

M.11 青空 (作詞・作曲 真島昌利)
※5thシングルA面

M.12 お前を離さない (作詞・作曲 真島昌利)

ブルーハーツの3rdアルバムにして、邦ロックの歴史に残る名盤。
1st、2ndのパンク的な雰囲気を残しつつも、そのジャンルの枠には収まり切らない楽曲がアルバムの大半を占める。
このアルバムを境に、ブルーハーツは明らかに次のステップへと昇っていったように思う。

M.12の最後で1曲目の「TRAIN-TRAIN」のイントロが流れるという円環構造。
全体的に乗り物や移動するものを題材にした曲が多く、収録楽曲に一貫性を感じる。
ヒロト&マーシーのアルバムはどれもそういう傾向があるのだが、本作は特にコンセプト・アルバムとしての趣が強く押し出されている。

シングル曲が3曲も収録されており、そのどれもが現代でも歌い継がれているとてつもない名曲である。
このアルバムの制作にはかなり気合を入れていたんだろうな、と推測できるが、その気合が十分に伝わってくる。
文句なしのマスターピースである!✌️





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