今の中国(山東省)某大学のコロナ事情
コロナから早二年。ずっと日本からネット授業をしていたが、
「中国はコロナを完全にコントロールした!」
と学生たちは勝利宣言をしながら、大学も去年から通常授業となっていたが、最近また感染者が増えたとかで、写真のような集団強制PCR検査。
大学の授業もすべてネット授業。学生たちの多くは朝から晩まで一室六人の狭い寮の部屋でネット授業を受けているという。
しかもほかの先生の授業はお互い顔も見えない授業らしい。
週末も自由に学校の外に出られず、感染者はこの小屋みたいなところに閉じ込められるという。
これを送ってきた学生は「人民に自由はない」と怒りの絵文字。
毎日クラスで何人か無作為に選ばれ、検査に行かされる。先週は四人だったのに今日はさらに倍。「なんでや!」と問うと、先週はクラスの10%が検査に行かされたが今週は20%になったという。来週はさらに増えるのか? これじゃまともに授業さえ受けられやしない。
今月末日本に留学予定の学生も実家に帰れなくなった。実家付近で感染者が出たからだ。その数二人! それでこの厳戒体制。
彼女は家に帰れなくなったばかりか、感染者が発覚した日から遡って過去14日間実家付近にいたというだけで、強制隔離。
携帯にくる通知を受けた感染者発覚地帯(範囲広い)に過去14日の間に足を踏み入れている該当者は速やかに隔離施設に行かねばならない。
大学の国際部の担当が「今、山東省はひどい状況で感染者が増大している。全員検査をしなければならない!」と深刻そうに行っていたからどれだけ感染者数多いのかと思ったら…
ちなみにこれ、一つ一つの市の広さはけっこう広い。その広い範囲に一人でも感染者が出ればもう真っ赤な警告!都市封鎖!全員検査!その土地に足を踏み入れた痕跡ある者皆隔離!
なんかもう一族全員根絶やしにしてくれるわ!ぐらいの鬼気迫るものがある。基本中国はコロナに対して完全撲滅を目指してるわけで、ウイルスと共存していこうみたいな考えは微塵もないように感じる。
じゃあ、そこまで徹底して完全勝利になるのかというと、全然そうはならないわけで、最近では国のメンツのためだかなんだかしらんけど、コロナは外国の輸入品のせいで入り込んできたってのが常識になっている。つまり国内では抑制に成功してるんだと言いたいんだろう。悪いものは外からくるのだと。
私が一番仲良くしている委員長(あだ名)も輸入品のせいでコロナが収まらないなんて言い出したから、私は彼女に言った。
「じゃあ、なんで輸入に頼ってる日本でもっと早くそれが原因だと大騒ぎになってないのさ」
それとも輸入に頼らなきゃならない日本だからこそ、そのことは秘密にされてんの?
何にしても本当のところは「わからない」。ただ国に報道されてることを信じるしかないし、国に言われれば従うしかないし、人民に自由はないと怒りを感じても、人民である以上人民として生きねばならない。
「いつまでコロナが続くんだろう」
という委員長に
「いつまでかわからないけど、今できること、やれることをやるしかないでしょ。とりあえず食いすぎるな」
と私は言う。
妊婦となり、ますますまるくなり、つわりで食べられないといいながら、おかしはごはんにカウントせず「あまりごはんを食べてないのになぜか太る」とふしぎそうに言っている委員長に「おい!」とつっこみながら。
まあそんなわけで非常に厳格な中国で、学生たちは大学に閉じ込められ、自由を制限された囚人のような生活をしているわけで、毎日毎日検査に行かされ、なんかほんとかわいそう。
私も毎日「今日は授業に何人出席してますか?」と聞かれて報告せねばならず、なんでこういうめんどくさいことを強制でやらせるんだろうと思いながらも、今一番つらくてたいへんなのは、楽しいはずの大学生活の日常を奪われている学生たちなんだろうなと思う。
ろくに授業も受けれない上、すべてネット授業になり、つまらなくて苦行みたいだし、せめて私の授業は楽しめるように日本語で話すしばり以外はエンタメとしてやっている。
これによりわかったのは、中国の大学生は彼氏や彼女の鼻毛が出ていても教えない、むしろ気にしないということ。
そして二十歳にとって十五歳年上はもう恋愛相手として脅威でしかないということ。金持ちは?と聞いても女子はそこまで年上だと恋愛対象として考えられないらしい。え、でも35だよ?全然若くない? あっ、日本ならか。最近の学生あかぬけてるけど、少し前なら「お子さん何人で?」と言いたくなるような老けた学生も多かったし、日本人本当に世界に誇る童顔。
童顔じゃなくても、私は中国だと「先生ですか?学生ですか?」と大学の警備員とかに必ず言われるし、中国でBBAなんて冗談でも言われたことないわ!
えーとなんの話題だっけ?
あ、そうそう、中国(山東省)の大学コロナ事情でした!おわり
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?