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【一発合格】理系女子が国家資格のエネルギ管理士を一発合格した話

こんにちは、るんさです。
私、実は令和5年度のエネルギー管理士試験(熱分野)を初めて受験し、見事一発で合格しました。(マイナーな試験なので知らない人も多いはず。実際私も、上司に教えてもらうまでは聞いたこともありませんでした。)
せっかく合格したのにそのまま放っておくのは勿体ないなと思い、合格までの話をまとめてみました。
これから本資格を取得する方にとって有益となる情報もお届けします。


るんさのスペック

大学時代に工学部で機械系を専攻していました。4力(力学・材料力学・熱力学・流体力学)を広く浅く勉強しましたが、テストのための勉強であったためすぐに忘れ、身に付いていませんでした。熱力学が最も苦手で、次に流体力学が苦手でした。(両者ともに本試験で最も出てくる分野(笑))
大学を卒業して2年後にエネルギー管理士試験の受験を決意しました。その間の2年は、4力についてはほとんど触れていませんでした。大学時代の専攻から、試験分野は熱分野の一択でした。

るんさのモチベーション

私がエネルギー管理士試験を受験しようと思ったきっかけは以下の2つです。
①会社の仕事がイヤになり始めた時期だったから
②憧れの上司が勧めてくれたから
こういった理由で受ける人はあまりいないかもしれないですね。普通は、業務上必要とか、上司指示とか、転職のためとか。私の場合は、仕事に少しは関係するけど別になくても困らない、といった具合でした。それでも受けようと思った経緯は、仕事がイヤだなと感じ始めて、自分の生活の中で何か目標がないと平日も休日もふさぎ込んで鬱になりそう、と思ったからでした。そう思い始めていた矢先、憧れの上司(私の出身大学のOB)が本資格の存在を教えてくれてました。その上司自身も資格を持っていて、この人がおススメしてくれるならやってやろう、と思いました。合格したら褒めてくれるかな、なんていう邪な思いもありました。

勉強に用いた書籍

まず私は本屋さんで行き、問題集と過去問をパラパラっと見ました。こういう感じの試験内容なんだ、と感触を得ました。
実際に勉強で用いた問題集と過去問は以下の通りです。

①『エネルギー管理士試験[熱分野]徹底研究(改訂2版)』不動弘幸 著
②『エネルギー管理士徹底マスター エネルギー総合管理及び法規』半田進 著
③『エネルギー管理士 熱分野 模範解答集 2023年版』電気書院

①全分野の内容を簡潔にまとめており、質・量ともにちょうど良いです。各テーマごとにまず概要の説明があり、そして問題が続く、というセットになっています。そのため、まずは概要を読んでインプット、そこから問題を解いてアウトプット、と効率的に勉強できます。いきなり過去問を解くより、この本で基礎を勉強するのがおすすめです。

②試験課目Ⅰ「エネルギー総合管理及び法規」に特化した問題集です。①の書籍にも法規分野は載っているのですが、ボリュームとして少ないと感じたため、②も勉強することで補いました。細かいところまで易しく解説しているので、初めて法規を勉強する人におすすめです。また、地味に、熱力学や流体力学の基礎の基礎も盛り込まれています。①と併せて勉強することで、基礎の理解がより強固になります。

③やはり試験を受けるには過去問題集を用いての実践的な勉強も欠かせません。10年分解けば、対策は十分でしょう。

ちなみに私は上記①②③の書籍を全てフリマアプリで購入しました。新品の書籍は結構高価だと感じ、少しでも安く手に入れるためです。フリマアプリでは最新版を手に入れられない可能性もありますが、3年程度の型落ちであれば問題ないと思います。(試験に合格し不要になったので出品中です。書籍名で検索してね)
また、エネルギー管理士はマイナーな資格なので、ある程度大きな書店でないと書籍すら置いてくれていない可能性があります。

また、上記の問題集の他に、勉強の際に用いた参考書は以下の通りです。

④『わかりやすい エネルギー管理士 熱分野 合格テキスト』弘文社
⑤『JSMEテキストシリーズ 熱力学』日本機械学会
⑥『JSMEテキストシリーズ 流体力学』日本機械学会

④こちらも広範囲の内容を簡潔に凝縮しており、非常におすすめです。何より読みやすく分かりやすいです。ボリュームは少ないですが章末問題も付いています。私はこの④と①の両方で勉強することをおすすめします。①で省略されていることが④に書いてある、とか、①と④両方に書いてあるということはとても重要な事柄だ、など理解が非常に深まります。
⑤と⑥は、大学時代に使っていた教科書です。正直、わざわざ買うほどではありません。ただ、どの参考書にも載っていない詳しい理論や解説が知りたくて気になったときに、この本を開いてみたら見事に載っているんですよね。みなさんも大学時代の教科書を取っているようでしたら、捨てずに見返してみてください。

勉強計画

私が試験を受けようと決意したのは2023年2月末、そして試験本番は2023年7月末。勉強期間は5ヶ月ありました。その間に、おおまかに以下のようなスケジュールで勉強しました。

◆2月末〜3月上旬(0.5ヶ月)
問題集②に、地味に、エネルギー基本理論・概論が載っていたので、高校レベルの物理を基礎の基礎から復習。

◆3月上旬〜5月中旬(2.25ヶ月)
問題集①で、法規以外の分野を勉強。順番は、
(1) 課目Ⅰ「エネルギー総合管理及び法規」のうち、法規以外
(2) 課目Ⅱ「熱と流体の流れの基礎」
(3) 課目Ⅳ「熱利用設備及びその管理」※4つの科目のうち2つを選択するが、熱交換器・熱回収装置、冷凍・空気調和設備の2つがおすすめ。選択した科目以外の科目は勉強しなくても影響はない。
(4) 課目Ⅲ「燃料と燃焼」

上記の勉強ではどうしても、机に向かい手を動かして勉強しなければなりません。それと並行して、ちょっとずつ法規分野を読み進めていました。文字通り目で追うだけで問題は解いていませんでした。しかし、ただ目で追うだけでも毎日行えば大まかな内容は入ってくるので、次に来る実践的な演習へスムーズに入ることができました。

◆5月中旬〜7月末(2.25ヶ月)
過去問題集③で、初めて実践的な問題演習で勉強。全科目、全10年分をやり切る。

勉強方法

私は、読むだけでなく書くことで覚えられると思っています。なので私は、問題集①と②を勉強する中で、問題を解く前に、概要の説明をノートにまとめました。少々時間はかかりますが、要点を書いてから問題を解くことで、記憶への残り方が大きく変わってきます。そうすることで、いざ過去問を解き始めたとき、何か見たことある、と記憶への取っ掛かりが多くなるはずです。ぜひ実践してみてください。
また過去問を解いていった際に、出題分野が広いゆえに、覚えるべき事柄の多さに頭がパンクしそうになりました。そこで私は、ExcelやSpreadsheetを用いて、各課目ごとに、覚えるべき事柄を一つ一つ書き出して一覧にしました。そのとき、その事柄は問題集①の何ページ目に関連、などと紐づけて脳内を整理しました。本試験は計算問題が多く占めますが、正直、覚えないとどうにもならない事柄も多くあった印象です。こちらも是非実践してみて下さい。

勉強時間

結論から言うと、5ヶ月間で総じて勉強した時間は、ざっくり320時間でした。
平日 平均1.25時間×105日 ≒ 130時間
休日 平均5時間×38日 ≒ 190時間

るんさのスペックでも記載しましたが、私は大学で学んだきり2年間のブランクがあるものの、あ〜こんなこと勉強したな〜とおぼろげな記憶を掘り起こしながら勉強していました。なので、大学で熱力学と流体力学を学んだ経験がある人は、可能であれば6ヶ月間で400時間と見込んでおくと余裕があると思います。逆に、これまで全く勉強したことのない方は、この1.5倍から2倍の時間を要すると思います。

試験当日

試験当日は、人の出入りの多さに驚きました。というのも、本試験の合格条件は「全4つの課目を3年以内に合格すること」なので、どの課目を受けるかは人それぞれなのです。そのため、課目が変わるごとに多くの人が出入りします。気を取られないように注意して下さい。
また、試験中に途中退席する人も多いなと感じました。本当に解き切って帰っているのか、諦めて帰っているのか、事情はわかりません。しかし、こちらも気を取られないように注意が必要です。
中には、試験中の全科目で寝ている人もいました。

試験後

問題用紙は持ち帰ることができます。また、試験の翌日にインターネット上で模範解答が公開されました。私は、問題用紙に自分の解答を控えていたため、すぐに自己採点ができました。その結果は、全科目で得点率90%以上!震えるほど嬉しかったですね。
ただし、正式な合否結果はそのひと月後に、同じくインターネット上で公開されます。
その半月後に、合格証と免状申請書がお手元に届きます。免状申請書は、必要に応じて提出してくださいね。

まとめ

『理系女子が国家資格のエネルギ管理士を一発合格した話』、いかがでしたでしょうか。問題集2冊と過去問題集1冊を中心に、ノートにまとめながら勉強し、実に5ヶ月間・320時間の勉強で無事一発合格しました。
勉強を続ける秘訣は、勉強している自分を好きになり褒めてあげること、そして合格した後の理想の未来を思うことだと思います。また私は、本試験の合格を目指している、と周囲に言うようにしました。おかげで、集中力を切らさず乗り越えることができました。
皆さまもぜひ挑戦してみてください!

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