見出し画像

私を救ったのは"神様"ではなく、自分の"社会不適合っぽい性格"だった。

※ご注意※
今回は少し、衝撃のつよい内容です。
長いし、途中で言葉遣いが少し荒れます。

もし「無理かも」と思われたら、
遠慮なくブラウザバックしてくださいね。



突然ですが、皆さんは道端やお店の中、
学校の敷地内やネットetc……知らない人から
宗教勧誘を受けた経験はありますでしょうか?

これまた突然すぎるカミングアウトなのですが、
私には宗教勧誘をしなければならない側だった経験があります。(※今は全く100%の無関係なので、そちらについてはご心配なく!!)

といっても "カルト二世" とかではありません。
ピュアすぎて周りから心配されていた高校生の頃、LOFTで筆ペンを買おうとしてたら勧誘されて、まんまと釣られちまったのさ……(老婆ボイス)

なんで釣られてしまったのかというと、

・当時の私は「結局、鋼のメンタルでバリバリやっていける人か、ズルいことを平気でできるような人しか勝てない世の中なんでしょ。なんで私みたいに鈍臭くてカバンの中に入れたルマンドと同じくらいメンタルが弱い人間でも頑張って生きなきゃいけないの?」という哲学的な(?)疑問の答えを求めていた。

・中学生の頃に読んだ小説『塩狩峠』の影響や
クラシック音楽・西洋美術への興味からキリスト教への抵抗が全くなく、むしろ聖書や教会に憧れがあった。

・社会人になることに大きな不安を感じていて、自分みたいな学校生活にすら馴染めないような人間が社会でやっていけるわけないじゃん!!
ビジネスとか利益とか競争社会とか無理すぎるんですけど!!と思い(だからオペラ歌手とか保育士とか目指してたんだけど)、将来への見通しが不透明すぎる状態だった。

・私が釣られた宗教では
メンバー(仲間)のことをほぼ100%ファーストネームで呼びあっていたので、学校で苗字でしか呼んでもらえない寂しさを強く感じていた私は嬉しく感じてしまった。

↓名前を呼ばれたかった件についての記録はこちら


昔からね、お母さんや友達や先生から
「あなたは人懐っこい子だけど騙されやすいからね〜、知らない人からお菓子あげるって言われてもついて行っちゃダメよ!!」って
ものすご〜〜〜く言われてたんだけどね。。

当時ほぼ大学生か社会人しかいなかったコミュニティの中で「若い!!」「高校生かわいい!!若いのに偉い!!」「希望の星だね!!」なんて言われたものだから、コロッと落ちちゃったんです。
(大抵の人は大学の敷地内で勧誘されるらしく&高校生の場合は実家暮らしが多いゆえ、親が「怪しい」と察して止めるケースが多いみたい。だから高校生は珍しかったんです。)


多くのカルト宗教ではパターンが決まっていて、

①ラブシャワー
新しく来た人をひたすらもてなし、悩みに寄り添い、可愛がり、褒めちぎる。警戒心を解き、運命を感じさせ、選民意識みたいなものを植え付ける。

②教育
ここでしか聞けないヒミツの話だよ☆
「そっか私って特別なんだ!」という高揚感を与え、その組織の"教え"を徹底的に叩き込む。なお、聖書に出てくるサタン(悪魔)の存在を巧みに使い、「身近な人に言っちゃだめだよ」「ネットでこの宗教のことを検索しちゃだめだよ」口止め&行動の制限などをじわじわ行う。

③絶対従順&外の世界へ出られない人に育てる
→「神様以外のものを愛してはいけない」「神様との約束を破ったら地獄に行って永遠に苦しむ」「この宗教から抜ける奴は裏切り者!必ず地獄へ行く」みたいなことを毎日のように言われ、組織から出ることに対する不安をエグいほど植え付けられる。また、時間や興味を向ける方向、生活の軸などもすべて神様に投資しろとか言われるので、就職に必要となる勉強や趣味活動などがほとんどできなくなる。恋愛や推し活は「死に至る罪」とされているので、厳格に禁止されている。

④外の世界の人を連れてこいと言われる
→世の中のまだ真理を知らず救われていない可哀想な人をここに連れてきてあげて!と言われる。(これが冒頭に出てきた宗教勧誘です。) 純粋な気持ちで会いたい、遊びたい友達がいたとしても「その子を伝道する気がないなら会っちゃダメ」とか言われる。(ひどくね?)


こういうアレコレを経て、
本人的には迷惑行為だとは思っておらず
「100%の善意で」宗教勧誘をする人が登場してしまうわけなんですよ……(まぁなんと、バチボコに迷惑なお話ですわねww おーっほっほ)

そしてこの宗教、
金銭的な被害(壷買わされるとか)は少ないものの

・朝3時に起きて "お祈り" をしろ
・礼拝の説教で言われたことをやりたくない時は
「やりたい気持ちが湧くように」神に祈れ
・苦しいことがあっても全てに感謝しろ
・日曜日/水曜日/金曜日の礼拝はどんなことがあっても出席しろ(※出ないと裁きに遭うらしい)
・礼拝のあとはバレーボールに参加しろ(?)
・感謝の祈りをせずに食事してはいけない

・趣味や好きなことに没頭すると「それは信仰のためになることですか?^^」やんわり怒られる
・礼拝の説教がつまらなくて寝ると怒られる
・伝道する気がない、実績が少ない人はマークされ、特別指導される(※逆に、たくさん人を連れてきた人は表彰されたりしてた)
直すべき性格や「罪」と呼ばれる行動が100種類くらいあって、絶対に直せ!と言われていた。

まぁーーーーめんどくさいことだらけで!!
うるせーーーーー!!!としか思えないね!!

くわばらくわばら!!!!エンガチョ!!!!!



本当に毎日が苦痛で何もかも嫌で、それでもこの宗教を抜け出すまでに5年もかかってしまった理由は

・地獄がどんなに恐ろしい場所であるか言葉だけではなく映像つきで頻繁に見せられていたため、とにかく「裏切り者認定されて地獄に落とされること」が怖かったから

・私とは全然ちがうタイプの、理系の人とか
体育会系バリバリの熱い社会人男性とかバリキャリウーマンとかが本気で信じていたから(「こんな立派で頭のいい人たちが信じてるならきっと正しいんだろう……」と思っていた)

・この組織に捧げてきた17歳〜22歳という一番いい感じの年齢が、組織を離れることによって「無」になってしまい、空っぽになることの虚しさに耐えられる自信がなかったから

でした。


しかしここで
私の「社会不適合者」な性格や芸術的感性、抑圧されることを嫌う性格、体育会系のノリを嫌う性格が自分を救うことになるのだ!!!

まず、この宗教、賛美歌がくそダサい。

ほんっっとに激ダサい。なんも面白くないし、
オシャレでもないし、こだわりも感じられない。
清潔感だけで作られた空っぽの歌って感じで
愛着がまったく湧かない。私の好みではない。

それなのに「世の中の音楽は愛しちゃダメ、神様のために捧げられた音楽だけを奏でなさい」って言われる。無理。

世の中にはねぇ、ラヴェルとかフォーレとか
プーランクとかストラヴィンスキーとか、
ニーノ・ロータとかパルムグレンとか
ロシア民謡とか昭和歌謡とかクレズマーとか
素敵な音楽が溢れてるの!!!!
(偏りがすげぇ)

そこでまず「大好きな音楽を認められないなんて、つらすぎる」という気持ちが抑えられなくなりました。



あと、私は基本的にスポーツが苦手です。

スポーツそのものもあまり好きじゃないですし、
スポーツのように「連れてきた人の人数」で競わされるとか、明け方に起きてお祈りできた日数で優劣をつけられるとか、「辛いことがあっても弱音は吐かない!!ポジティブ!!鍛えてくださって感謝します!!(キラリ〜ン)」みたいなの、ほんとに無理なんですよ。

もちろん、
そういうのが好きな人を否定するつもりは全くありませんし、あくまでも「私が好きか嫌いか」の話なので「良い悪い」の話ではありません。
ただ、嫌だって言ってるのに押し付けてくる人や、ついて来ない(賛同しない)からといって「お前はダメなやつだ」とか言って否定してくる人は、反吐が出るくらい嫌いなんです。


ちょっと強い言葉で言いすぎましたが……(滝汗

自分が「こんな場所いやだ!」と思っている場所を人にオススメするなんてありえないし(ちなみに伝道実績は堂々のゼロ人w)、スポーツも競争もしたくないし、がんばりたくないし、好きなことをしてゆるく生きたいし、とにかく普通の暮らしがしたい!!(アイドルじゃないけど)普通の女の子に戻りたい!!!!!!

そんなことを思っているうちに、
礼拝に行こうとする身体が動かなくなりました。

行こうと思っても、身体が動かないんです。
そして、"ケア" されるのが嫌すぎて教会のお姉さんに休みの連絡を入れることもできませんでした。

そうこうしているうちに、だんだん
無断欠席することに罪悪感がなくなりました。
お節介なお姉さんたちから連絡が来ても、全無視です。(そのうち全員ブロックした)

最初こそ、やっぱり地獄は実在するんじゃないか
という恐怖が拭えなかったり、高校生活〜大学生活を棒に振ったことに対する激しい後悔の念に襲われたり、「私がへんな宗教にいた期間、周りのみんなはそれぞれ色々頑張っていたのに私は何をやっていたんだろう……」という気持ちに押しつぶされそうになりました。

でも(罪とされていた)お酒を23歳で初めて飲んでみたり、大好きな音楽をもう一度思いっきり楽しんだり(プロフに貼ってあるnanaのリンクはその期間に楽しんでいたものです)、恋をしてみたり、バンド活動を始めてみたり……

人間らしい生活を取り戻していくうちに
否定されることで萎縮した心に栄養が戻り
大嫌いだった自分を少しずつ好きになれました。

外の世界に出てもやっぱり社会不適合者だけど、
外の世界はとっても広くてバラエティ豊かで、いろんな色が否定されずに生きている世界でした。


恐らくみんなちゃんと賢くて
通らなかったであろう「似非宗教の道」、

抜け出したばかりの頃の私は
誰にもわかってもらえず苦しい思いをしたので、
いつか誰か苦しい気持ちになったことがある人の元に届き、少しでも気持ちが楽になることを願っています。

こんな辛い思いをする人が二度と出ませんように。
(重くて長い文章、読んでくれてありがとう;;)



補足:正統派の、ちゃんとした宗教は必ずしも悪いものではないかもしれません。ただカルトは本当に人を傷つけて不幸にさせるので、新たな被害者が出ないこと&傷ついた経験のある人が癒されることを願っております……

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?