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社会人になってからの留学、成功するの?失敗するの?

私はセブ島留学に関わりはじめてから早5年以上が経ちますが、その間にたくさんの社会人留学生と生活をともにしたり、現地での学習サポートを行ってきました。

今回は留学検討者に聞かれることが多い社会人留学、特に成功と失敗のカギについてお話しできればと思います。


「学び直し」のツールに選ばれる語学留学

コロナ禍を経て、自身のキャリアについて考え直したりする機会が増えたこともあり、社会人の留学者は依然として多い状況です。

とはいえ語学留学はビザを取得することなく観光客と同じ形で出国・入国することも多く、正確な年齢別のデータを持っている機関というのはほとんどなく、実数ベースでお話ができないのが難しいところです。

ただ、株式会社ベネッセコーポレーションのUdemy事業部が行ったアンケート調査では、直近で学習経験がなく、かつ意欲がある「今後1年以内に学習したい人」のうち、24.7%が学習対象に英語を挙げています

そしてこれは「お金・資産運用(49.7%)」に次いで多い学習対象となっています。

参考:https://www.benesse.co.jp/lifelong-learning/assets/pdf/news-20230120-report.pdf

英語を勉強したい!と思っている方がこれだけおり、その中で語学留学のために休みを取ったり、ギャップタイムを設けられる方が留学を行うということですので、「海外経験」や「就活の話題づくり」などの目的が含まれ、比較的時間が作りやすい学生さんよりも、現地に着いたら英語習得に対して高いモチベーションを持っている方が多い傾向にあるのも頷けます。
(学生さんの中にも本気で英語をやるために留学される方はたくさんいます)


モチベーションが高いのに、うまくいかないのはなぜ?

では、英語に対して高いモチベーションを持って留学される方が多いのに、現地でイマイチ成果が出なかったり、場合によっては途中帰国してしまうケースがあるのはなぜでしょうか。

渡航先や学校、生活に期待を持ちすぎている

社会人留学生に最もありがちなのは、期待のしすぎです。
人生経験も豊富になり、それなりに美味しいものを食べたり、良い暮らしをしたり、素敵な旅行をしたり…。

良いもの、優れたものに触れた経験が多い分、海外留学して現地での暮らしが期待ほどでなかったと感じてしまうケースが多いようです。

一度海外で暮らした方は分かると思いますが、生活の便利さ、街の清潔さ、人や物事の正確さなど、日本の暮らしの水準は世界ナンバーワンに極めて近いレベルだと思います。

消費者にとってこれほど恵まれた環境はそうそうありません。

そして留学に期待し過ぎている人が考えているのが、

日本の生活水準+各国の特徴=海外諸国

という妄想をしてしまっていること。
例えばパリに留学したら、「日本みたいな暮らしやすさは当然で、それに加えて美しい街並みやおしゃれなお店、素晴らしい観光地に囲まれて暮らせるんだろうな…。」と考えているような感じです。

実際にパリに行ったら、地下鉄駅構内や街は想像以上にごみや汚れが目立っていたりニオイがキツかったり、お店では辛くなるくらい冷たい対応をされたり、電車は何時間も遅れたり、デモやストライキで足止めを喰らったり、モナリザはアジア人観光客で溢れかえっていて写真どころではなかったり…(それは関係ないか)

こうした期待のしすぎが、結果的に見え方として社会人留学の失敗(準備の失敗)につながっている傾向があるように思います。

恥をかくのを恐れている

もう一つ、社会人にありがちな失敗が、恥を恐れてガツンとトライできないことです。

留学先では自分より年下の生徒がいることも当然多く、年長者にも関わらず自分の方が英語ができないこと、うまく話せないことを恥ずかしく思う場合もあるでしょう。

しかし、海外に出たら話したもん勝ち、学んだもん勝ちです。
話さないのに自動的に英語が話せるようになる魔法は、悲しいことに現代ではまだ発明されていません。

数十万円〜数百万円もお金を使って実現させた留学で、「恥ずかしい」とか言ってたらもったいなくないですか?

また、英語ができる人はすごいな…と思うかもしれませんが、社会人の皆さんにはそれ以外に、時間をかけて培ってきた経験や知識、技術があるはずです。

その分英語に時間を投資してきた人が、その代わりに話せるというだけなので、いわば人生における選択の違いでしかないのだと思っています。


どんな人が社会人留学を成功させている?

では逆に、どんな人たちが社会人留学を成功させているんでしょうか。
あくまで傾向として、今までに出会った方々を思い出しながら成功者に見えるタイプを考えました。

①留学の理由・目標がハッキリしている人

こういう人は圧倒的に強いですね。社会人かどうかに関係なく、学習に対してのモチベーションが太くて長いため、周囲の環境やメンタル変化に左右されにくく、一貫して取り組める稀有なパワーの持ち主です。

②なけなしのお金を使った人

こういう人も強い!社会人になると生活的にも完全に自立し、コストに対する意識が変わります。

この留学で何を得るのか?その対価にいくら支払ったのか?こうしたコスト計算を細かくやっている人、もしくはやらざるを得ない金銭的状況の人は、対価に見合った成果のために努力できます。
やっぱりお金って強いです。

③「勉強をする」という習慣がすでに身についている人

留学の目的が学習という人においては、普段のレッスンできちんと集中して取り組める人、さらに予習や復習も継続してできる人が成功を得やすいです。

社会人になると勉強=インプットよりも、普段の業務で自分のパフォーマンスを発揮しなければいけない機会が多く、机に向かう習慣もなくなって行きがちです。

語学学習に限らず、改めてまっさらな気持ちで腰を据えて何かを学ぶ姿勢ができているかどうかがとても大切です。

特に留学先は未知の国で色々な体験ができることもあり、ついつい遊びばかりに時間を割いてしまいます。

自制・セルフコントロールをして学習に取り組める力が大事になってくるでしょう。

④アクティブな人・好奇心旺盛な人

学習以外の面で、留学からより多くのものを得られるかどうかについては、興味深いと感じたことに対するフットワークの軽さがカギを握ります。

友人との集まりに招かれた時、少し難しい英語のプレゼンや発表の機会があった時、入りづらいけど気になるお店を見つけた時、現地の方に声をかけられた時など、貴重なチャレンジの意思決定ができるかどうか。

体験したことがないことに触れる留学生活だからこそ、恐れずチャレンジしてみることができるかどうかが強みになります。


留学成功のカギは、準備+学習も現地体験もやり切れるかどうか

結論、社会人留学の成否を分けるのは

・日本で細部にわたる準備をしたか
・現地で学習に対して長期的に高いモチベーションを維持できるか
・未体験の事柄に対して潔くチャレンジできるか

この辺りが大きな要因となってくると思います。

学生さんと違い時間に限りがある方も多いと思いますが、だからこそ中身の濃い留学にできると良いですね。

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