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ネイティブ講師とフィリピン人講師、どちらに教わるのが良いかよく聞かれます。

留学エージェントとしてセブ島留学のご相談にのっていると、

「ネイティブ講師じゃなくて大丈夫なんでしょうか?」

と聞かれることがよくあります。

そこで今回は、コロナ前はネイティブ講師が在籍する学校・コロナ後はネイティブ講師が在籍しない学校を見てきた私から、セブ島留学やオンライン英会話におけるネイティブ講師の意義とフィリピン人講師の質についてお話ししようと思います。

ありがたいことに、セブ島の語学学校では講師の採用なども任せていただき、100人以上の方の面接をしましたので、生徒の皆さん、および生徒になりたい皆さんに役立つ情報となれば幸いです。

ネイティブ講師の強み

まずは、ネイティブ講師が非ネイティブに比べて優れている点を見てみましょう。

①高度な英語を運用している

当然ながら、ネイティブは非ネイティブとは比較にならない量の語彙が備わっており、それをほぼオートで出力することができます。

日本人も同じで、何気ない会話の中であなたが使う日本語も、日本語学習者にとっては難解な部分があったりするはずです。

こうしたいわゆる「本物のレベルの英語」に触れていれば、いざネイティブと対峙した時にも理解できる単語や表現の幅が広がることは間違いありません。

特に目指している英語のレベルが高い方にとっては、上限なく学びの機会が生まれることになります。

②発音・イントネーションが天然の教材になる

英語の発音に一つの正解はないのですが、例えばアメリカ英語を習得したいと思っている人にとって、アメリカ人の講師はそのまま教材のような存在です。

ちょっとした発音やイントネーションなどは、真似するだけでいい。

その講師の故郷のイントネーションに寄ってしまうことはあるかもしれませんが、リアルな音源が常に発出されている環境というのは貴重です。

③指導経験が豊富な人が多い

これはあまり明確な理由が分かりませんが、セブ島などの第二言語としての英語の学習地では、ネイティブ講師に20代の講師が出てくることはほとんどない印象です。

どの講師も10年以上は英語の指導経験があるプロの先生で、英語教授法につじて理解の深い方が多いイメージです。

ネイティブ講師のデメリット

いいことずくめのネイティブ講師ですが、実はデメリットもあります。

①非ネイティブと意識が全く違う

英語ネイティブ講師の方々にとっての英語は、どこまで言っても自分の母語です。

座学として「英語の教え方」を学んできた人でも、「自分ごと」として英語の難しい部分を理解しているわけではないのです。

そのため、「なぜ分からないのかが分からない」といったシーンに遭遇することがまれにあります。

例えば日本語で「工事現場」という単語を外国人に説明するとします。

あなたは「工事を行っている場所」という意味だよ!と伝えようとします。
この時あなたにとって、「工事」の意味は明らかで、何か建物や地面を壊したり作ったりしているんだな〜と理解していると思います。

しかし、幾らかの外国人にとっては「工事」とは何か?というところから説明しなければいけません。もしかしたら、それだけでなく「行っている」というのは「やる」と同じ意味だ、ということも知らないかもしれません。

このように、母語というのはあまりに当たり前の存在で、ネイティブにとっては指導の見落としに繋がる場合もあるのです。

②初心者にとって壁になりやすい

実は、ビギナーの生徒さんの中では「ネイティブ講師よりもフィリピン人講師(非ネイティブ講師)の方が話しやすいです」という話をよく聞きます。

ネイティブは使っている単語が難しすぎたり、発音がリアルすぎて聞き取れなかったりと、レベルの差が出てしまうのが主な理由です。

それに加え、精神的な意味で、

「相手も英語が完璧じゃない」という前提があるから失敗しても恥ずかしくない

という感情が、日本人の中には強く働きやすいようです。

これは思わぬ発見でしたが、特に日本人によく見られる傾向です。

フィリピン人講師の方が合っている人の特徴

ここまでネイティブ講師について主に見てきたので、次はフィリピン人講師にスポットライトを当ててみたいと思います。

ネイティブに教わるよりも、フィリピン人から教わった方が良さそうな方がいらっしゃるので、その傾向を少しみていきましょう。

シャイな人

マンツーマンのオンライン英会話を除いて、ネイティブ講師との1対1のレッスンを(一般常識的に受講可能な価格で)提供している学校というのは、世界を見ても数が少ないです。

そのため、ネイティブとのレッスンは必然的にグループ対ネイティブ1人というケースが多く、恥ずかしがり屋さんにとってはなかなかのハードル。

逆にフィリピン人は、1対1のレッスンが受けられる上に、底抜けに明るく優しくフレンドリーな性格が特徴。

「あの人、シャイなんだって!」と聞いたフィリピン人は、日本人にとって比較的陽キャの部類に入る…というのはよくあることです。

自分から話さなくても話しかけてくれる性格が持ち味なので、内気な人にとってはコミュニケーションを行うことへのストレスが少ないと思います。

シャイな日本人とフィリピン人の相性の良さについては、以前別の記事でも書きましたね。


英語初心者の方

英語力に全く自信がない!という方は特に、フィリピン人講師はおすすめです。

彼ら/彼女らは、非ネイティブとして小さい時から英語に触れ、英語を学んできた人たちです。

中でもセブ島の語学学校で働けるのは、英語教授法や教育学などを大学で専攻した人が圧倒的に多く、英語を第三者視点から見て教えるのが本当に上手です。

いきなりネイティブと話すのこえ〜〜〜〜と思っている方は、ぜひフィリピン人の温かな指摘を受けながら英語をブラッシュアップして鍛錬を積んでいただければと思います。

同年代の人に教わりたい若者

フィリピン人の講師は20代が多く、体感では8割以上が20~30代、半分以上は20代という感じです。

また、セブ島の語学学校ではマンツーマンレッスンの際にフリートークが行われることも多く、共通の趣味や嗜好が見つけやすい同年代の講師に教われるのは20代〜30代の若者にとって大きなメリットです。

海外の同世代の人と交流し、同じ年代の世界の文化や流行を知るというのは、字面で見ると浅そうなメリットですが、実際に体験してみると人生を極めて豊かにしてくれる材料になるはずです。

どちらを選ぶべきか?

結論ですが、迷っているならフィリピン人講師でも全然良いと思います。

例えばIELTSの試験対策で、イギリス英語以外は耳にしたくないんだ!ということであればイギリスを選んだ方が良いように、ネイティブであっても学ぶべきor学びたい英語というのは少しずつ違ってくることもあるものです。

とにかく英語を話せるようになりたい、流暢に英語を使いたい、という方は、話が面白くて膨らみやすい、日本に興味を持ってくれる人が多いフィリピン人を個人的におすすめしておきたいと思います!


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