林業を3年間勉強して得たことが思ったより大きい

自然環境とか生態系のことを知りたくて今の学科に入ったつもりが、蓋を開けてみれば林業関連の授業ばかり。
これはしてやられたなあと不満に思ったりしていたけど、勉強したらしたで得るものも多い。

林業となるとやはり扱うのは木なので、木がどう成長していくかとか、森林をどう管理していくべきかとか、日本の森林が今どういう状況にあるのかとか、そういったことを授業の名を変えて何度も教えられた。

その中で結構な衝撃だったのは、日本の今の森林がどうなっているかという話で、戦後の拡大造林で植えられた大量のスギが一斉に伐採期を迎えているにも関わらず、国内の木材需要が低いために、せっかくの機会を逃しつつあるらしい。しかも現在木材製品に使われるのは外国産の輸入材ばかり(違法に切られた木が使われているかも、それこそ森林破壊だ)、林業を職とする方々は高齢化が進み後継者もいないという悪循環。スギは老齢期になると二酸化炭素を吸うどころか排出のほうが多くなる。要は人間社会だけでなく森林でも少子高齢化が進んでいるわけだ。
一度人の手で変えた自然は、もう元には戻らないわけで。

これどうするんだろう。

あちこちで「エコ」だとか「環境にやさしい」だとかいうけれど、それは本当にそうなのか?ということも考えるようになった。
たとえば割り箸。
木の無駄遣いだといってマイ箸とか流行ったけれど、売れない間伐材で作られた割り箸を選んで使うと、間伐材の行き先が増えることになるから、ゆくゆくは森林の間伐が進む。間伐が進むということは、森林管理がより良くなされるということ。だからここで輸入材を使ったものを買ったら意味がないのだけれどね。そういうところから、森林を適切に管理していく、ひいては林業を促進することに繋がっていく可能性もあると思う。光合成機能が著しく低下した森林が、若い森林へと替わっていくようになれば、マクロスケールで考えた場合にその方がよっぽどエコであるかもしれない。
今ある木を切ってきちんと使いつつ、また新たに植えて育てて、管理して、持続的に利用できる森林を作っていくのは、今後のことを考えるととても大事だと思う。そして始めどきはまさに今。
拡大造林の頃から時代が変わってしまったから、色々問題は出てくるはずだけどね。
難しいねえ。

とりあえずこういうことを皆んなが知る機会が全然ない気がする。
これ相当大きい社会問題だと思うな。
新しいエコ現象、だれか起こしてください(人任せ)

#日記 #思考 #林業

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