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作詩-言葉たち-

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言葉を紡ぎ 詩を編む。 電子の海に浮かぶ一遍の詩集をどうぞご賞味くださいませ。
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#作詩

熱帯夜

夜の帳も深まって
ピアノが粋に弾ければ
セピア色のバーも色に染まる

ここにいないベースの弦も
この身に響く鼓動で奏でりゃ
身体の奥底 衝動ふつふつ

これが恋かと
見知らぬ錯覚

音に魅入られ
聴き入る世界

勝手に刻む
リズムに歌いたい

調子が合えば
通じたってこと?

やがて夜も更け
夢も終わる
恋のような熱もいずれ冷めるわ
だからせめて喉の奥に熱を湛えて
今日も夜の闇に溶け込む

©20

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月と翅

こころは暗い森
射しこむ 月のひとすじ
私しかいない闇の棲家に
眠りを忘れかけた魂が横たわる

ここはどこで わたしはだあれ?
なんて
腐蝕の問いにはもう飽いた

繭の裡 さざめく嵐に
涙することもできないで藻掻いてる

月が奏でる子守唄
今は風に掻き消されて
時の訪ないを待つ

小さく立てた爪が傷付けた君を
抱きしめる腕はあるのだろうか
伸ばされた指先を
掬ってくれるぬくもりよ

涙はいつ果てた

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歌い人の陽

さあ 音楽を始めよう

いつか僕が見た夢を
金いろの光に満ちた
まぶしい夢

僕の光
君のことさ

僕の太陽は笑っていたね
君が笑ってくれると
陽だまりが生まれ
僕まで笑顔になれるんだ

君はどこまでも輝いているのに
なんて僕は無力なんだろう
君の笑顔の半分でも
返せてたらいいのに

君のため 歌うこの歌が
どうか届きますように

©2015  緋月 燈

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