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素朴に生きていたい

素朴に生きていたいと思うこの頃。
肩肘を張らずに、自分を上手く取り繕わずに、鼻の頭にできたニキビも「これも人間なのだから仕方ないよね」と笑い飛ばす、そんな風に生きていたい。

そんな事をずっと思っていて、ずっと素朴に生きているように見える人に憧れている。

結局のところ、素朴という言葉に正解は無いし、素朴に生きているように見える人も、案外「そう見える」様に取り繕って生きているのかもしれない。
なので、私だって素朴についてよくわかっていない。

けれど、最近強くこれを思うのは理由がある。

先日、仕事でご一緒している男性の前で、思いっきり方向音痴を発揮した。
そしたら、あんまり破顔することがなかった彼がすごくおかしそうに笑うから、「あ、これは思いっきり間違えて良かった」って思った。

彼はとても素敵な男性で、年甲斐もなく純粋で、そして、その日の前日に大好きな人と別れたばっかりだった。
当たり前だけど、その日は悲しそうというよりは気怠げな雰囲気をしていて、少し心配だった。

私は普段、とても臆病ゆえに人前でしっかりしている自分になろうと頑張ってしまう。
これは別に意図しているわけではないけれど、恥ずかしくて喜怒哀楽をあまり表に出さないせいで、ポーカーフェイスと言われることも多い。
けれど、それは頑張っているだけだ。

その日起こした道間違えも、仕事終わりでちょっと気が抜けていて、堂々と違う方向に行こうとしてしまって、彼はそれを見てきっと意外に思ったのだろう。
とても楽しそうに笑っていた。

自分が素で間違えたことが、彼の曇り顔を少し晴らすきっかけになったらしい。
嬉しかった。

つまりは、私は自分が肩肘を張らないことで周りの人もほんわかさせられる、そんな素朴さで生きていたいと思っているのかもしれない。

自分を見繕うよりも、自分の綻びを見せる。
素朴のひとつの形がそれだったら、素敵だ。

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