おすすめ画像診断教科書〜画像診断(学研メディカル秀潤社)おすすめ特集号TOP10編〜


こんにちは、画像診断医/放射線科医のるなです。私は放射線診断専門医であり、核医学専門医、マンモグラフィ読影認定医も持っております。IVRは苦手ですが、読影は下手ですが好きです^^

今回、よく”おすすめの教科書”を質問して頂ける中で、完全に独断と偏見で、私の"画像診断"の企画の"推し"を紹介したいと思います。

もちろん毎号毎号が素晴らしく、私は年間購読していますし、バックナンバーも2010年台は全て持っております。

その中でも何度も読み込んだ(覚えているとはいってない)、今でもよく参照しているものなどを紹介します!

特に、後期研修医で、買うか買わないか迷っている先生の背中を押せればと思います!

私程度の人間が、甲乙つけるのはおこがましいですし、内容自体はどの号も素晴らしいので、「希少性(教科書などではなかなか得られない、雑誌ならではの独自性)」「参照頻度(診断専門医になった今でも参照しているか)」「バックナンバー入手が比較的容易な2016年以降のもの」という観点で選ばせていただきました。


正直20個くらい候補から頑張って10個選びました😊順位はつけておりません!すみません、結局、Top10といいながら、選びきれず12個にしてしまいました。

①画像診断 Vol.36 No.5 2016年4月号
上腹部臓器のvariation & anomaly


私は放射線科医は基本的に主治医の領域で放射線科医が信頼を得ることはかなり、難しいと考えています🥺(もちろん信頼を得るために努力や勉強はしていますが、臨床情報の不足により診断を間違える確率があると思います💦)。そんな中で、比較的、主治医にありがたがれることの一つは、「variantの指摘」だと思っています。私の知る限り、この号以上に日本語で上腹部のanomalyがしっかりまとまっている本はないですし、少なくとも私は、この号を読んでとても理解が深まりました😊私は今でもanomalyを調べるときは、この号を参照しています😊読影室に欲しい一冊、診断専門医の先生にも是非おすすめしたい一冊です🤙


②画像診断 Vol.36 No.7 2016年6月号
知っておきたい膝関節のMRI

私はこの号の好きな所は、教科書ではなかなかページを割くことが難しい、「手術療法」「術後画像」「受傷機転」にfocusした章があることです☺️ 私がかつて関節画像診断のエキスパートに頂いた言葉は「関節の読影は常に受傷機転を考えなさい」という言葉です。前十字靭帯断裂も受傷機転により合併損傷しやすい部位が変わります🤔ただ受傷機転を画像診断と結びつけた教科書って少ないですよね😭また、関節受傷のある所に手術ありです。術後画像、必ず読影に回ってきます。そんなときに「膝関節術後CT施行」という一言で終えるのは悔しくないでしょうか❓この号は最もメジャーな靭帯と半月板断裂について詳細に解説してくれています👍

ちなみに「半月板断裂の手術療法と術後画像」を執筆されてるのは偉大なTwitterの先輩、和田武先生(‪@wadase2‬)です😊多彩ですね〜❤️


③画像診断 Vol.36 No.13 2016年11月号
脳腫瘍WHO2016―読影のための実践講座―

脳腫瘍の分類はWHO2016分類で遺伝子の概念が導入され、大きな刷新が行われました。今でこそ、最新の教科書にもWHO分類2016の概念が導入されていますが、当時はかなり混乱を極めました。それをコンパクトかつ端的にまとめてくれた一冊です。遺伝子など我々、画像診断医には理解が難しい点も多々あるので、今でも名著な一冊だと思います😊👍


④画像診断 Vol.36 No.9 2016年8月号
画像でみかける偶発的所見のマネジメント ─あなたならどう書く?─

これは素晴らしい号ですね〜❤️😊今、私の偶発所見のリコメンドする基準はこの号が基礎になっています。「甲状腺の低濃度腫瘤は何mmから精査を勧める?」「閉経後の子宮内膜肥厚は何mmから病的?」「下垂体の大きさは何mmまでが正常?」、この号を読んだとき、それまでなんとなく「経過観察を・・」と書いていた再現性の曖昧だった基準がクリアになりました😊自信を持って推したい一冊ですね!


⑤画像診断 Vol.37 No.3 2017年3月号
基礎からきちんと学ぼう,胎児・新生児の画像診断

今でこそ「すぐわかる小児の画像診断 改訂第2版(秀潤社)」、「胎児中枢神経のMRI診断 正常脳と奇形画像アトラス(金芳堂)」など素晴らしい教科書がありますが、これが出版された当時、胎児MRIに焦点を当てた教科書って無かったんですよね🥺それまで、ちんぷんかんであった胎児MRIへの理解がかなり進みました😊今読んでも、正常から重要疾患が網羅的にコンパクトにまとまっており、素晴らしい号ですね🤙🤙



⑥画像診断 Vol.37 No.13 2017年11月号
頭部単純CT―読影の基本と偶発的所見のマネジメント―

この号は本当に「待ってた!」というかんじではないでしょうか?😊脳MRIの本は数あれど、実は「頭部CTの教科書」って無かったんですよね。今は「すぐに役立つ頭部CT診断マニュアル(メディカルサイエンスインターナショナル)」という教科書が出ましたけど・・。でも実際、日常業務では毎日のように頭部CTが検査に回ってくるわけで…私は幸い若いときは御高名なneuroragilogistに習っていたので、基礎から叩き込んでもらいましたが、実際にはそういう機会がないとう先生も少なくないと思います。この一冊には日常臨床で必要とする頭部CTのエッセンスが詰まっています。ぜひ、この本も単なる雑誌にとどまらず、”教科書”として読影室においてほしいなと思う一冊であります!

⑦画像診断 Vol.38 No.9 2018年8月号

画像診断医のための認知症画像診断

なかなか敷居の高い、認知症画像診断ですが、この特集号は日本の”認知症画像診断”トップオブザトップがかかわられているのではないでしょうか?この号を初めて読んだのはたしか、2018年のミッドサマーセミナーのポートピアホテルの自室でした。「おぉ、ここには認知症画像診断に必要なエッセンスがコンパクトかつ十分に満たされているぞ!😊😊」と感動した覚えがあります。ぜひ、認知症画像診断が苦手な人はこの本から始めてみてはいかがでしょうか?😊😊


⑧画像診断 Vol.38 No.12 2018年10月号
知っておきたいリンパ系の画像診断

これも、希少性という意味で上位にくる号ですね!なかなかリンパ系の画像診断のみを集めた教科書って少ないですし、この号の特に好きなのは「間違いやすいリンパ節の分類」ですね。雑誌ならではの特集で成書ではなかなか扱いにくいテーマだったと思うのですが、読んだときに「あーやっぱりそうだったのか!」と痒い所に手が届くテーマで感動した覚えがあります。リファレンスとしても優秀ですので、この本もぜひ、読影室に置いておきたい本ですねー!!😊😊

⑨画像診断 Vol.38 No.14 2018年12月号

ちょっと悩む画像検査のプロトコール

放射線科医の大事な仕事として、「画像診断」のほかに、「検査指示だし・プロトコル作成」があると思います。もちろん個々の放射線技師さんがスキルを発揮してくれるのが理想ですが、やはり再現性をもって誰がやってもある程度のクオリティが担保されるように調整するのが放射線科医師の務めだと思っております。そんな中、なかなか知る機会のない、他の先生がどのような思考過程で検査プロトコルをくんでいるのかを知れる名著です!画像診断医だけではなく、放射線技師さん(特に放射線科医がいない病院の技師さんは必見!)にも読んでほしい一冊だと思います!😊😊


⑩画像診断 Vol.39 No.8 2019年7月号
進展経路からアプローチする頭頸部癌の画像診断

これ私の思い上がりかもしれないですが、以前画像診断のクイズに応募してた時に「ぜひ、こんな企画を!」ってアンケートで書いたことがあるんです、笑。思い上がるのは自由なので、読者の声が届いたと思っておきます(笑)。頭頚部癌ってとてもとっつきにくいんですけど、解剖とどうして病気がその解剖構造に沿って進むのかを知れば、理解が深まるんですよね。それはわかっていたんですけど、なかなか理解が進まない領域もあって、ぜひ、全領域で特集してほしい~と思ってたんですけど、まさに夢が実現した本でした!😊😊ちなみにTwitterの先輩、和田武先生(‪@wadase2‬)、この号も執筆されています。多彩ですね~!


⑪画像診断 Vol.39 No.9 2019年8月号
全身性疾患に対するエキスパート達の千思万考

この号はなかなか系統的に学習しにくい全身疾患を横断的にまとめてくれている号です。たとえばサルコイドーシスとか、「脳MRI」や「胸部CT」の教科書に、それぞれのことは載っていても、なかなか横断的にまとめている教科書って少ないですよね?それをまとめてくださっているどころか、case basedでエキスパートの先生たちがなぜ、その思考にたどり着いたのか、思考過程を開示してくれているんです!これはすごいですよ!!笑。今回は、2014年だったので外したのですが、私、このエキスパート系の特集号大好きで、2014年の「腹部エキスパート」の号で、一色先生・佐藤先生・松島先生たちの思考過程のすごさに閉口してしまい、今でもこの号を読んだときの衝撃は鮮明に覚えています。こういう人たちに一歩でも近づきたいですね~!


⑫画像診断 Vol.39 No.13 2019年11月号
時系列から学ぶ呼吸器疾患の画像診断

これは今後、全分野出してほしいという期待も込めて選びました。私は、画像診断で一番エビデンス確度が高い所見って経時的変化だと思っているんですよね。なので可能な限り前回検査だけではなく、初回から変化を追うようにしています。そこから知見を学ぶことも非常に多いです。ですが、意外と病気の自然歴ってあまり特集されることが多くなく、今後、「時系列から学ぶ中枢神経」「時系列から学ぶ肝疾患」「時系列から学ぶ婦人科疾患」が出てくることを期待して選びました!^^


以上、完全自己満足の特集となりました。いつになるかわかりませんが、「おすすめの臨床画像の特集号Top10」や質問も多いので「各分野のおすすめ教科書」編もまとめたいと思います!それでは^^


とりあえず以上です。

私は普段、画像診断や医療について

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