るなの学び2020年4月~中枢神経&頸部(完全版)

こんにちは、画像診断医/放射線科医のるなです。私は放射線診断専門医であり、核医学専門医、マンモグラフィ読影認定医(判定AS)も持っております。IVRは苦手ですが、読影は下手ですが好きです^^

日々の臨床の気付きを、4月上旬から備忘録及びアウトプット目的でtwitterに呟いていたのですが、思ったより反響があり、色々な先生からもたくさん勉強させていただきました。

これをtwitterのタイムラインに埋没させるのは非常に勿体ないと感じましたので、諸先生方からの貴重な返信も含めて、まとめさせていただきました。

量が膨大なので、まずは4月前半の学びをまとめたいと思います^^

最初はすべてひとつの記事にしようと思ったのですが、意外と量が多く・・今回は”中枢神経&頸部編です^^

よろしくお願いいたします!!


~中枢神経~

Dandy-Walker奇形の小脳虫部欠損は有名ですが、脳幹の萎縮の程度とある程度相関があるというのはびっくりしました!

これは脳神経外科とのカンファでいつも視床の呼び名が異なることで困っていたことから、調べたツイートです!pureにanatomicalな意味合いか、functionalな意味合いを含めた呼び名かで変わるようですが、大まかには上のような等式が成り立ちます!

これも用語の使い方が難しいと思ってつぶやきました。

internal border zone/ external border zoneだと血管支配の分水嶺。Cortical border zone/とdeep white matter border zoneだと血管径の分水嶺となるので、脳梗塞の機序推定には両方の要素が必要ですので、上のシェーマはキレイですが、少し混乱しました^^; 

これはSSDの現象自体は知っていたのですが、名前が知りたくて論文を調べました!一回、ずっとこれが脳腫瘍精査で何年もフォローされているのを見たことがありますw 気をつけましょう!

私、頭が悪いので、ゴロが好きです^^ 専門医試験のときにたくさんゴロを作ったので、今度時間があったらまとめてみたいと思います。やっぱり、ゴロがあると、ぱっぱと出てくるのでいいですよね♩

頭蓋内石灰化は忘れやすいので、覚えておきたいですね!

これもNF2関連のゴロです。何個かしらないものがありました!

これは私のツイート史上、最もいいね♡がついたものです。やはり、脳出血というのが、皆様の心に刺さったのでしょうか?^^ island signは私の崇拝する松木充先生から昨年のNIRCで教えてもらいました♡ 以降、脳出血の時は注意して見るようにしています!

ガッツ先生が100例以上の神経鞘腫のレビューして、造影効果について教えてくださいました^^ paragangliomaよりは染まらないが、比較的hypervascularというのは私にとって今後、心強い学びになりました!

これはイキってクイズに出して論争を巻き起こしたツイートです!私はLSAとMSAの支配領域と母血管や、脳梗塞の二次的変化についての留意を意図してつぶやきましたが、脳外科の先生が、このあたりの血流は相補的であることや、用語の使い方の説明を優しく教えてくれました(; ▽;)

やはり脳外科領域だと、視床でも同じだったようにpureにanatomicalな意味合いか、functionalな意味合いを含めた呼び名かで変わることが多く、難しいな~と改めて感じました!

これは、私が読影のとき特に注意していることです!スカウト像で撮影範囲外の病変を指摘するのが私の生きがいです(爆

これは非常に中枢神経細胞腫と上衣下腫で悩んだ症例があったことから調べました。結論としては、模様が似てるときは最後はなんか圧迫感があったら中枢神経細胞腫にしよう!と思いました(笑)。基本は鑑別に悩むことはそんなに無いと思いますが、感覚読影って腫瘍の時は意外と大事ですよね?^^;

私の好きな中枢神経疾患の分野のひとつが認知症です^^。よく、粗大病変がなかったら意味ないと言われるのですが、神経内科の先生には"ケアが変わるからアセスメントいただけてありがたい"といわれてからモチベーションがあがりました^^ 私もまだ修行中ですが、他の先生のレポートで脳萎縮の程度についてはかなり客観性/再現性に乏しいと感じることが多いので、スコアリングの方法を紹介してみました♩

コモンなのに知られてない病気が嗜銀顆粒病です。

慣れると、かなり鑑別がつくようにはなるのですが、もちろん難しい分野です。意識して1例1例を臨床症状と照らし合わせて丁寧に3DT1強調像で形態変化をみるのが大事だと思っています^^

小さな梗塞でも認知症になりうる第一弾です。神経症候を依頼医がしっかり書いてくれればごく稀に可能性を指摘できることはあります^^ DIRなども有用だと思いますよ!認知症診断にFLAIRは必須のシーケンスですね!

戦略拠点型認知症。小さな梗塞でも認知症になりうる第二弾です。このように小さな梗塞でも、ときに重大な後遺症を残すことがあるので、私はどんなレポートでもなるべく、ラクナ梗塞の局在は記載するようにしています。どんなときもレポートにテンプレで「大脳白質や基底核にT2延長域があり、慢性虚血・old CVDsです」という先生を見ると、う~ん、と思ってしまします。

VSRADの使い方はあまり教科書もないし、いずれ記事にしたいと思っていますが、advanced2からはDLBについての評価も加わりました。VSRADの結果だけを信用はできないですが、これに症状や核医学検査などの所見を加えることで、より診断に近づけることはあると思います!

これはガッツキ先生のクイズで惨敗した症例です。放射線治療の病歴がわからなかったらCJDとかいってしまいそうですよね!改めて病歴が大事だなと、感じました!SMARTになりましょう!^^


これはRCVSの症例ですね。私の説明が悪く迷走を生みましたが、若年女性、他に所見がない、遠位優位・分節性狭窄がポイントですね!MRAの血管評価は必ず前回と同じ機種にしましょう!磁場が違うと所見が変わります!

ガッツ先生のクイズに便乗して、私もちょっと変わったCJDのご紹介を。皮質が腫脹するのが通常のCJDと異なるところです。NIIDは大脳白質に高信号が出るので鑑別点ですね!経過が慢性だと症状が、認知症でくるので、注意が必要です。どんな検査依頼でもDWIは撮影しましょう!

神経鞘腫がらみでもうひとつ。ガッツキ先生のクイズの次の日に?外勤先でMPNSTを見たのでつぶやきました。やはり見た目悪性ですが、悪いわりに均一な染まりでまぁまぁ多血性でしたね!variationがありそうですが!

これはvenous thrombosisのcortical veinの症例を見つけて、意外と静脈洞にないと難しいかな?と思いつぶやいてみました。意外とcortical veinの静脈血栓多いんですよね!あとは深部領域も!奥が深いです。未だにMRVの読影はあんまり好きではありません^^;

これはガッツキ先生がMBDの症例をクイズに出してたのを見て、一過性脳梁膨大部病変を調べてたときに見つけた画像です。ロタウィルスは脳梁の他に小脳炎を起こしやすいようです。意外と怖いですね、ロタ。

これもガッツキ先生に教えてもらいました。CO中毒=淡蒼球のイメージだったので、大脳白質病変も出て良いと言うことはとても勉強になりました^^

局在と病変の症状が合致するときの快感が、神経画像診断の魅力ですよね♡頭蓋底腫瘍があるときなどの視神経の視神経管圧排による視力障害とかは意外とpitfallな気がしています!速効スクショをevernoteへ貼り付けました笑。

拡散テンソル画像によるfiber tracking法の2つの方法。このへんの機能画像は頭の弱い私にはちょっと難しいんですが、なんとか臨床へ還元できるように研究頑張ります^^; 

これは"切迫破裂(今まさに破裂しそう)"ではなく、"破裂の可能性が高い"であるというご指摘を受けました。元論文を読んでいたので、私自身は認識いたのですが、用語の使い方は非常に大切だな~と思いました!

ガッツ先生が小脳橋角部の髄膜腫 vs 神経鞘腫の鑑別についてかなりツイートしてくれたのでかなりイメージがわいてきました。神経鞘腫はparagangliomaほどではないですが、血行がそれなりに豊富ということですね!^^

~頸部~


これは画像診断の他科のエキスパートに聞く!耳鼻科編を改変、まとめ直した物です。親友が耳鼻科なので、よく前篩骨動脈は大事!と聞いてたのですが、今まであまり、真面目にやってこず(爆)、反省して調べたツイートです! きっと我々がみなくても耳鼻科が見てくれそうですが、我々もなるべく臨床に沿ったレポートを書きたいものですね^^


画像診断を中心とした医学系の記事を投稿したいと思っています。よろしくお願いします