おすすめ画像診断教科書〜胸部編〜(医学生/初期研修〜後期研修医対象)

こんにちは、画像診断医/放射線科医のるなです。私は放射線診断専門医であり、核医学専門医、マンモグラフィ読影認定医も持っております。IVRは苦手ですが、読影は下手ですが好きです^^

今回、よく”おすすめの教科書”を質問して頂ける中で、完全に独断と偏見で、私の"画像診断"の教科書の"推し"を紹介したいと思います。

胸部は所見の有無はわかりやすいですがその代わり、どんな病気も画像の所見が似るので意外と難しい分野です。その細かい機微や画像の成り立ちの理解が必要な分野だと思います。オススメはまずは画像の成り立ちをしっかりと勉強してそこから各論を勉強することでしょうか。

理解が必要な分野だと思います。オススメはまずは画像の成り立ちをしっかりと勉強してそこから各論を勉強することでしょうか。

個人的にはいくつかの似た病気を並べてみてみてどこが違うのか自分で考えてみるというのは良いと思います。それでは紹介していきますね。

〜導入編(医学生/初期研修医向け)〜


胸部単純X線診断―画像の成り立ちと読影の進め方

胸部単純写真の本は数ありますが、私が好きなのはこの本です!胸部単純写真の理解に"線"の理解が必須だと思うのですが、この本はキー画像について、”画像がどのような「線」で構成されているのか”シェーマが書いてあることです。あとは、専門医試験では「肺疾患」の他に、「心疾患」の問題が出るので、この本は専門医試験が大好きな「先天心」も含めた、解説が充実しています。専門医試験の対策にも是非ともオススメの一冊です^^


レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室[ベストティーチャーに教わる胸部X線の読み方考え方] 改訂第2版

この本は他の記事でも取り上げさせ頂きましたが、すごく丁寧に画像がどのような構成要素で成り立っているのかを解説してくれています。私はこの本を読んで、"肺で現実に起こっていること"と”画像でのどのように映っているのか”を有機的に結びつけられるようになりました。前半は胸部単純写真、後半はCT画像について解説されていますが、単純写真の読み方も肋骨の数え方から丁寧にしてくれています。自信を持って推せる一冊です!


胸部X線・CTの読み方やさしくやさしく教えます!

この本も初学者向けのいい本ですね^^ 「やさしイイ胸部画像教室」と類似していますが、B5サイズで持ち運びもしやすく、より敷居が低いかもしれません。私は結構同じような内容の本を2冊読むことがあって、1冊読んだときに、すこし「?」になったときに、もう1冊を読むとスッと内容が入るときがあります。そういう意味で「やさしイイ胸部画像教室」と相補的に用いるのにもオススメの一冊です^^

本当は教わりたかった ポータブル胸部X線写真の読み方 サクッと読めて、ガツンとわかる7日間特別講義

これも他の記事でオススメさせていただきましたが、あるようでなかった"ポータブル写真"の読み方の本です。特に、研修医や後期研修医の時って、ICUとかでポータブルをとっても真っ白で何を見ていいのかよく分からず・・患者さん大丈夫かな・・なんて思いますよね。そういう悩みを解消してくれる本です。

ビギナーのための胸部画像診断 Q&Aアプローチ

この本は元々、画像診断の企画だった号が書籍化したものです。「炎症性結節と腫瘍の違いは?」など日常臨床においてなかなか初学者には難しいような素朴な疑問、"かゆいところ"についてQA方式で答えてくれています。私は"画像診断"時代に、この本を読んで、かなり胸部画像診断の”お作法”を学べたと思っています。胸部CTレポートを書く後期研修医に最初に読んでもらいたい本といっても過言ではないくら名著だと思っています!この号を書籍化した秀潤社すごい!!

胸部画像解剖 徹頭徹尾

この本も、別の記事でもオススメさせていただいた”画像解剖”を主体とした画像の教科書です。我々放射線科医にとっては、どうしても”純粋な解剖学の教科書”というのは、ほしい情報と乖離してしまうことがあります。この本は”画像がベースの解剖の教科書”なので、その辺はとても画像診断への汎用性が高いです。頭部・腹部・骨軟部編もあるので是非オススメです。

画像診断2020年増刊号(Vol.40 No.11) 解剖と病態生理から迫る呼吸器画像診断 (画像診断増刊号)

これは最新の画像診断の増刊号ですね。呼吸器の画像診断は”所見が拾いやすい”反面、”疾患ごとに画像が似通ってしまう”という欠点があります。それを読み解くには、細かい解剖構造に着目したり、病態生理を知る必要があります。そのような”解剖””呼吸生理学”という観点から、一見、非特異的な画像から鑑別を迫ってくれる一冊です。とても病態の理解が進むと思いますので、是非勉強してみてください^^


圧倒的画像数で診る! 胸部疾患画像アトラス〜典型例から応用例まで、2000画像で極める読影力!

これ、あまりメジャーではないですが私が大好きな教科書です。とにかく、1つの病気で5症例くらいは軽く画像提示があり、しかも似通った鑑別についてすぐに見られるように、載せてくれるので、"逆引きも"しやすいですし、鑑別疾患との呈する画像の理解、鑑別の方法などが実践的に使える本です。しかもこの手の教科書にありがちな、”解説はpoor”ということもありません。個人的にはもっと評価されてもいい、一冊と思っています!


CTパターンから理解する呼吸器疾患: 所見×患者情報から導く鑑別と治療

これも非常に実践的な”逆引き教科書”ですね。この教科書は非特異的な画像を呈することが多い”胸部のサイン”や”病変の分布”別に項目が羅列してあり、ディシジョンツリーのチャートで鑑別に迫れるようになっています。また、掲載画像の数も豊富です。私も、まず画像の鑑別で悩んだときはこの一冊を最初に参照することが多いです。読影室に一冊置いておきたい本、と断言できますね。



困ったときの胸部の画像診断 (画像診断別冊KEY BOOKシリーズ)

待望のKEY BOOKシリーズの胸部編ですね。最近、刊行されました。肺も充実していますが、日本語の成書で意外と、”縦隔・胸膜疾患”で新しい本って少ないんですよね。胸部CTの第4版も名著ですが、やや厚く重いので、まずはここから!という感じの内容かな~と思っています。


画像診断2019年11月号 Vol.39 No.13
時系列から学び呼吸器疾患の画像診断

これも私の大好きな「時系列変化」シリーズですね。「経時的変化は画像で強いエビデンスである」という人もいるくらい、経時的変化は画像診断において強い所見です。どんなに悪い顔つきをしていても、後方もなく消えたら、それは悪い者ではなかったといわざるを得ません。所見自体が非特異的になりやすい、胸部領域では特に、経時的変化に解釈を委ねる場面は多いです。そのような”経時的変化”に着目した大変貴重な教科書です!必携!です。


画像診断2015年3月号 Vol.35 No.3

気道疾患のすべて

世の中に、”肺”の本は数あれど、実は”気道”に着目した本ってこの本くらいしか思いつきません。でも、実は”気道”病変ってめちゃくちゃ重要(だってABCのA!=Air way)ですよね?気道病変だけを集めた特集号で、私も気道病変について調べるときはまずこの号を参照してますと言うくらい、頼りにしています。一冊くらい”気道”に着目した成書があってもいいのかな~なんて思っていますけど、いかがでしょうか?笑。


画像から学ぶびまん性肺疾患

この本はすごいマニアックにびまん性肺疾患について学べるいい本ですね~。これはUIP?NSIP?それとも、過敏性肺炎?びまん肺って難しいですよね。私もびまん肺の診断を鮮やかに出来る先生に憧れた時期がありました。今もマスターにはほど遠いですが、この本はとてもその理解に役に立ちました。オススメです!



肺HRCT 原書5版

これはすごいですね。とにかく、疾患に関するありとあらゆる論文の知識を集約しているんじゃないか?と思うくらい、すごい、情報量の本ですね。私はこの本は興味のある一部しか読めてないのですが、いつかこの本読破したいなぁとか思ったりしています。そのくらい、この本に書いてあること全部覚えたら胸部マスターになれるんじゃないかと思えるくらいの本です。たとえば、学会発表とか、特定の疾患について詳しくなりたい場合はこの本から読み始めると、マスターに慣れるんじゃないかって思ったりしています。


私は普段、画像診断や医療について




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