医療者のための法務入門

画像診断医・放射線診断専門医るなです。今回、晴れてkindleデビューしました^^ ; 内容はこちらです。

今回、恐らく業界初の”医療者向けの法務入門”の電子書籍を刊行しました!内容は私と、医療訴訟を専門とする弁護士さん&行政書士さんとの対談形式で、さらっと読みやすい内容となっています!!

・「疑う」「可能性」があります、法曹と医療者のgapはある!?

・添付文書に記載の禁忌・慎重投与どのくらい遵守すればいい!?

・医療訴訟になったら実際どのくらいの賠償金がかかるの!?医師賠償保険はどのくらいのものに入るのが適切!?

など、我々が身近にもかかわらず無知である(ことが多い)疑問について、私がプロに質問をしております!放射線科目線の切り口が多いですが、全科の医師及び看護師さんはじめとするコメディカルの方にも役に立つ内容かと思います!!。私はただ、皆様と同様、聞き手に回り教えてもらう立場であり、共感していただけたら嬉しいです^^;

今まで"法曹向け"の医療訴訟の本はあれど、医療者が知っておくべきリーガルリテラシーの本はすくなかったのではないでしょうか?発端はフォロワーさんからの”医療者のための法律本が欲しい”という声からでした。

元々、医療訴訟の画像鑑定もしていることもあり、仕事で付き合いのある弁護士・行政書士の先生にお願いしたところ、理念に共感してご快諾くださりました。計5回にのべ2か月に渡る対談におつきあいくださいました。

有料となっていますがkindle unlimted加入の方は無料で閲覧可能です。内容的にはすべてを網羅しているわけではないかもしれませんが、少しでも多くの医療者が正しいリーガルリテラシーについて考えるきかっかけを持てば、必要以上のリスクを恐れずに医療に当たり患者さんに還元することが出来ればと思い、形にしました!全5章、62ページ、内容の目次は以下です!

第一回:カルテ・レポートでの用語の使い方編

第二回:医療裁判例の責任の所在と賠償額の推定について

第三回:診療録を記載する意義について

第四回:添付文書の遵守について、過去の判例編

第5回:同意書について。

ご興味持たれた方は是非!

最後に本書のまえがきを転載します。

今回の企画は”放射線科医るな”と”医療法務を専門とした弁護士&行政書士”さんの対談が主体です。

この対談を企画したきっかけは、私のフォロワーさん複数人から、”医療者向けの医療法務や常識のスタンダードを知る方法があればいいのに”という声をいただいたことでした。医療者以外の職種の人からしたら意外に思うかもしれませんが、我々医療者は医療法務について一切の教育を受けません。もし、過ちをおかしたときやトラブルになってしまったときにどのような処遇にさらされるのか、またそれを未然に防ぐにはどうすればいいのか?ということに関して我々医療者は全くと言っていいほど無知です。わずかに知っていることといえば、情報源不明の先輩から聞いた「〇〇したら訴えられるらしいよ~」という無責任な噂くらいです。

生涯、医療訴訟とは無縁に過ごす医療者も多いと思います。
私も今のところそうですし、ご縁がないことを祈っております。しかし一方で医師看護師をはじめとする医療職は患者の命・体という非常に大事なものを扱う仕事ですし、いつ医療訴訟に巻き込まれないとも限りません。その日は明日かもしれません。

自分がどんなに誠実に仕事をしていても医療訴訟になってしまうことはあると思いますし、我々医療者も人間ですから、どうしてもミスをしてしまうことや医療訴訟に巻き込まれてしまうことはあると思います。ただ、それが我々が医療と法に関して”無知”であったがゆえ訴訟・トラブル”になってしまった場合、無知であったことを悔やんでも悔やみきれません。また、”過剰に”訴訟やミスを恐れて過剰に保守的になり、患者さんに対する積極的な診断・治療を躊躇してしまう結果として患者さんに潜在的に不利益になることがありえます。

少しでも上記のような事態を防ぎたいと思い、数々の医療訴訟を担当されてきた弁護士Aさんと、行政書士Bさんと毎週1時間、約数か月間に渡り“医と法の関わり”についてmeetingをさせていただきました。

そもそも私のような未熟者がインタビュアーを務めていいのだろうか?と思ったりもしました。ただ、以下の理由から私は”放射線科医”は医療職の中で比較的、医療法務に親和性のある科であると思ったため、放射線科である私がインタビューすることにも価値が少しはあるかな?と思い、今回の企画を決断しました。

まず医療訴訟において画像は非常に争点となりやすい分野です。患者の症状や理学所見と異なり、画像自体が”証拠”として残ってしまうためです。また、”画像診断レポート”という「文書」を取り扱うという点は、診療録の扱いと通じるものがあると思います。加えて、”ヨード造影剤”という、薬の中では比較的頻繁にアレルギー症状やアナフィラキシーショックを起こしやすいくかつ薬を扱っているという点においても、比較的”訴訟と近い科”であります。また、画像検査を通じ、比較的病院全体の診療科を横断的にみている点も、適任である理由の一つと考えました。

そして、私自身が、訴訟を過剰に恐れ、ときに守りの診断やレポートを書いてしまうことがあったりすることや、医療者間のソース不明の噂に踊らされてはいけないと思ったということも決断した理由でもありました。

今回はその数か月にわたるmeetingを文字で起こしたものの概略を掲載します。会話形式ですので情報重複している箇所もありますが、会話形式のほうが読者が理解しやすい面があるかなというのと、なるべく原文のままにしたほうが、私が先生方との会話の内容を主観的にサマライズするより真正性があるかなと思い、今回はこのような形での提供とさせていだきました。

あくまでも個人間の見解、会話であり、普遍的な内容ではありません。人により解釈が異なる内容や、異なる内容を含む場合があります。当記事において間違いがあったとしても一切の責任は負えません。あくまで”参考”としてとどめてください。私は画像診断医ですので、どうしても画像診断医の話が多くなってしまっている点ご了解ください。読み返すとどうしても画像診断医目線の話が多くなり、画像診断医の保身のためのインタビューのように見えてしまう要素もあるかもしれません。ただ、それでも全科の先生にとって有益な情報があると確信しております。

以上、ご注意ください。よろしくお願いします。

この本で得られた情報により、明日からの皆様の診療が少しでも患者さん達のためになることを祈ります。

よろしくお願いいたします!

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