るなの学び2020年6月~腹部・骨盤~

こんにちは、画像診断医/放射線科医のるなです。私は放射線診断専門医であり、核医学専門医、マンモグラフィ読影認定医も持っております。IVRは苦手ですが、読影は下手ですが好きです^^

日々の臨床の気付きを、4月上旬から備忘録及びアウトプット目的でtwitterに呟いていたのですが、思ったより反響があり、色々な先生からもたくさん勉強させていただきました。

これをtwitterのタイムラインに埋没させるのは非常に勿体ないと感じましたので、諸先生方からの貴重な返信も含めて、まとめさせていただきました。

今回は腹部編です^^

こちらの記事も読んでくだされば嬉しいです😊よろしくお願いします🤲


よろしくお願いいたします!!

*誤訳、誤った解釈をしている場合がありますがご了解ください。
*non-evidence based , experience basedな内容を一部含みます。ご了解ください。
*あくまで個人の意見です。所属するいかなる団体の立場を表するものではありません。ご了承いただきたく存じます。

腹部編

繰り返すヘルニア還納により起こる偽還納ですね。まずは病歴から疑って、嵌頓した腸管と下腹壁動脈との関連をみるというのがポイントでしょうか?

アニサキスと鑑別が必要な疾患として魚食によるヒスタミン中毒があります。ヒスタミン中毒の方が病変が広かったり、発症までが早かったりするのが特徴でしょうか?

好酸球性食道炎。食道の著明壁肥厚は特徴的ですよね~!慢性化すると狭窄機転になるというのは知りませんでした~!

好酸球性食道炎との鑑別はこんなところでしょうか。病歴がない場合は、好酸球性食道炎が鑑別の上位になるんでしょうか。

ついでに十二指腸壁肥厚の鑑別です。あんまり十二指腸って壁肥厚することは少ないですよね。特に下降脚以降は稀だと思います。あったときは特殊な病態を考えるべきかな~と思います。

十二指腸壁肥厚に関連して。十二指腸が浮腫性壁肥厚すると、それに伴ってVarter乳頭が閉塞して主膵管/胆管が狭窄することがあります。その際に、IPMNが一時的に増大することがあります。

実臨床で、遭遇したので調べてまとめました。意外と病的になることもあるんだ~と思いました!こういうvariationがあるときに腹部・泌尿器症状があるときは関連を疑ってみるのは大事かな~と思います。

ホスレノールを噛まないと、ときに異物と勘違いしてしまうと言う話。知っておくといつか使えるかもしれません!

DKAは高度脱水を起こすことがあるので、血栓症になることがあります。DKAと血栓症って一瞬つながならないですけど、単純CTでも急性期血栓を示す高吸収域がないか観察する必要がありそうです!

網嚢内ヘルニアは網嚢孔ヘルニアではないという・・・上から小網、下から大網・横行結腸間膜が襲ってきますw 網嚢は大人気ですね~^^

らじらぼさんからの引用RTです。肝臓をsagでみることってあんまりなかったので、肝区域に自信なかったんですが、これから迷ったらsagを見ようと思います~!

小腸間膜の慢性捻転では血行が側副路にて保たれていても、リンパ路が閉塞することにより、血性腹水様の高濃度の腹腔内液貯留がみられることがあります。なかなか急性期病態と見分けるのは難しいですが、血行側副路発達の有無、腹膜刺激症状の有無などと併せて判断するのが大事ですね。

小腸間膜捻転のsignはSMAとSMVの関係で分かることがあります。ただ、あくまで小腸狭窄等その他の所見があるときのみにしたほうがいいと思います!

血管内溶血の原因としてPNHが有名ですが、機械弁による破砕があり、それによりビリルビン結石生成による胆道結石、腎ヘモジデリン沈着が起こることがあります。血管外溶血は鎌状赤血球症・脾機能亢進くらいで大体網内系にヘモジデリン沈着が起こる点が異なりますね!

腸管内に胆石がある場合、まずは胆道腸瘻を疑うと思いますが、もうひとつ十二指腸乳頭憩室結石を疑います!大きな憩室があれば、そこでLemmelが起きている可能性も思考が至ると、臨床科の先生を手助けできるときがあるかもしれません!

薬剤性肝障害といっても実は肝障害自体がやられるものと、胆道がやられるものが混同していることがあります。T-bil・肝胆道系酵素が上がっている場合は胆汁うっ滞型を疑い、乳頭炎・胆道壁肥厚など胆道の画像異常所見を呈することがあります。

水腎症があるとき、腎のまわりに脂肪織が混濁しているときに、いつも肥厚しているところが一緒だなぁという感覚はあったのですが(理論的に、腎炎なら全方向にのびるはず)、リンパ路に沿っているので、不思議に思っていたのですが尿溢流によりリンパ管との水分交換が行われているというのがわかったら納得ですね~。ただ、血液と交通することもあるのですね~!排泄相で血管内に尿が流入しているのに気づくのは鍛錬がいりそうです^^;


画像診断を中心とした医学系の記事を投稿したいと思っています。よろしくお願いします