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白襟

洋服の中で一番好きなのは、紺の無地で白襟のシンプルなワンピースだ。
私の好みの押し付けで、娘にも着せていた。
七五三も、着物ではなくて紺のワンピースに三つ編みだった。
本人も着物を着たがらなかったので、キリッとした顔に見えるワンピースの記念写真が残っている。
三歳の時には、たまたま生地もよくて白い襟にはいっさい飾りのないラルフローレンの白襟のワンピースが手に入ったので着せたが、七歳の時には探してもなかなか見つからなかった。

意外と手に入らないのが、シンプルで作りのいいワンピースかも知れない。

だから、昭和の洋裁が得意なお母さんの手作りの洋服はいいんだなぁ、などと思ったりした。
「仕立てる」という感覚も。
仕立てている間中、着る人のことを考えたに違いないから。
ちょっとしたところを手抜きせずに着心地よく作られた洋服には、愛がこもっているように思う。
パターンを起こして裁断して、洋服が作れる人を尊敬してしまう。

襟にも模様がないものを好んでいたが、このお写真を使わせていただいて、刺繍があるのも素敵だな、と思った。
歳を重ねてからの白い襟の服も良いかも知れない。




書くこと、描くことを続けていきたいと思います。