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取立CASE.3

今回は、女性。30代前半。一人暮らし。申し込みは、DM(ダイレクトメール)を見ての申し込み。使い道は、生活費。仕事は、パートタイムで働いていると。

少額融資希望であまり枠を広げたくないとの事だったので、追加融資をしてもそこまで増枠をする事もなく、一回契約するとほぼ完済するまで融資を受ける事もない。また、融資枠自体が少ないので、無理のない返済金額だったので、遅れる事も特にない方でした。

そんな契約が四年くらい続き、突然その方からちょっと多めの増枠の申し込みがありました。いつもの借入金額より明らかに大きい。使い道は生活費。いつもなら、金額の多さに違和感を感じると、具体的に何に使うんですか?と聞くのですが、その時は今後の売り上げの事も考えて、敢えて聞かないでおこうと思いました。
今までの取引履歴は文句無しでしたし、他社の借入自体もほぼ無く、希望金額を融資しました。支払いも応じて上がりましたが、そこでも無理しない金額での設定でした。

ただ、そのあとが何故か今までと違って借入のペースが速くなり、融資枠も伸びていきました。使い道はやはり生活費。

そんな契約が二年経たない内に、支払日は守っても突然支払金が少なくなり、連絡も明らかに疎らになっていきました。そして、とうとう支払いがしない月が出てきて、これはと思い、現地調査へ。

当人が住んでいる住居は、四階建てのUR、俗にいう団地。その一番上の部屋。団地には、割と一階に全部屋のポストが集合している集合ポストがあり、そこには部屋番号と表札が書いてある。勿論、この方の住んでいる団地も言わずもがなありました。
部屋の前に行くと、表札があり、ドアポストもある。電気メーターも普通に動いている。ドアの横には傘立てもあり、傘もあった。呼び鈴を鳴らす前にふと声が聞こえてきた。
あれ、犬の鳴き声???

呼び鈴を鳴らして、当人が出てきた。

話を聞いた。端的に以下二つ。
1.一人暮らしを続けていて、友人を切っ掛けにペットをお勧めされて飼いだした。そしたら、生活が一変。楽しい反面思った以上に出費が重なり、生活がギリギリになってきてしまった。一気に増枠した時ペット購入代金だった。その後の増枠は全てペットの為だった。
2.支払いが出来ない状態になり、生活もままならなくなったので、生活保護を申請して、生活保護になりましたと言ってきた。証明書もある。当人の言い分ではペットのせいで暮らしが出来なくなったけど、それでもペットを手放す気はないと。

あまりに話が飛び過ぎてて追い付かず、質問した。

私:端的に言うと、ペットの為に借りて、ペットのせいでこちらの支払いどころか、まともな生活が無理になったという事ですか?それで、生活保護を申請したら、通ったと。

お客:そうです。ペットととの生活が困難になったんです。だから生活保護を申請したんです。もう生活保護なので払いませんし、払えません。

怒髪衝天です。はっきり言って、ペットに使うお金はあっても、借金に払うお金は無いと言ったその人の言い分も、そして、その条件下で生活保護申請を認めた役所側の対応も。
生活保護になった以上、法的に請求権はありません。当たり前ですが、税金で借金を払う事は認められてないです。但し、借金自体が消えた訳じゃないですが、請求出来ないので、それ以上でもそれ以下でもない。
いずれにせよ、これ以上ここに居ても出来る事はないので、そのまま帰りました。
その後、時効ギリギリまで引っ張り、そこで訴訟提起をしました。勿論、時効が更に伸びましたが、まだ回収に至ってません。

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ここからはあくまで自分の感想で価値観ですが、今まで取立をしてきた中がTOP3に入る理解不能な出来事でした。
この記事を読んでいる方でペットを飼っている方も居るかもしれません。当たり前ですが、生き物に罪は無いです。これは分かります。ただ、ペットはあくまで自分の生活がまともに出来て、その状況を壊さない範囲、余裕の範囲でと言う意味です。言葉強めて言うなら、自分の生活がままならない状態でも、ペットに払う金があるというのは、納得も理解も出来ません。借金してまでするべきとは、とても思えません。しかも、買ったペットのせいで生活できなくなり、生活保護を受けるようになり、その保護費でペットの生活費も含まれると。
私は、この経験後、ペットに使う方に関しては、少し厳しく審査、融資をさせていただいてます。同じ轍は二度も踏みたくない、踏んではならないと心に決めました。
何よりそんな状態で生活保護が通るって、役所の基準が良く分からなかったです。

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