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3歳より前にアルファベットを教えてはいけない

生まれた時はみんな裸で、泣くこととお乳を吸うことしかできない。しかし一年も経つと歩ける子と歩けない子、喋れる子と一言も発さない子のように如実な差が出てくる。

少子化に伴い、一人当たりの子供にかける熱量と教育費は上がっている。そして教育熱が高まるほどに、日本の教育は画一的でダメだ、教育移住だ、絶対にインターに入れたい!だという風潮が強くなっている。

私自身、大学に入るまでは小学校の2年間を除いてはずっと海外で育ったため、自分や子供が日本人だからと言って日本の教育を受けさせるのがベストな選択肢とは考えていない。だから子供が生まれて絵本を選ぶ際は5冊に1冊くらいの割合で英語の絵本を買ったし、右脳の刺激に良いとされるフラッシュカードを準備する時も、英語と日本語共に揃えた。

都内でインターナショナルスクールに入れるには、下記の3つが現実的な方法であり、上から順に入れる確率が高い。
①両親もしくはどちらかが外国籍(欧米が望ましい)
②インターナショナルプレスクールから入る
③入学テストまでにネイティブ同等の英語力を身につける

①は言わずもがな、学校の質を維持・向上させるために評判の高いインターは国籍ごとに上限比率を決めている。両親、もしくは片親が欧米人であると子供自身のスキルが低かろうとすんなり入れることが多分にある。両親そろって純ジャパの場合は、高い倍率の受験を乗り越える必要がある。小学校から入る場合はネイティブ同等の英語スキルを求められるため、自力でそこまでの英語力を身につけさせられない場合はインターナショナルプレスクールに入れて英語力を磨くか、付属のプレスクールから入るしかない。

このような現実を目の当たりにした夫婦共に純粋ジャパニーズの我が家は、インターに入れたらいいなぁとぼんやり思いながらも、結局共働きであることもあって区立保育園に子供を通わせた。でも完全にインターを諦めたわけでもないので、英語の絵本を読み聞かせしたり、アメリカの童謡を掛け流ししたりはしていた(データDLして子供が言いやすいプレイリスト名をつけると、子供が自らアレクサに再生するように頼むのでオススメ)。

もちろん母国語は日本語であり、今の時点では教育移住も考えていないので、並行して日本語の絵本もたくさん買い、お風呂の壁には五十音表を貼っていた。

3歳半をすぎたある日、それまで5つに1つは「分からない」と言っていた平仮名と、平仮名と全然形が違うカタカナは一切読めなかったはずの子供がスラスラと絵本を読めるようになった。アオミノウミウシとかティラノサウルスなんて大人でも噛みそうなカタカナも難なく読めていた。地道に水を入れていた壺から急に表面張力を超えてザブザブと水が溢れ出てきたかのような急成長だった。それ以来、今まで「読んで!」と言っていた絵本を自力で読めるようになったので1日に読める本の数が急増した。

並行してちょこちょこ目にしたり音で聞いていたアルファベットも、読めることには読めたしアルファベットの歌が流れれば一緒に歌っていた。しかし英語は日本語と違ってアルファベットを覚えてもなかなか単語を読むことはできない。たしかに現地校でもアルファベットソングではなくフォニックスアルファベットの綴りと発音との間にもつルールを学ぶ手法が取られている。

同年代の子を持つお母さんたちには、3歳半ばにして平仮名とカタカナをスラスラ読めることに驚かれることが多かった。しかし、アルファベットを教えずに先に日本語にフォーカスしていれば、もっと早く習得できたのかもしれないとも思う。

もちろん母国語を日本語以外にしたいとか、プレスクールに何がなんでも入れたい、という教育方針ならばアルファベットは1日でも早くインプットした方がいいだろう。しかし、あくまで母国語は日本語にしている家庭は、1にも2にも平仮名とカタカナを覚えさせる方が賢明だ。自分で文字が読めるようになると、目から吸収できる情報量が格段に上がる。読み聞かせには読み聞かせならではのメリットもあるが、それでも自力で本を読めるようになるのは一日でも早い方がその後の脳の発達は全く変わってくる。

育児や教育にはなかなかこれと言った正解がないことが多いが、最初に母国語の読む力を育てるメリットは万国共通しているのではないだろうか。

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