【Vol.7】写真家 豊田慶記氏が聞く、LUMIX S5II「深堀り」開発者インタビュー
写真家 豊田慶記氏によるLUMIX S5II開発チームとのロングインタビュー。全12回の連載を予定しています。
前回に引き続き、「道具としての性能向上」についてのインタビューです。
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ーー:
トップカバーの塗装に関して、個人的には擦過痕(物と物とが擦れたり、接触した際に残る跡)がつきにくく、拭き取りなどのメンテナンスが楽で良いと感じています。これはS5と同じものでしょうか?
北出:
Sシリーズで共通となっています。より正確に言えば、この塗装はG9 PROから採用した塗料を微調整して、Sシリーズ以降の機種に展開しています。LUMIXブランドを表現するデザインの一環として、カメラの塗装やレンズ鏡筒やフードの仕上げを統一し、一体感のあるデザインとなることを目的として採用しています。
ーー:
これは何か特殊な塗装なのでしょうか?難しいところはあるのですか?
金田:
そこまで特殊な塗装ではないですが、構成としてはプライマー・ミドル・トップの3層仕様になっています。ツヤ感や、ブツブツの大きさ・密度の出来栄えをそろえるのが難しいです。例えば夏と冬では温度や湿度が変わるので、溶剤の比率を微調整しないと仕上がりがバラついてしまいます。都度、塗装職人が頑張って我々の許容している範囲に揃えてくれています。
ーー:
そう言えばインターフェイスカバーの質感も良いですね。というのも結構なお値段の機種であっても樹脂製のカバーを採用するケースが増えていて、その質感を少し残念に感じていたところでした。
北出:
これはエラストマーという素材で、S5と同じものになります。さらに言えばSシリーズで共通のシボパターンを持たせてあり、塗装デザインと同様にブランドとしての一貫性を表現する活動のひとつです。
(続きます)
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