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君に届け

2020.7.25

こんなにも、あらゆる角度から命について考える年は後にも先にももうないんじゃないかと思うくらい、今年は強制的に向き合わされてる気がする。
コロナで辛いお別れをするニュース、自然災害、差別、誹謗中傷。挙げたらキリがないくらい、辛くなる出来事ばかりで疲弊している中の三浦春馬さんのニュース。

個人の出来事としては、実は数か月前に友達が亡くなり、そのことも向き合うと辛いから蓋をするようにして生活していたのに、そんな最中のあまりにも受け入れ難いニュース。

三浦春馬さんは、もちろん芸能人だから雲の上の存在だけど、学年でいうと二つ下の私たちの世代にとっては憧れの先輩のような存在。親しみやすいけど、眩しすぎて絶対に手が届かない、切ないくらい爽やかな人、そんなイメージ。
この出来事を受け入れるまでにはまだまだ時間が掛かってしまうけど、絶対に貴方が生きたことを忘れたくないから、いつまでも永遠に心の中に生き続けてほしいから、思いを綴らせてください。
(以下、勝手ながら春馬くんと呼ばせて頂ければと思います。)

毎日朝、目が覚める度に、もう春馬くんはいないんだと思って朝を迎える。散歩をしていても、お空に春馬くんを探してしまう。
文字にすると、春馬くんがいないことがより受け入れられない。
画面を通してしか見たことはないし、何も知らないから、想像だけで話すのは失礼だし控えたいけど、あまりに悲しすぎた。比べるものでもないけど、芸能人の方が亡くなってこんな気持ちになったのは初めてで、自分でも驚いています。

春馬くんの作品で大好きなものはたくさんあるけど、特に思い入れの強いものは、「君に届け」という作品です。これにはちょっと忘れ難い特別な思い出があります。

当時高校生、ちょうど思春期を女子校で過ごしていた私たちは、学園ラブにすごく憧れていて、好きな芸能人で妄想しながらギャーギャー騒いだり、近くの男子校や予備校で出会う男の子たちに片思いとかをしながら、デートの妄想とかしてたっけ。私も実は、高校時代3年間好きな人がいました。(片想いで、実らなかったけど(笑))。とにかく頭が良くて、スポーツ万能で、かっこよくて爽やかで、、授業中もずっとその人のことばかり考えていたな。当時仲の良い友達にも同じように好きな人がいて、みんなで口を開けば恋バナに花を咲かしていたな。

そんな高校生活を過ごしていた頃、文化祭の後だったかな?私たちの学年が講堂(キリスト教の学校だったため)に集められて、先生たちがニヤニヤとしていた。「実は、今日皆さんにすごいサプライズがあります!」そんなことを言われたっけな。そのサプライズとは、人気漫画を映画化した、春馬くんと多部未華子さん主演のラブコメ、「君に届け」を私たちの学年のみんなで一緒に講堂で、試写会を観られるということ。地方の高校だったから、「え?学校で試写会?映画館で上映前に学校で観られるってどういうこと?先生たち、どんな魔法使ったの?」と信じられない気持ちになった。

上映が始まると、案の定みんなギャーギャー騒いで、「かっこいいいいい!!」だの、「羨ましいいいいい!」だの、本当に動物園かと思うような騒がしさで、みんなキュンキュン通り越して、ギュンギュンしてたっけな。映画館とは違って、学校の講堂だから、いくら騒いでも怒られないし、いつもは怒ると鬼のように恐い先生たちも、この時ばかりは微笑ましく見ていてくれてた気がする。大好きなみんなで観る映画はあっという間で、スクリーンに映し出される春馬くん演じる風早くんは本当に本当に爽やかすぎるくらい爽やかで、かっこよくて、なんだか、涙まで出てきたことを覚えている。

終わった後は、みんな、見たことのないようなキラキラとした満面の笑みを浮かべていて、元々春馬くんのファンの子は、泣くほど喜んでいたし、恋をしている子は、その好きな子と風早くんと重ね合わせながら、「ねえ、私の好きな〇〇くん、三浦春馬にそっくりじゃなかった??」と言っていて、「いやいや、似ても似つかないから!」などと笑いあいながら、教室でキャッキャしていたことを今でも鮮明に思い出す。

大好きな高校のみんなと、母校で映画を鑑賞できる機会なんて夢のようで、当時の嬉しかった気持ちと、青春を謳歌していたんだという気持ちが今でも鮮明に蘇ります。

それから、私たちも大人になり、新しく沢山の若手俳優さんが出てくる中でも、テレビや映画で当たり前のように春馬くんが出ていて、亡くなる前に一番直近で観た「コンフィデンスマンJP」のジェシー役は、かっこいいを通り越して、美しくて、色気があって、あんなにかっこよくて爽やかだった春馬くんだけど、年を重ねて、爽やかさだけじゃなくて、大人の魅力まで加わって、「やっぱり流石だな」って一緒に見ていた彼とも話していた。これから、あとどれくらいかっこよくなっていくんだろうって本当に楽しみだった。

そんな中のニュース。あの日はひたすら心臓がドキドキして、夜中も気持ちが不安定になって、ずっと泣いていた。春馬くんのSNSを見返して、毎日丁寧に向き合って生きている証が残っていて、本当に素敵な人なんだと実感した。報道でいろんな人のコメントを聞くたびに、その魅力と愛らしさを改めて知って、ただただ辛くなる。亡くなった後に、こんなに好きになってごめんなさい。熱心なファンというわけではなかったのに、溢れんばかりの魅力を知るたびに夢中になってしまう。

この出来事を経て、私はどうしても「言葉で人を救いたい」という気持ちが強くなりました。そして、実は少し前から日本の魅力をPRする活動をさせていただいているのですが、正直漠然とした想いでやっていましたが、私の中にも明確な目標が生まれました。春馬くんが世の中に何を伝えたかったのか、本当の気持ちは本人にしかわからないし、私に出来ることなんて微々たるものだけど、同じ世代として、春馬くんが見ていて恥ずかしくないような世界を作っていきたいと本気で思っています。

そして、どんな年齢の人にも分け隔てなく真剣に向き合うその姿勢を見習いながら、足元にも及ばないけど、少しでも自分のやっていることが誇れるように頑張っていきたいと思います。

今はまだ、春馬くんの作品も悲しすぎて観れないし、どんどん魅力的になる姿を本当はもっともっと見たかったし、いつも先輩でいてほしかったから、私が春馬くんより年上になる日が来るのが、正直嫌です。

でも、春馬くんが伝えたかったであろう日本の良さ、人に与えられるプラスの影響力を、これからを生きる若者として、私も伝えていきたいと思います。周りを大切に、前を向きながらしっかりと自分の足で歩んでいきます。

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