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#107 家族を営むこと

7月20日 荷物まみれの息子を自転車で迎えに行った帰り、うちの夏休みが始まった!
もうだいぶん前のことのように思えるけれど当たり前だった、その夏休みも今日で終わり。なんてこったー 
いま外はゲリラ豪雨で真っ白、50m先も見えない。


夫が次の仕事初めまで長い休暇をとったので、息子の人生初の夏休みは「正真正銘 みんなが予定のない休暇」にすることにした。
保育園で夏休みってなに、という感じだった彼にとって(うちはこれまでお盆休みすらなかったので)急に降って湧いた長期休暇をどう捉えるのか興味があった。わたしも思い切って仕事は減らして、感覚を忘れない程度に出向いた。
世の中から取り残された時間。



・・・

正直、家族運営について色々と思うことがあって
どうしたものか、何をすればいいか、
答えがずっとでなかった。

考えすぎなのかもしれない。
考えたって仕方ないのかも。
でも自分の人生だけ考えていればいいわけでもなくて、キャパが最小サイズのわたしには結構重荷に思えたりした。結婚して家族を営むことはとても幸せで、でも同時に多くのコントロール可能なものを手放して流れに身を任せることを迫られる気がする。目の前にある問題を一つ一つ片付けているだけでは舵取りができなくて溺れそうになる。「みんなどうやってるんだろう」と周りを見渡してみると、ヒントがもらえることもあるし、余計にわからなくなることももちろんある。
たぶん、わたしってものすごく不器用なのだ。
そのくせ流れに乗ろうともがいたり、ここがわたしの居場所だと風呂敷を広げようとするもんで痛い目に遭う。

「良さそう」なことがずっと良いことは稀で直ぐに迷子になるし、日々変化する瞬間瞬間にしか真実がないことを呆然と見つめているしかないんじゃないかと虚しくなったり。
どうもこうも哀しいのは、考えずに動くことが下手すぎることかもしれない。
マーヴェリックは(トム・クルーズの映画ね)”Don’t think, just do.“「考えるな、行動しろ」って言うけどそんなの全然できない。だからなのか時々、交差点で終にブレーキが効かなくなった車のハンドルをめちゃめちゃに切る夢を見る。

もっとあっけらかんと生きていたい。



自分のことすら思い通りにならないのに、他人なんてもちろんどうしようもないんだから。好きにやんなさいよ、と息子を放牧したいけど口出ししたい。やれやれ。
視野が狭い?余裕がないのかしら?とか煮詰まって1周回って、だったら何かを緩やかに変えていく必要がありそうだと腹を据えてみた。


夫婦で生活スタイルを変えて、憧れを潰す時間を作ろうというところに着地した。ちゃんとしなきゃと漠然と思っていた子育ても、別に元から“ちゃんと“ できていなかったし、良かれと思って説き伏せて与えるものの期待値が大きいほど互いに疲れることもよくわかったから手放すことにした。
親は親の人生を生きていいし、息子にも彼の人生を選んでもらう。
急に全てを単純化したくなってしまう自分の排泄欲には気を付けたつもりだったけど、果たして大丈夫なのかはまだ心配なところ。

息子が1年生の夏は今しかないし、そのうち一緒に外出するのも面倒がるようになるんだろうとか考えたりもした。だからと言って「世界を見に行こう!」と海外へ出掛けて行ったりしたわけでもないし、キャンプに放り込むこともしなかった。(キャンプは全力で拒否されたのもあるけれど)言ってみれば実に中途半端な我が家のバカンスだったけれど、山、川、プール、都会に田舎にと夫のファインプレーによって随分と楽しいものになったから良し。

さて、そんなうちのモラトリアムも今日でおしまい。
社会に戻らなくては。
いい人生の夏休みだったなぁといつか大らかに振り返る日が来ることを願って。

るる


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