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#47 親の仕事とは?正社員を辞めたっておしまいじゃない。

息子は来年、小学校入学の年。
5年もあると思っていた保育園生活も残すところあと5ヶ月
ランドセルも届き、就学前検診も終えて
小学生がいる雰囲気がうちの中にもじわりと湧いてきました

今日はそんな家の中でひとり
時間の進みについて行けずにいる母のわたしの話を書き留めてみます。


少し前に「もうこりゃ無理だ、オテアゲデスー」と正社員をやめました。
周りにはわたしよりずっとハードに働き、生き生きとしているお母さん方が大勢いる中
脱落者という感覚がなかったわけではありません。
「毎日自転車で送迎して、お弁当作ってお仕事行って、家事もして… あなたえらいわねぇ」
と祖母に言われるたびに
「みんなやってるのよ、今はそういう時代だからね」
と返していたわたしは
どの顔で祖母に会えばいいんだろう、とちょっと暗い気持ちになりました。

「大丈夫なのか」と父は明らかに心配していたし
「ゆっくりしなさいよ」という母もいつ正社員に戻るつもりなのか尋ねてきました。

彼らからの質問は全て想定内だったし、
なんなら恐らくその全ての質問は既に自分自身からわたしに投げられていたものばかり。
それなのに口籠ったり
空元気でかわすくらいしかできなかったのは
きっと特別に準備もしていなかったのに「えーい」と手放してしまったことに対する自責があったからかなと思います。


例えば副業を始めていればよかったかもしれない。
複業であれば、初めは副業で正社員だったとしても
本業を辞めてもこれがあるから、と安心できたから。

例えば不動産賃貸業をやっていればよかったかもしれない。
不労所得(とは完全には言えないけれど)がある人は強い。
寝込んだって毎月家賃は振り込まれる。

だけど。
わたしは何もできないまま
単にパンクして辞表を書いてしまった
計画性のないアルバイト生活に突入してしまったのです。

医療職なので選ばなければ仕事は見つかりました。
このご時世とてもありがたいことです。

そして誤解を恐れずに言うと、
今日ここに書きたいのは
「なんで正社員やめちゃったんだろう」という嘆きではなくて
「今はバランスが取れていて、信じられないけど幸せだ」
ということです。


そんなの将来のことを考えていないからだ、と言う人もいるでしょう
無責任なわたしは非難されるかもしれない
でも外から家の中がよく見えないのと同じように、本当の事情なんて
一体誰が全部見通せるのか
と思うのです。

「カレー食べに行こう」と夫に誘われて。ひと口ごとに味が違って最高でした。
こういう時息子の話ばっかりしちゃうんだけど。

きっと全ての家庭に
それぞれのやり方や幸せがあると思います。
わたしはそれでいいと思います。

正社員だから、ボーナスがいいから、
高級車に乗っているから、インターに通っているから、
幸せといえますーーなんて言っていると
偏差値が少しでも高い学校を目指して目隠しして志望校を選ぶような
危険な思想を育てるんじゃないかなーと思うんです

勝った、負けた、白か、黒かみたいな世界は
なんだか豊かじゃないなぁって気がついても
もうそのレースを走り始めてしまったら
つまんなくても好きと思えなくても
そのまま走り切るしかないというのは、子どもにはあまりにも過酷じゃないか….?


そうやって手にした仕事で今もなんとか暮らしているのは
もう皮肉でしかないけれど
「生涯通じて取り組みたいこと」を見つけて
「後悔せずに生きていくこと」
をみんなの幸せのバランスをとりながら
背中で見せられるような母ちゃんをやるのがわたしの仕事なんだなーと
ピカピカのランドセルを見て思いました。

うまく行かなくても
こんなのもあるよ、あんなのはどう?と
たくさんの選択肢を渡せる人って最強だと思う。
6歳の息子が自立するまであと12年
わたしの母親人生もまだまだこれから。

歳や見た目が大人になっても、学びはまだまだ続く。
むしろページをめくるたびに「もっと、もっと!」と欲しくなるような
そんな世界を息子とも広げられたらと思うのです。
スマートな親にはなれんかったけど、がんばります。

るる




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