あなたの好きな食べ物は何ですか?ドラマ「青葉家のテーブル」
配信ドラマ「青葉家のテーブル」を観た。(アマプラでも視聴可能)
北欧、暮らしの道具店のオリジナルドラマなので、食卓を彩るのは北欧の素敵な食器やカトラリー。部屋の雰囲気もとてもおしゃれで自分の部屋を見回すとその諦めた現実ぶりにやや気後れしてしまうけれど、描かれるのはちょっと変わった家族のカタチで周囲や社会に馴染めないなど、おしゃれなだけでは立ち行かない現実がある。
そこに住むのは、シングルマザーの春子、その息子リク、春子の友人のめいこ、めいこの彼のソラオの4人。
春子の部屋に恋人同士の二人が居候して、ちょっとしたシェアハウスのような感じ。
思春期でちょっと扱いが難しくなってきた息子も、春子とマンツーマンではなく、自由人っぽいソラオが話を聞いたり、春子が行き詰まった時にはめいこが話し相手になったりアドバイスしたり。
逆にソラオが落ち込んだ時には、リクの部屋で一息ついたり。
食卓を囲む四人が程よい距離感で存在していて、これから必要とされるのはこういう付かず離れずという他人まじりのファミリーなのかなと感じた。
家族だからこじれにこじれて戻らないこともある。
家族だから甘えて言いすぎることもある。
家族だから近すぎて言えないことがある。
そんなことを他人混じりの「青葉家の食卓」がやんわりと包む。
そこには春子が作った色とりどりの華やかな食事があって、みんなで手を合わせていただきますと言い、何となく心が解けて気持ちをぽつぽつと話せたりもする。
自分の本意ではないけど関わらなければならない人、と言うのは気まずくなるのが嫌で過度に我慢したり、逆に容赦無く突き放したり、色々とややこしい。
けれどそこに適度な他人が入ることで、冷静になれたり、素直になれたり、何か不思議だけれどそういうことってあるのだと思う。
食べること、というのは生きていくのに欠かせないツールではあるけれど、疎かにしようと思えばいくらでもできるし、楽しくなくても空腹は満たされる。
けれど食卓には、そこに住む人たちを結びつける大切なものがあるのだと、そんなふうに感じた作品だった。
ドラマは短編の4話で、1話は短いけれど内容が濃くて、どこかのキャラクターには自分を重ねられそう。
うまく器用に生き抜くのは、時間の節約になるし誰よりもお得な生き方なのかもしれないけれど、どう頑張ってもそんなふうにいかない人には結構安らぎになるドラマではないかなと思う。
映画化されるらしく、そこには春子の友達役として市川実日子が出演するらしい。ともに住む4人のメンツは変わらないようで、ドラマの世界観が続いてくれて地味に嬉しい。
ドラマでは北欧の食器が中心の青葉家の食卓が主だったけれど、予告を見る限りそこにちょっとアジアンテイストが入るのかな。
フードコーディネイターは冷水希三子さん。今日はそこから少しだけヒントをもらったサラダを作ろうと思う。
映画版もやっぱり食事シーンが楽しみ。食べることって時に面倒だけれど、やっぱり人を形作る大切な要素の一つではあるからできる範囲で大事にしたい、と思う。
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