「月のうさぎの国」童話詩―ふくふくさんの企画「夏、ときどき、夢」
月の出が 遅い 今日は 満月
夏の 月の光は
実った稲田を やさしく照らし
城山の 松の木を 蒼く包む
しばらく 見上げていると
足元に 何かが
絡みついてきた
見下ろすと 白いうさぎが
ブドウ粒の目をして
私を 見上げている
{あれ?? どこかの
農家の庭先から 逃げて来たのかな??}と
思いながら 怪訝な顔で見ている私
すると うさぎは 背負っている袋を
ヨッコラと 降ろして
中から 白くまるい物を取り出し
一つを 自分の口に入れ
もう一つを 私に差し出した
手に