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子どもの変化・社会の変化に対して授業をどう変えていくか

20年前ですが、わたしが乳幼児の世話をしていた頃は、子どもから目が離せないので、自分が食事をするのも必死でした。動き回らせないために、とくに下の子はかなり長い間おんぶひもを使って「バッテンおんぶ」をしながら、食べていました。
(注:拝借した画像はおんぶひもを使ってませんので、バッテンおんぶではないです)

たまーに旅行に行ったときもそうで、旅館でもホテルでも、バッテンおんぶで食べていました。今思うとかなり恥ずかしい見た目ですが、当時は、それでも旅行に行かれるだけ幸せ、と思っていました。


時代は変わり、最近ではどこのカフェやレストランに行っても、乳幼児連れのママ・パパは、子どもをベビーカーに座らせたまま、ゆったりと食事をしていらっしゃいます。そして、ベビーカーに座った赤ちゃんは、端末を持ってずっと動画を見ています。

昨日も駅のカフェでそのような親子連れを見かけました。赤ちゃんは、ずーっと端末の動画を見てました。店に入ってから出るまで、ずーっとです。

ふと、

「こうやって赤ちゃんのころから一人一台端末を持たされて動画を見てきた子どもが、学校に入学してくるんだな・・。」

と思いました。

* * *

学校では、GIGA端末が配付されているとはいえ授業の大多数は黒板に向かう授業ですから、いまの子どもたちは、音も光も出てこない、動画もない黒板によくまあ長い時間向かっているよなーと思います。

今の子どもたちは「集中力がない」とよく言われますが、少なくとも、以前の子どもよりは明らかに「共同注意」が苦手になっているだろうと思います。

「共同注意(共同注視)」とは、ざっくり言って、他人と同じものを見て意識を合わせる、同じく注意を向ける、ってことだとわたしは思ってます(正確ではないかと思いますが)。

この点、「バッテンおんぶ」は、おんぶしている親の顔が向いている方に子どもの顔が向きやすくなりますので、親子間の「共同注意」の力は育ちやすいのではないでしょうか。

注:だから令和のパパ・ママもバッテンおんぶをしたほうがいい、と言いたいわけではありませんよ!だって、バッテンおんぶをしながら食事をしていた当時のわたしは、落ち着かなくて常にそわそわしていましたから(=今もそわそわしてるか 笑)、それが子どもにどんな悪影響を与えていたかわかりませんし。

* * *
目の前の子どもから出発する、ていうことを忘れずに、日々の授業を考えたい。
今の子どもたちの実態に応じて、実践のあり方を考えて、変化させていく必要がある、と思うのです。

ただ、それは、
「端末と動画で育ってきた子たちが相手だから、授業で個人が端末を使う場面を増やそう」、という単純な結論にはならないです。

逆に、
これまで40人で一斉授業を行なって、当たり前のように児童全員で黒板に注目してきた、そのことを当たり前とせず、その教育的効果をきちんと理解して、意識的に活用する必要があるでしょう。


みなさんは、どう考えますか。









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