ハイネ「うるわしく美しい五月」(ドイツ詩を訳してみる 31)

Heinrich Heine (1797-1856), Im wunderschönen Monat Mai (1823)

うるわしく美しい五月
つぼみがいっせいに開くころ
ぼくの心のなかでは
恋が花開いた。

うるわしく美しい五月
鳥たちが一斉に歌うころ
ぼくはあの子に打ち明けた
あこがれと焦がれる思いを。

(喜多尾道冬の訳を参考にした。)

Im wunderschönen Monat Mai,
Als alle Knospen sprangen,
Da ist in meinem Herzen
Die Liebe aufgegangen.

Im wunderschönen Monat Mai,
Als alle Vögel sangen,
Da hab ich ihr gestanden
Mein Sehnen und Verlangen.

「うるわしく美しい五月」という訳は、ずっと以前にどこかで読んだものですが、どなたの訳だったのか突き止められずにいます。

 *

まずはロベルト・シューマン(Robert Schumann, 1810-1856)の歌曲集『詩人の恋』(1840年)[楽譜]の第1曲として有名です。

フェリックス・メンデルスゾーンの姉ファニー・メンデルスゾーン゠ヘンゼル(Fanny Mendelssohn-Hensel, 1805-1847)による二重唱曲(1837年)もあります。

ローベルト・フランツ(Robert Franz, 1815-1892)も歌曲(1870年頃)[楽譜]を作曲しています。



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