アイヒェンドルフ「薄明」(ドイツ詩を訳してみる 12) 10 ひよこのるる 2019年8月12日 22:33 Joseph von Eichendorff, Zwielicht (1815)夕闇が翼を広げようとしている木々は不気味に揺れ動き雲は重たい夢のように流れている――この恐ろしさは何を意味するのだろう?君に愛する小鹿がいるならひとり野放しにはしないがよい、狩人たちが森をうろつき 角笛を吹きあちらこちらで声を上げているから。君に地上の友がいるならこの時間には信用しないがよい、たとえ目や口は優しくても偽りの平和の陰で戦いを企んでいるから。今日くたびれて沈みゆくものが明日生まれ変わって昇ってきても夜に失われたものの多くは戻らない――目を光らせよ、決して眠ってはならぬ!Dämmrung will die Flügel spreiten,Schaurig rühren sich die Bäume,Wolken zieh’n wie schwere Träume -Was will dieses Grau’n bedeuten?Hast ein Reh du lieb vor andern,Laß es nicht alleine grasen,Jäger zieh’n im Wald’ und blasen,Stimmen hin und wider wandern.Hast du einen Freund hienieden,Trau ihm nicht zu dieser Stunde,Freundlich wohl mit Aug’ und Munde,Sinnt er Krieg im tück’schen Frieden.Was heut müde gehet unter,Hebt sich morgen neu geboren.Manches bleibt in Nacht verloren -Hüte dich, bleib’ wach und munter!(西野茂雄・志田麓の訳を参考にした。)シューマンの『リーダークライス』Op. 39 の10曲目として有名です。最終行は、同じシューマンの『森の情景』の「予言の鳥」の自筆稿でもモットーとして引用されています。 ダウンロード copy #詩 #翻訳 #ドイツ語 #シューマン #歌曲 10 他の記事も読んでみていただけるとうれしいです! 訳詩目録 https://note.com/lulu_hiyokono/n/n448d96b9ac9c つながる英単語ノート 目次 https://note.com/lulu_hiyokono/n/nf79e157224a5 サポート