枠からつくってみる

ここでいくつか詩の翻訳をしてきたけれど、まだまだ何も見えてこない感じがあるので、どういうところにたどり着きたいかというのを簡単にまとめてみることにした。


ぼくが夢みるのは、西洋音楽を楽しむための世界詩アンソロジー。

文学史の観点から大事な詩人や作品はおさえつつ、そうでなくても、有名な作曲家が取り上げた詩や、作曲家自身が書いた詩も一緒に入れていきたい。
音楽史上大事なものと文学史上大事なものの和集合みたいな感じで、全400編くらい。取り上げる詩人は50人くらいかなあ。

(詩、に限らなくてもいいのかもしれないけれど、小説とかを入れ始めると分量的に手に負えなくなるので、ちょっと慎重に。)

作品を並べるだけではなくて、大きな流れ、時代や地域の雰囲気が見えるようにしたい。それぞれの時代の、各言語圏の影響関係とかが、読書する作曲家という観点から浮き彫りになったら面白いなと思う。

それぞれの詩人の「ぽさ」が感じられるようにしたいから、原則として各詩人の作品を最低でも5編ずつは挙げたい。


ドイツのゲーテやアイヒェンドルフ、フランスのボードレールやヴェルレーヌといった王道の詩人だけではなく、ドイツのパウル・フレミングやレーナウ、フランスのラマルティーヌやルコント・ド・リールといった、文学史の本には出てきても実際には(少なくとも日本では)ほとんど読まれていない詩人も取り上げたい。

あとは、西洋音楽バイアスのかかったアンソロジーという視点で、イタリア語やロシア語や英語やスペイン語などの作品がどれくらい入ってくることになるのか楽しみだ。


翻訳の方針としては、現代の読者にとって読みやすいものになることを第一に目指す。
そのため、単語や行レベルの対応は必ずしも行わない。
しかし、「超訳」のようないい加減なものでは決してなく、あくまで可能な限り原文に忠実な訳とする。


みたいなのが10年後くらいに完成したらいいなあ。そのころには日曜翻訳家を名乗っても恥ずかしくない感じになっているのかもしれない。

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これまでに公開した訳詩の一覧はこちら。


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