ピアノはきらい

私は、小学6年生まで、ピアノを習っていた。

5歳から習った先生は、やさしくて、同級生の友だちのお母さんでもあった。

ピアノを弾いて、レッスンが終わると、友だちと一緒にピンクレディーを歌っておどっていた記憶がある。

ところが、先生が引っ越して行ってしまった。それで、新しい先生のところへ習いに行くことになった。

新しい先生は、機嫌が悪いとき、私がピアノを弾き間違えると、私の手を叩いた。

木曜日がピアノの日で、毎週木曜日は、「ピアノに行きたくない」と、ごねた。中々、足が向かなくて、でも最後は、父親にうまくだまされて、「行ってきな」という言葉で、教室に向かうのだった。

先生が機嫌がいいとき、うまく弾けたときは、楽しかった日もあったのだろうけど、私は、ピアノが嫌いになった。

大人になって、もう、両手で弾くことも出来ないし、負の記憶だった。


そんなとき、娘が「ピアノ弾くの好きだから、習いたい」と言った。

娘がピアノが好きで、楽しんで習えるなら、いいと思った。

ピアノを習っているお友だちのお母さんに、先生を紹介してもらい、体験に連れていった。

初めて会う先生と、一定時間一緒にいて、話したので、あとでかなり疲れた。が、娘は、楽しかったようだ。「習いたい」と言った。

今月からレッスンをお願いすることにして、練習用のピアノをアマゾンで探す。

あまり高い物は買えないけれど、予算を決めて、初心者用の電子ピアノを買った。

娘が最初のレッスンに行った日に、組立式のピアノが届く。娘が手伝い、私が組み立てる。

娘は、うれしそうだ。宿題のノートに、ト音記号を書く練習をし、ドレミの音符を書いている。ピアノを好きなように、弾いて、笑顔だ。

このまま、ピアノを楽しく弾いて欲しいと願う。

そして、私も、娘が学校に行っている間に、娘の楽譜を拝借して、ピアノを少々弾いたりしている。まだ、簡単な楽譜だから、両手で弾けるぞ。

負の記憶を少しずつ、正の記憶に書き換えよう。私も、楽しくピアノを弾こう。

2年に1回あるという発表会で、連弾とかしてしまうかも?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?