海外進学に興味があるけど一歩踏み出せない人へ

最近、海外進学に関する相談をよくいただきます。もっと具体的にいうと「海外進学をしたい!だけど自分がどうすれば進学できるのか分からない!」という相談ですね。

話を聞いていると「日本の大学にいく価値が分からない」「短期留学した経験がすごく良くて海外に興味を持った」というパターンが多いような気がします。

そんな相談を受けた時に、私が答えている内容は毎回ある程度決まっているので一度Noteに書き出しておこうと思います。

相談にくる人の多くが中学生、高校生です。このまとめたNoteが将来の選択に何かいい影響を与えられれば嬉しいです。

まずは自分が4年間過ごす国の空気を肌で感じよう

相談にくる人で意外と多いのが、海外進学したいけれど、行きたい大学にもその国にも行ったことがないというケースです。

私は海外進学するにあたって一番大事なことは、実際に住むであろう国を肌で感じることだと思っています。長くて4年間も住むであろう国に行ったことがないということは、かなりリスクが高いことだと思います。

科学的な根拠はないですが、国にはそれぞれ違った独特の空気があります。実際は同じ空気のはずなのに「匂い」「緊張感」「時間の流れ」が国によって全く違うんですよね。

この「空気」が自分に合うか、合わないかということはすごく重要なことだと思っています。そしてそれは、実際に自分で現地に行ってみることでしかわからないことなんです。

何百年、何千年とその土地で過ごしてきた人たちの記憶と知恵がその土地に蓄積しているんですよね。それをまずは嗅ぎにいこうという事です。

海外に関する記事やインスタグラムで、海外の「良さそうな」情報が簡単に手に入ります。

綺麗な写真やフレンドリーな人たちの写真をみていると、だんだんと「この国は自分にあっているんだ!」という想像が膨らんできて、いつのまにか選択肢が一つになってしまうことがあります。

厳しい現実を伝えると、英語ができない日本人は日本人同士で仲良くなります。ネイティブの友達は、相手が日本オタクでない限りできません。差別もあります。小学生レベルの英語でさえ通じません。

インターネットで手に入る情報は全て一部だけです。それも第3者にとって都合の良いことが書かれている。留学のサポートをしたら語学学校からコミッションが入るし、海外のキレイな写真をあげてフォロワーが増えれば広告収入が入る。

少しでも海外に興味があるなら、すぐにでも現地にいって五感をフルに使って国を感じましょう。自分の可能性が拡がる国かどうか、自分自身で判断しましょう。

そこにあえて時間とお金を使うことが、将来により役立つのではと思います。

必要なことは英語力と熱意

基本的に海外進学は英語力の壁さえ乗り越えれば、海外進学は何とかなります。

高校から直接進学する場合「英語の成績証明書」が必要になりますが、ファウンデーションコース等を利用すれば大きな問題ではありません。

ファウンデーションコースとは、大学進学のための準備をするコースで、語学学校や大学で開講していることがあります。約9ヶ月のカリキュラムを終えると、提携している大学に進学できるので「費用はかかってもいいから、海外に行きたい!」という人にはオススメかもしれません。

しかし、ファウンデーションコースに入学するにも必要になるのが英語力です。

基本的に「TOEFL60点」「IELTS5.0」以上は取得できていないと、ファウンデーションコースにすら入ることができません。上記のスコアですら、日本の高校で英語を勉強しているだけだと取得することは非常に難しいです。

どれくらい難しいかというと、私の知り合いで1年間ニュージーランドの現地高校に留学をした人がいました。

英検は準1級程度、日常会話は不自由なくできる状態まで英語力がのびましたが、TOEFLを初受験したときのスコアは60点だったそうです。ちなみにTOEICは730点程度だったそう。

対策は何もしてなかったそうですが、1年間海外留学を経験しても勉強量次第では全く歯が立たないレベルです。

この話をすると「海外留学してもそのレベルなら、海外留学したことない私では無理ですよね…」という反応がよく返ってきます。全然そんなことありません。

日本で英語を勉強していても、海外留学していてもあまりスコアには関係ないと個人的には思っています。どちらかというと、学習の量と質の問題が大きいです。

言語習得のプロセスに沿って、必要なことを必要な分だけ勉強すればスコアは必ず取れます。

具体的には、「語彙」の学習と並行して「発音」「構文」を習得した上でリーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能を学習するといいです。

「語彙」「発音」「構文(文法)」というのは、言語の基盤になる要素です。基盤をしっかり整えてから、必要になる表現や文章に触れる方が効率がいいんですね。

これはスポーツも全て同じで、いきなり試合に必要なテクニックを学んでも基礎が身についていないから実戦で使えないというような状態です。

英語に当てはめるとその結果として、英語を10年以上学んでも日常会話が全然できないという現象を引き起こしているのですね。

言語は正しいプロセスで適切な量を勉強すればできるようになります。勉強を続けるためには、やはり最後は熱意とモチベーションが重要になりますね。

保護者には必ず自分の思いを打ちあけよう

「まだ親には言ってなくて…」というケースも多いですね。これは事前に相談した方がいいと思います。

なぜなら、たとえ奨学金がおりたとしてもある程度の金銭的な援助は必要になるからです。

「奨学金がおりた段階で親に相談したら反対された…」なんてことになったら、取り返しがつかないですし、ものすごい喪失感に襲われそうです。

親に相談しにくいということも想像できます。おそらく、9割以上の親御さんが「とりあえず日本の大学に行った方がいいんじゃない?」と提案してくると思います。

反対されると思うと、相談する一歩が踏み出しにくいですよね。それでも「海外に進学したい!」という確固たる思いがあるなら、その思いを打ち明けるべきです。

思いを打ち明ける時に重要なことは、自分に海外進学という投資をしたらいったい親御さんにはどんあリターン(メリット)があるのかを具体的に伝える様にしておくことです。

「日本の大学にした方がいい!」という意見の奥底には、親御さんはその選択肢の方がリターンがあるという前提の思いがあります。その前提を打ち消すために、説得力のあるプレゼンができるように準備しましょう。

そして海外進学を認めてくれた時は、自分の言葉に責任を持ちましょうね。途中で投げ出さず、自分の意思決定ときちんと向き合いましょう。

自分で調べてみよう

今の時代グーグルさんで検索すれば、大抵の情報が出てきます。分からないことがあったら、まずは自分の力で調べてみましょう。

なぜなら、全ての大学が求めている人材は「自分で課題解決ができる人」だからです。更に厳しいことをいうと、自分で情報を調べる習慣がない人が海外の大学に行くと、大量の課題を消化しきれず単位をほぼ確実に落します。

人を頼ることは悪いことではありません。だけど、自分が楽をするために人に頼るのでは話が別です。

海外大学の入学要件は、当たり前ですが大学ごとに違います。直接英語で情報を得ることに慣れておきましょう。

「大学名」「International Student」「Entry(Admission) Requirement  」と検索すれば大抵の情報は1ページ目に出てきますので。

相談を受けて本当に海外に行った生徒の話

こうやって毎回アドバイスをしていますが、おそらく9割以上の人は実際に行動に移せません。何となくですが、相談にくる人はみんな自分の考えを肯定してもらいたいという気持ちが強いからだと思います。

そんな中で、アドバイス通りに本当に海外に行ってみた生徒がいました。

彼女は元々アメリカに進学したかったようですが、話を聞いてみるとどうもアメリカの大学じゃなくても良さそうだったので、やりたいこととすり合わせてマレーシアの大学を勧めてみました。

そして「実際にマレーシアに行ってみたらどうですか?」とアドバイスをしました。

そのアドバイスの2週間後に、彼女は両親とマレーシアに実際に行って、自分の足でマレーシアの大学を一つずつ回ったそうです。

そして大学に関する説明をアドミッションオフィス(入試担当)で聞いてみたところ、その場で入学試験を受けさせてもらい見事合格。

帰国後には「いろんな価値観がミックスしていてすごく刺激的な国でした!マレーシアの大学に進学します!」と連絡をくれました。

今もたまに連絡をくれますが、とても充実したカレッジ・ライフを満喫している様です。

何が起こるか分からないものですね。

最後に:経験の価値は自分で決める

経験の良し悪しは相対的ではなく、絶対的です。何かというと、経験とは誰かと比較して「あぁ自分の経験はこの人の経験よりもいいな」というものではなく、「自分はこの経験が絶対いいと思う」と自分自身で価値をつけるものです。

よく「あの失敗があったから今の自分がいる」「あの時あのとんでもない思いをしてなかったら今も昔のまま」という経験談をきくことがありますよね。

失敗も自分の捉え方次第では良い経験になって、後の糧になります。

何が言いたいのかというと「日本の大学に行く意味を感じない」という直感もあっているのと思うのですが、「意味を感じるように行動をする」ということも大事だと思います。

海外に行ったら辛いことも当然ありますし、もしかしたら就職の時に不利に感じて「日本の大学に行っておけばよかった…」と感じるかもしれません。

だけどそこで後悔するか、その経験を乗り越えるかは自分の考え方と行動次第でどうにでもなると思います。

自分の人生を決めるのは、他の誰でもなく自分自身ということですね。

海外進学や英語の勉強について、なにか本当に分からないことがあれば教えてください。力になれるかもです!

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