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ポストコロナ中国企業の「今」

どうも、YJキャピタルの李路成です。

ポストコロナ中国においてどのような変化があったかは私を含めてたくさんの方が気になるところです。親族に聞くとほとんど日常に戻っていますが、第二波を懸念してやはり慎重に、厳格に個人個人が衛生を管理しているそうです。

ところで企業もたくさんの変化と直面していまして、伸びる業界と伸びない業界があり明暗は分けられています。この記事はたくさんのレポートがまとめたコロナウィルスの影響を抜粋し、今の状況をお伝えできればと思います。

1、コロナウィルス マクロ的な影響

2003年は中国の高速経済成長にあり、SARS前のGDP成長率は10.8%、SARS中は9.7%。その後は速やかに回復し再び高速成長の軌道に戻りました。しかし、2020年は米中貿易戦など複数の要素が相まって成長スピードが緩やかな時期にあり、GDPの戻り値予想は悲観的です。

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理由として第三次産業は2003年よりシェアが大きくなっていて、ロックダウンにより、影響されやすいからだと言われています。

また、中小の企業は一番影響を受けており、特に飲食業は外出制限や春節特需に備えた平時より多い在庫という二重苦を抱えている状況です。とても苦しい状況と言っても過言ではありません。

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→中小企業が残るランウェー

※「中欧商業評論」朱武祥

調査によると9.96%の企業しか6ヶ月以上のキャッシュフローを維持できていません。

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→コロナウィルスが売り上げに対する影響

合計58.05%以上の企業は対計画売上▲20%以上の見立てをしています。

2、各業界の影響や現状

ご周知の通りZOOMを筆頭とする遠隔ワークサポートツールは追い風となり、たくさんのオフラインイベントや日々のアクションはオンラインに移り変わっています。ただし、業界別で見ると一過性の物もあれば、根本的に構造変化する物もあります。

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 2.1オンライン教育

突如にやってくるコロナに対して2月中旬に学期を始める予定していた学校は開校を再三延期しました。結果、オンラインで教育をやらざるを得ない状況にありました。元々、オンラインにビジネスを展開していた学歴教育以外の教育機構は従来よりはるかに低い顧客獲得単価でユーザーを獲得できてました。

また、ブルーオーシャンと言われるtier2~3都市のオンライン教育ユーザーもかなりシェアをあげました。「学而思」というサービスのtier2~3都市デバイス起動率は31.3%から44%まで増加しました。そのおかげで非学歴教育全体のオンライン浸透率は2022年に15.7%になるそうです。

現在ポストコロナの時代を迎えてオフライン教育は戻りつつありますが、小さい頃から「ネットで授業を受けられる」という基礎意識を心に刻んでおくと、どんどん習慣は変わっていくと予測できます。また、急な対応に追えなかった中小教育機構はコスト圧迫や集客困難の難しい局面に解を見出さざるを得なく、長らく苦境に立ってしまいそうです。

 2.2在宅ワークツール

IMのDINGDINGや企業用Wechatはもちろん、タスク管理ツールやオンラインセールス、オンライン人事管理、企業向けドライブも伸びています。まだSaaS化率が低い、且つローカル化したツールの出現も最近であるといった原因があり、コロナを機に大いに伸びそうです。

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iResearchのデータによると仕事効率化系ツールはコロナ前後比でアクティブデバイス数が72.2%も増加していました。

贅言はいらないかもしれませんが、人々の仕事スタイルは変わっていく中で、在宅ワークツールは引き続き重役を果たすのではないでしょうか。

 2.3生鮮EC

生鮮ECとは果物、野菜、肉類をおうちまで届くサービスですが、ビジネスの形態は少し日本と違う部分があります。中国住民生活区域は「団地」のような概念が存在し、「団地」ごとに壁が建てられ、「小生活区域=小区」と呼びます。生鮮ECをはじめデリバリーや運輸など、「小区」を単位にしてサービスを展開しています。生鮮ECも1小区もしくは複数の小区ごとに小さな配送センターを立ち上げて、より地域に密着していて、生鮮の配送だけをやるコンビニのような感覚です

生鮮ECは2020年旧正月期間ビフォーアフターのアクティブデバイス伸び率は2019年より20%も増加しています。

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さらに、各々のサービスも顕著にGMVを増加させています。

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食糧をきちんと無接触で届いていったり、新鮮度を保てたりなどを工夫し、どこもいけない状況下に置かれた人々に心を慰めるような存在でした。

しかし、生鮮ECの課題はこの状況でも未解決のままです。

・生鮮商品は標準化しにくい

・運輸プロセスにおいての消耗が大きい

・オフラインで生鮮を買う習慣は根強い

コロナとはいえどこも儲かっていないのが事実です。なので、誰がいち早く黒字化できるビジネスモデルを模索できるのかは生鮮EC競争の要になります。

 2.4オンライン診療&ヘルスケア

オンライン診療やネットのヘルスケア系企業は最も風に乗ったと言えるのではないでしょうか。まず政策面はいち早く青信号を出しました。

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ですから、政府機関、医療機構、民間企業三方向によるオンライン診療の加速に合意を達し、コロナウィルスマップ、病院の空き具合確認、オンライン受付、処方箋購入、新型コロナに関するデマ潰しなど絶対必要な機能を迅速に開発しました。



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※図はアプリ「丁香医生」。

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※各地域感染状況

その結果、ユーザーも喜ぶ、しっかり課題を解決できる局面を作れたじゃないかと思います。

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中国の一般市民の三大課題は:食、住、医療と言われ、毎年の全人代で議論されます。(また今度その話をします。)そして医療難問題はこのきっかけで変革の時代になりつつあると感じました。

ちなみに僕自身も新型コロナウィルス 期間中オンライン診療(コロナではない~_~;)を体験してみましたが、一回1000円ぐらいの受診料を払い、信頼できそうな医師に自分の気になる症状を述べ、早速15分後にも先生から返信が来ました。そして2〜3回のやりとりで自分の症状を特定し、次の処置を議論できました。もちろん大きな病気には適切なソリューションかどうかはあると思いますが、日々気になることだけど病院に行って1時間ほど並ぶものではないならとても社会的生産性をあげるソリューションと思いました。

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 2.5ライブコマース

2020年は間違いなく中国ライブコマースが爆発する一年になります。アリババのライブ配信をはじめ、Tiktok中国版、快手(KUAI)、拼多多(Pinduoduo)などECのメインプレイヤーどれもライブコマースに賭けています。

以下タオバオが出した2020ライブコマースのレポートです。

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GMVが対前年度+150%特にQ4(新型コロナウィルス期間)伸びは高いです。

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図の通り、商品も増えているし、視聴時間も長くなっています。

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そして、2月タオバオの新規店舗数は1月より+719%も増加しました。

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他も各プラットホームは戦略に沿って対策を行い、新常態に向けて前進しています。ただ、ライブコマースはなかなか中国以外の地域に成功事例見られないのですが、別の記事でその原因を分析してみたいと考えております。

 2.6オンライン広告

オンライン広告業界はマイナスの影響を受けていると考えます

理由は2つあると思います。

1、在宅による間暇時間の増加。従来そこまでネットで生活習慣を築いてこなかった人もやり始め、ネットの浸透率が深まった。そして、広告主にとって獲得単価は低くなった。

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※図はソーシャルアプリ、ショートビデオアプリ、ロングビデオアプリ、それぞれ2020年が2019年に対する旧正月対前先週増加幅の比較です

2、広告主の本体事業は平時と同じく伸びず、マーケ費用を削りがちで、プラットホームの収入は減る方向になった。

結果として中国においてあまり話題にならないパフォーマンス広告は主流になるトレンドが来そうと言われています。

 2.7飲食、ホテル

前回書いた美団に関する記事は飲食業界の実態を少し披露していたと思います。

https://note.com/mcromance/n/n60ada6a53f52


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デリバリー企業に対する喧々轟々になっているのですが、外食は今回デリバリー企業によって大いに助けてもらったのも事実です。宅配置きなどといった衛生面の工夫でデリバリーによる売上の最大化を目指していました。

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ただ、外食産業は一番打撃をうける産業ではあるものの、一番早く回復する業界でもある。Wechatと美団が統合発表した「ゴールデンウィーク 消費レポート」によると、オフライン飲食支払い金額は3月と比べて+447%、中心部の武漢でも夜食消費金額は+270%です。

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人々のライフスタイルは変わっていくのだが、食べる、食を楽しむことは変わらないものですから。すぐに元気は帰ってくるでしょう。

一方ホテル旅行分野は一番リアル世界と密接する領域であり、外出制限の影響は壊滅的だっだです。各プラットホームは対応しようがない中、やはり大手や中堅の会社が生き延びる構造になっています。

今外出制限が解禁された状況で、飲食と同じように国内旅行に関する消費が蘇つつあります。美団研究院のデータによると、96%の旅先は営業再開、80.1%のホテルも客入れし始めています。ただ、やはりクラスター感染の恐れがあるので、マスクの装着、公共施設の消毒、予約入場、健康コードの管理は徹底される必要と思われます。(公共施設衛生管理方法の変化もまた別途の記事でお伝えできればと思います。)

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3、ポストコロナのライフ

ポストコロナ時代は誰もが欲しい理想的なライフスタイルチェンジはないだろう。それでも自分が思うままに生活環境を築くのである。誰かが「このように生きてください」ではなく、「俺はこのように生きていきたいんだ」と自己定義しなければいけません。各々の会社、スタートアップ、起業家のタマゴもこれからの時代は何をやったら人々が今までない「これが欲しかった」というようなサービスを再度考案しなければいけないのです

未来を予測する最善の方法は未来を作ることだ、アランケイこのように曰く。近代において最も影響力の大きい伝染病コロナウィルスと共存していく状況では我々は何をすべき、どう変わっていくのかって誰も解を持っていませんため、「我こそ」という時代にまさに変貌しにいっているなのではないでしょうか。そして、この記事は少し考えるきっかけになれば幸いです。

長文駄文を最後まで読んでいただきありがとうございます。ご指摘などございましたらぜひお願いいたします。

起業相談もぜひともよろしくお願いいたします。

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https://twitter.com/mishimayutoufu


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この間読んだ中国ポストコロナに関する記事とても参考になると思ったので、同時に貼っておきます。ぜひご一読を

【実録】中国は「ポストコロナ」が始まった

参考文献

1、对比2003年非典,2020年疫情下中国经济将何去何从?ー任泽平

2、疫情突袭后,在线教育翻身

2、疫情突袭后,在线教育翻身

3、「2020タオバオライブコマース経済圏レポート」 2020/3/31

4、「コロナウィルス による外食産業の影響レポート」

https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/cn/Documents/consumer-business/deloitte-cn-cb-new-pattern-of-cartering-consumption-zh-200327.pdf

5、「ポストコロナ時代外食産業の回復状況調査」

6、「ゴールデンウィーク 消費レポート」

7、「美団研究院ー2020ゴールデンウィーク消費回復レポート」

http://www.199it.com/archives/1046322.html


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