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貸したお金を弁護士の僕ならどうやって返してもらうか-9(大事な約束は直接会って話す)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:貸した金を返してもらう 】

今日も引き続き「貸したお金を返してもらう」についてお話していきます。

さて、昨日の話だと、僕は「準消費貸借」を成立させる目的で、キャバ嬢にLINEしました。

「準消費貸借」にもいろいろとあるんですが、今回は、僕がいつどれくらいの現金をキャバ嬢に渡したのか立証するのが難しそうなので、各貸付けをまとめて1つの貸付けに切り替える、という準消費貸借を成立させようとしています。

ただ、そのためには、改めて、「各貸付けを1つにまとめる」という約束(契約)が必要になってくるので、その約束を取り付けるために、キャバ嬢にLINEしました。

この約束が簡単に取り付けることができれば話は早いんですが、なかなかそうはいきません。

さて、僕は、こんなメッセージを送りました。

「この前は、ごめんなさい。お母さんが大変で、○○ちゃんも不安なときに、僕も○○ちゃんを不安にさせるような言葉を送ってしまいました。僕も、○○ちゃんのお母さんが早く元気になってほしいと思っているので、できる限りのことはしたいと思っています。」

「もし、このメッセージを見てくれたら、返答してほしいです」

これに対して、キャバ嬢はどんな返答をしてくるでしょうか。

もちろん、一切返答がない可能性もあります。そうなると、「準消費貸借」の成立を根拠に返済を求めることはできないので、各貸付けを1つずつ立証していくことになります。

現金を渡した日時や場所、金額を1つずつ「立証」する、つまり、裁判官から見ても、「貸したのは間違いないな」と思わせる作業が必要になります。

しかし、現金を渡したことを1つずつ立証するのはかなり難しいと思います。現金を渡した証拠が、預金口座の引出履歴だけだと、立証はほぼ不可能でしょう。

というのも、生活費として使うために預金を引き出すこともあるわけで、しかも、引き出した現金のうち、どれくらいをキャバ嬢に渡したのかも定かではありませんし、引き出したその日に渡したのかも不確かです。

LINEのメッセージなどで、現金を渡したことや、渡した金額が明確になっていれば、立証も可能かもしれません。

このように、預金の引出履歴にプラスして、他の証拠で補強できれば、1つずつ貸付けを立証することもできることもあるでしょう。

しかし、カッコつけていた僕は、お金の問題を女々しくLINEのメッセージで残したくなかったので、貸した金額をあえて書かなかったり、そもそも貸したことに触れていなかったりして、LINEのメッセージ履歴は全く役に立ちません。

だからこそ、個々の貸付けを1つずつ立証していくのはかなりの無理ゲーだと思い、新たに準消費貸借を成立させようと、キャバ嬢にLINEしたのでした。

この僕からのLINEに対し、運良くキャバ嬢から返答がありました。

「ちゃんと反省してる?私、本当に傷ついたんだけど」

おっと、かなりつっけんどんな感じはありますが、返答した上で、僕が反省したらまた関係を修復してくれそうな匂いはあります。

「ごめんなさい。本当に反省しています。大変なときに、さらに不安を膨らませてしまいました」

「あのあと、お母さんの病状も回復していなくて、いろんな支払いもたまっているから、前に言った10万円じゃなくて、20万円くらい必要なんだけど」

おっと、金額を増やしてきました。まだ警戒はしているようですが、金額を増やした上で、忠誠度を測ろうとしているのかもしれません。

「あ、そうなんだね。わかった、用意しとくよ。また現金で渡せばいいかな?」

「うん、そのほうが助かる」

「じゃあ、どうしようか。どこか食事でも行く?」

「そうしよー。いつもの焼肉がいいなー!」

「りょーかい。予約しとくよ。今週金曜日の午後6時はどう?」

「あ、ちょうど空いてるー。じゃあ、そこで」

「おけですー」

さて、結局、デートの約束を取り付けただけになってしまいました(汗)。

このやり取りだけだと、準消費貸借は全く成立していません。また金をせびられただけですが、僕だったら、「肉を切らせて骨を断つ」の精神で、もう20万円の出費は覚悟します。

そして、「準消費貸借」の成立は、次のデートに賭けます。おそらく、LINEで、「残金が○○円残っているけど、それはいつまでに返済してもらえるの?」という話をしてしまうと、警戒されてしまいます。

で、警戒されて、LINEをブロックなんかされてしまうと、もはや望みは完全に断たれてしまいます。これだけは避けなきゃいけません。

だから、僕だったら、返済の約束は、直接会って話します。直接会って話したほうが、細かいニュアンスなんかも伝わりますし、相手も話し合いを拒否できません。

しかも、その場でお金を貸している(相手からすると「借りている」)のですから、返済期限や返済額について話すのも自然です。

「急がば回れ」です。

この現金20万円を渡せば、「残金が○○円なんだけど、返済期限はどうする?」という話もしやすくなります。

それに、「今日渡した20万円はあげるから、それを差し引くと残りは○○円になるよ」なんていう、お得プランを提示することもできます。

借金体質の人は、とにかく、返済額や返済期限の話に敏感で、この話をした途端に警戒してきます。

なるべく警戒心を解いた上で、返済額や返済期限の話を拒否できない状況に追い込み、とはいえ、もちろん下手に出て話し合いを進める。

これが、準消費貸借を成立させるためには大切だと思います。

僕は、運良くデートの約束(僕にとっては、準消費貸借を成立させる勝負のデートです)を取り付けることができました。

明日は、このデートで準消費貸借を成立させるためのトークについてお話したいと思います。

それではまた明日!・・・↓

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