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少年審判について書こうとしたら民事上の損害賠償責任について書いてました。

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【 今日のトピック:子どもの民事責任 】

少年法では、19歳までの人を「少年」と呼びます。

男性でも女性でも、0歳でも、少年法では「少年」と呼びます。

まあ、少年法は、ざっくり言えば、「悪い事した少年」を対象としているので、乳児(2歳まで)に適用されることはまずないので、「0歳も少年に含まれる!」と強調してもあんまり意味はありません。

さて、「悪い事した」というのも、なんかざっくりしていてよくわからないので、もう少し詳しく書きます。

少年法が適用されるのは、以下の3種類です。

・犯罪少年(14歳以上)
・触法少年(13歳以下)
・虞犯少年(17歳以下)

この3種類です。

犯罪少年は14歳以上しかあり得ず、触法少年も13歳以下しかありえません。

(すみません、虞犯少年(ぐはんしょうねん)については明日説明します汗)

というのも、犯罪は犯行の瞬間に14歳以上でなければ成立しないからです。

だから、13歳未満の人間は、人を殺そうが放火しようが、犯罪者になることはありません。

だから、死刑や懲役などの刑罰を受けることもありません。

犯行時に13歳以下であれば、時が経って14歳になろうが、18歳になろうが、20歳になろうが、後付けで刑罰を加えることもできません。

13歳以下の人間に犯罪が成立しないのは、刑法にそう書かれているからなんですが、とはいえ、犯罪が成立しない=何の手当もない、かというと、そうではありません。

例えば、13歳未満の人間が人を殺した場合であっても、民事上の損害賠償責任は負います。

ただ、民法には「責任能力」という概念があって、責任能力がない人(「責任無能力者」)は、何をしようが不法行為責任を負いません。

だから、責任無能力者が人を殺した場合、被害者遺族は、その殺人者に対して、損害賠償を請求できません。

しかし、その場合も、責任無能力者を監督する法的の義務を負う者(親権者がいれば親権者、親権者がいなければ、未成年後見人や、未成年後見人が選任されるまでの間は、児童相談所長やその子が入所している施設の長)が、殺人者に代わって、被害者に対し損害を賠償する必要があります。

民事上の責任能力は、だいたい、10歳~11歳くらいで備わると解釈されていますが、それは目安でしかありません。

実際にどんな事件が起きたのか、その全容をきちんと把握して、その事件の責任を子ども自身が負うことができるのかを丁寧に見ていって初めてわかります。

最終的に判断を下すのは裁判所です。

実際のところは、子どもが事件を起こした場合に被害者はどういう風に損害賠償を請求するかというと、

①子どもが責任無能力者であることを前提に、親権者に対して損害賠償を請求する
②仮に子どもに責任能力があるとしても、親権者に過失があり、その過失によって被害が発生した

という2本立てで損害賠償を請求するでしょう。

責任無能力であることが立証できれば、親権者が損害賠償を回避することはかなり難しくなります。

逆に、子どもの責任無能力を立証できなければ、親権者の過失を立証する必要があり、損害賠償のハードルはそれなりに高くなるでしょう。

なんか、少年審判について説明しようとしていたら、少年に対する民事上の損害賠償について書いてしまいました汗。

結局、民事上は、

・責任能力があれば少年本人が賠償する
・責任無能力者なら親が賠償する

というのが、法的な結論です。

もっとも、責任能力があるとしても、子どもにお金なんてないので、親に支払ってもらう必要がありますが、あくまで法的な結論だけを言えば、親は、自分に過失がない限り、子どもに代わって損害賠償の責任を負うことはありません。

「子どもに代わって親が払うもんだろ」という考えも、僕はわからなくはないのですが、それが法的に通用するのは、あくまで子どもが責任無能力者である場合だけです。

子どもが責任能力を備えていれば、親は過失がない限り、子どもに代わって被害弁償する必要はありません。

なんか今日は無機質な内容となってしまいましたが、法的な結論を今日は書いてみました。

それではまた明日!・・・↓

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