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貸したお金を弁護士の僕ならどうやって返してもらうか-8(返済約束を取り付けるためにLINEする)
【 自己紹介 】
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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。
僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。
ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。
あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。
ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。
【 今日のトピック:貸した金を返してもらう 】
今日も引き続き「貸したお金を返してもらう」についてお話していきます。
さて、昨日は、「準消費貸借」について説明しました。
昨日説明し忘れていましたが、お金を貸すことを「消費貸借」と言います。
(正確に言えば、お金以外でも消費貸借は成立するので、お金の貸付けは「金銭消費貸借」と呼ばれます。お金以外の消費貸借としては、例えば、小麦粉とかお米なんかがあります。借りた小麦粉とかお米を、商売のためや自分で食べるために使って、後で自分で調達してきて返すわけです。ただ、お金以外の「消費貸借」は今ではほとんどないと思います。)
「消費貸借」だと、
・後日返済する約束
・お金を渡したこと
この2つを立証しなきゃいけませんが、「準消費貸借」だと、「お金を渡したこと」の立証は不要になります。
「残金として○○円の返済が残っている」という約束を取り付ければ、それだけで、法的には返済を請求することができるようになります。
あと、一応言っておきますが、このブログでは、手っ取り早くお金を返してもらう方法は説明しません。というか、できません。僕が知らないからです。
「こういう言葉を使えば相手は返済したくなる」とか、そういったノウハウは弁護士の出る幕ではありません。
というか、僕としては、そういったノウハウは害悪とさえ思っています。
弁護士ふぜいが、世の中を理解した気になって、ほんの少しの経験のみを根拠に(多くの弁護士は、たった数件の案件を処理しただけで、十分に経験を積んだと誤信しています)、「こういうふうに言えば効果的なんですよ」と偉そうに言うのは、傲慢この上ないと僕は思います。
世の中は、そのへんの弁護士が知っているよりもはるかに複雑です。それを、弁護士は肝に銘じなきゃいけません。
僕ら弁護士は、ちょっと人より勉強の才能があって、そのおかげで司法試験に合格し、自分が仕事として処理した案件について経験を積んだだけです。
それだけの人です。世の中のことなんて何も知りません。
経験だけで知った気になっている人は特にマズい。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉は真理だと僕は思っています。
特に、時代の変化が早い現代はそうです。
これまでの日本社会は、経験が尊重されてきて、実際に経験が活用されてうまく行ってきたケースが多いと思いますが、今は違います。
謙虚に歴史に学びましょう。つまり、読書しましょうということです。
自分の経験ほど、狭い範囲の出来事はありません。それを一般化するなんて、よくよく考えれば、愚の骨頂です。
しかし、弁護士は経験をアテにする人が多い。それはよくありません。
弁護士は、本当に責任が重たい仕事です。にもかかわらず、経験をアテにするという、マズい考えを持った人が多い。
その結果、愚の骨頂を繰り返してしまうわけですが、それだと失敗するので、結局何が出来上がるかというと、責任逃れが上手なオジサン(またはオバサン)です。
僕は、そんなオジサンにはなりたくありません。仕事は経験として蓄積しながらも、きちんと読書して(読書は楽しいので別に努力しなくても読書はできます)、少しずつ世界のことを学びながら、責任から逃れない弁護士になりたいと思います。
さてさて、脱線が過ぎましたが、じゃあ、こんなことをのたまっている僕が、昨日のブログの続きとして、「準消費貸借」を成立させるために、どんなLINEを送るでしょうか。
僕だったら、相手の警戒心を解いて安心させるために、LINEを再開した理由をきちんと書いた上で、謝ります。
例えば、
「この前は、ごめんなさい。お母さんが大変で、○○ちゃんも不安なときに、僕も○○ちゃんを不安にさせるような言葉を送ってしまいました。僕も、○○ちゃんのお母さんが早く元気になってほしいと思っているので、できる限りのことはしたいと思っています。」
こんなことを送ります。そして、
「もし、このメッセージを見てくれたら、返答してほしいです」
と続けます。
ここで返答がなければ、ジ・エンドです。諦めるしかありません。
まず、そもそも、訴訟を提起して返済を求める場合、キャバ嬢の住所と本名が必要です。住所と本名も知らないまま連絡がとれなくなってしまうと(例えば、勤めていたキャバクラも辞めて、住所も知らない場合)、もう、訴訟提起は不可能です。
興信所(探偵)に、所在調査を依頼してもいいかもしれませんが、どこに出没するかもわからないとなると、探偵も、どこに張り込んだらいいかわからないので、調査しようがありません。
しらみつぶしに所在調査を依頼すると、天文学的な金額が必要となってくるので、意味がありません。
だから、本名と住所を知っていることも、かなり大切です。
今回の例で、僕は、本名と住所も知らないことにしましょう。そうすると、僕は、本名すら知らない女性に、500万円も渡したことになります。
なんというか、本当に「恋は盲目」ですね(汗)。何も見えなくなってしまいます。
そうすると、僕は、返済の約束を取り付けるとともに、本名と住所を特定する必要があります。
めちゃくちゃな無理ゲーに思えてきました(汗)。既に関係が悪くなっているところから、
・本名の特定
・住所の特定
・返済約束の取り付け
これをやんなきゃいけません。
しかし、本名と住所は、電話番号から特定することが可能です。というのも、弁護会を通じて、各携帯電話会社に照会をかけることができて、照会を受けた携帯電話会社は、契約者の氏名と住所を開示するからです。
だから、僕がやんなきゃいけないのは、「返済約束の取り付け」、ここです。
そして、僕は、少しは頭が回っていたのか、お金を最初に貸したとき、お金を渡す前に、「お店のスマホのままじゃ、なんか、客とキャバ嬢の関係だけど、お金を貸すのは客とキャバ嬢の関係は超えていると思う」という理由で、個人のスマホの番号を聞き出すことに成功していました。
その番号で、LINEを検索し、やり取りしていたのです。
だから、携帯電話番号は登録済みで、知っています。
とはいえ、このままだと、貸したことを立証できないという理由で弁護士に依頼を断られてしまいそうなので(依頼を断られてしまうと、弁護士を通じて携帯電話会社に照会することはできません。照会できるのは、あくまで弁護士であって、依頼者本人ではないのです)、貸したこと(準消費貸借)を立証できるだけの証拠を確保しなきゃいけません。
その証拠を確保するために、僕なら、↑のように、とにかく下手に出ます。というか、「できる限り」という感じで、ぼやかしましたが、要は、「お金貸すよ」ということを匂わせて、相手をおびき出すのです。
このキャバ嬢は、間違いなく慢性的にカネ不足です。だから、常に金づるを求めています。
そして、僕は、これまで強く返済を求めてこなかったので、それなりに良い金づるだったはずです。それなりに良い金づるが、自ら「お金貸すよ」と言ってきたのですから、このエサは、キャバ嬢にとっては魅力的に映るはずです。
このエサに、キャバ嬢が食いついてきたところから(という設定で)、明日は話を始めます。
それではまた明日!・・・↓
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