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土地にはお隣さんがくっついてくる

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このブログでは、2019年7月にうつ病を発症し、それをきっかけに同年12月からブログを始めて、それ以降、700日以上毎日ブログ更新してきた、しがないサラリーマン弁護士である僕が、日々考えていることを綴っています。

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【 今日のトピック:隣地 】

「お隣同士は仲が悪い」

これは、定住社会の鉄則です。ご近所さん同士から、国家間まで、スケールの大きい・小さいに関わらず、この鉄則は当てはまります。

フランスとドイツが仲悪いのと、隣り合って住んでいる田中さんと鈴木さんが仲悪いのは、全く同じ理由です。

特に日本には平野が少なく、狭い平野地域に密集して人々が暮らしているので、お隣同士が紛争になりやすいです。

民法にも、お隣同士に関する条文が、かなりたくさんあります。

例えば↓

(境界標の設置及び保存の費用)

第224条 境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。

ちょっとわかりにくいですが、「境界標」は、杭(くい)です。境界線を示すために、地面に杭が打ち込んであるの、見たことありませんか?

ちょっと近くの地面を見てみてください。杭が打ち込んであると思います。

その杭が「境界標(きょうかいびょう)」です。その設置及び保存に必要な費用は、相隣者が等しい割合で負担すると民法に書いてあるということは、お隣同士で半分ずつ、杭を打ち込む費用及び打ち込んだ後に必要となる杭の維持費用を分担しなきゃいけない、ということです。

お隣同士が2人ではなく3人であれば、3人で3等分します。

で、「ただし」以降には(「ただし」以降の記載を、法律業界では「ただし書き」と呼んでいます)、「測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する」と書かれています。

「測量」というのは、土地の形を決める作業です。

地球上の、どの地点からどの地点を結ぶ直線が、どの土地をどの土地を区分けしているのか。それを決めるのが「測量」で、この「測量」によって土地の面積が決まります。

法務局は、土地の面積も管理していますが、この面積に基づいて、固定資産税額が算定されています。

だから、土地の面積は、課税される場面では狭いほうがいいんです。しかし、土地を売る場合は、広いほうがいいです。

土地の価格って、坪単価×面積で決めますからね。

さて、いろいろと書きましたが、結局言いたいのは、こんな細かいことを、わざわざ民法で書かなきゃいけないほど、お隣同士は土地絡みで紛争になりやすい、ということです。

となると、お隣同士で紛争になることを、ある程度覚悟して土地を買う必要がある、ということになると思います。

境界の話だけでなく、騒音問題もあります。

騒音が問題になりやすいのは、一戸建てではなく、マンションやアパートですが、一戸建て同士でも、騒音問題は起きます。

それと、日照ですね。お隣、特に南側に家が建つと、日当たりがぐっと悪くなります。

日当たりが悪くなったとしても、南側土地に建てた家を壊せと請求することはまずできませんし、慰謝料がもらえるケースも、かなり限られています。

本当は、南側が道路に面している土地を買うのが、マイホーム用の土地としてはいちばんいいんですけどね。

あとは、思い切って、南側の隣地を買っちゃうのもアリだと思います。

昔から、「隣地は倍出してでも買え」と言われていますが、これは、主な理由としては「土地が広くなって価値が上がるから」という点なんですが、他にも、南側隣地を購入した場合は、日当たりを遮られずに済むという意味もあります。

歴史を少し振り返れば、「お隣同士がモメる」というのは、かなり一般的な法則とすぐに学べるんですが、どうも、土地を買う前に、その法則に思い至っている人が少ない気がします。

「じゃあ、事前にお隣さんがどんな人か確認しておこう」ということでもありません。実際に住むまで、お隣さんの本性はわかりません。

住む前に把握したお隣さん情報は無意味です。

「なんか普通な感じのお隣さんだったから大丈夫」と思うのは安易だと思います。

それよりも、「お隣同士でモメることもあるよね」というスタンスで購入したほうがいいです。そうすれば、トラブルが起きないなら「ラッキー」ですし、トラブルが起きても「案の定」で、必要以上にストレスに感じなくて済みます。

お隣同士のトラブルは、本当にいろんな種類があります。「近隣トラブル」と言って相談する人も多いですが、それだけでは、法的にどんなトラブルなのか全くわかりません。

「近隣トラブル」が起きたら、お近くの弁護士にご相談ください。

それではまた明日!・・・↓

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