その目の先にポラリス

さて、Base Ball Bearの2年ぶりの新曲たちの感想を書きます。好きなところと思いつきをだだーっと、だだだーっと。

1.試される

昨年の結成記念日、名古屋で初披露された曲ですね。Base Ball Bearが織り成す「ボーイミーツガール」の新しい扉は、ミステリーでサスペンスな世界へと繋がっていたようです。孤島の館で繰り広げられる騙し合いと、麗しい黒髪を纏うキミ。でもこのくらい切羽詰まってると、この子だけは守り抜くぜ!というような純粋で少しカッコ悪い恋愛の感覚が芽生えちゃいますよね…(笑)

特に好きなのはラスサビで小出さんの声がシャープしちゃうところですね。こういうの歌わせると本当に一流というか、外れないですよね…。弾きながら歌われるのはずーっと、ですが。光源のころはボーカルの位置や歌い方に試行錯誤があったかなと思っていて。今作はその頃よりボーカルの安定感が増していて良いです。

2.Flame

今回MVも製作された曲です。ほの温かい声とノスタルジーなメロディ、途中の一見真逆なシャープさを纏うギターソロが特徴的ですね。

誰にでもある悲しみってなんなんだろうな、そんなことに想いを巡らせるなかで、今回は誕生日をモチーフに歌詞を書かれています。Base Ball Bearで繰り返し用いられるモチーフといえば「檸檬」「ボーイミーツガール」「バンド」などがありますが、誕生日もまた頻繁に用いられるかと思います。少女と鵺しかり、スイミングガールしかり、HUMANしかり。

この曲では、そこまで守ってきた火を消すことで、整えてきた枠を壊すことで新しい何かを始めていくし、始まっていくようです。その像や景色は変わらずくっきりと映像的ですが、これまでのBase Ball Bearだと、しっかりと小出さんの世界で描かれていたかなと思いますが、今回は聞き手の世界のものをFlameという箱の中に呼び起こして、景色が完成するような感覚です。

3.PARK

とうとう出た、小出さんのラップがフューチャーされた曲。illさんとの歌ってるんだbabyやido、最近ではThe Cutを一人でやるなど、随所で披露されてきましたが、ついにBase Ball Bear単体の曲として完成したようです。

ギターが効果音のように鳴り響くなか、ゴリっとしたベースのスピードでうねうねと突き進む曲です。歌詞はかなり現実的な社会風刺となっていて、ラップという手法を最大限丁寧に用いられたみたいですね。痛烈な社会風刺は「それって、for誰?」part.1など、C2期に濃く表れた表現でしたが、ラップってのは、ヒップホップってのは言葉数とメロディを合わせやすい形なのかな。その違いも定かじゃないので、少し学んでみたい世界ですね。

4.ポラリス

作品タイトルでもある楽曲。Base Ball Bear初となるメンバーそれぞれのソロの歌回しと、3に纏わる小出さんの趣味趣向が凝らされた歌詞!恐ろしいこだわりです、集約されたことが奇跡だ…。

ネタが豊富なのでそれはそれぞれで調べて頂くとして(笑)特に好きなのは
「グーチョキパーで ずっとあいこだね 探さなくていい DAKYOU POINTS One&Two&Threeで また駆け上がって 次のパート」
の部分です。

きっとこれまでに楽曲制作のなかでは喧嘩も、それぞれのパートとしての葛藤もあったと思います。cypress girlのころには関根さんに「埼玉帰れ!」と言う言葉が出たり、明かされてないものの、湯浅さんが居なくなったようにすれ違いも経験したバンドです。それが17年経って、妥協点は探さずに、でもまた駆け上がるというのは、長年応援させてもらってるなかで非常に刺さる部分でした。趣味嗜好だけじゃなく、今と未来を歌う新たなBase Ball Bearを歌う曲ですね。

個人的に、本日Base Ball Bear岡山公演に参加するってので、今のうちにと思い(笑)だだだーっと書きました。ライブ音源や新しい17才も収録された非常に楽しいEpです。皆さまもぜひ!

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