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2020 ACL GL 3&4secマリノス VS上海上港 プレビュー

舞台は、日本からアジアへ。いよいよ再開したACL東地区。
クラブワールドカップを来年の2月にやるとかやらないとか。つまり、世界に続く大会としての価値を、再び持った大会です。
『Keep Sail Together!』
広い海原へ、共に航海を続けるために私達は勝ちぬくのです。

1,ACLに向けて(今回のみ)

私が思うに、このコンペティションは、タイトル獲得の大きなチャンスだと思っています。
マリノスが勝ちぬく要素は揃っています。

①ドーハで短期集中型のセントラル開催
例年であれば、リーグの合間に長距離のアウェイ移動をしながら勝ち上がらなければならない大会が、僅か一ヶ月で集中的に行われます。

さらに、中2日というスケジュール設定は、ほとんどのポジションで2名態勢を取れる今のマリノスにとっては、うってつけの大会です。
こんなチームは、FIFAの世界大会でもあったかな。

また、先に2試合をこなしている上海上港が2連勝をしてくれた事で、マリノスが上海上港に連勝すれば、順位決定で直接対決の結果を優先する方式のGLでは、1位抜けが早々に決まります。疲労のマネジメントをしやすい状況を、自らで作れる状態というのは好機です。

②スピード型のマリノス
ACL参加の他国チームを見ると、こんな事を感じる人も多いと思います。

『プレースピードが遅い』、『トランジションが遅い』。

それは、マリノスを見ているからです。
Jリーグのトランジションの速さは有名ですが、プレースピードは世界的にはそこまでではありません。その中にあってマリノスは、昨年『速さ』で尖っていました。
シティ戦で選手が肌で感じた世界の速さは、そのまま優勝という結果に結びついた一つの要因でしょう。

そして今年は、ACL前に川崎と当たりました。特にあの試合の前半。
私は昨年のシティ戦を思い出し、ACLでの成果に確信めいたものを感じたのです。きっと、速さで優位性を持てる大会になるでしょう。

③マリノスのサッカーを味わった事のないチームとの戦い
これはあまり説明がいらないですね。
対戦相手は、マリノスの『スピード』、『柔軟な可変性』、『ポジションチェンジ』などによって、展開を理解するのに時間がかかり、分かっていても止められない状態がしばらく続きます。

既に1試合を消化したシドニーと全北も、マリノスへの対応が出来ていませんでした。
全北においては、その後の戦い方で、一部マリノスをトレースしたよね?
という印象すらあります。
そのため、当たりたくない相手はJリーグ勢。
そして、GLで一緒だったチームとノックアウトステージで再会する事でしょう。

と、これらの要素を見ると、いけそうな気がしてしまいますね。
それは、ミスリードです。
要素は、結果の保証をしてはくれません。油断召されるな。

ただ、大きなチャンスではあると明確に言えます。
もう一度、『明確に』。
勝ち取ろうACLを。

2,マリノスのターンオーバーについて(今回のみ)

そんな大会で、再開するGLの初戦の対戦相手は上海上港。
しかも中2日の2連戦。
まずは、2連勝すれば1位抜けという状況で、さぁ、マリノスはターンオーバーをどうするか。
3つほどターンオーバーの方法が考えられます。

A:常に毎試合で5~6人を入れ替える半ターンオーバー制
B:1試合毎でメンバーを変更する通常のターンオーバー制
C:2試合毎でメンバーを変更するロングターンオーバー制

どれもやれます。
決勝トーナメントを考えれば、GLは『B』か『C』でトーナメントは『A』ですが、ボスの性格的にはずっと『A』の可能性もあります。
私のお勧めは『C』→『A』です。このやり方で上海上港に2連勝出来ると、上海には1つのやり方しか見せないという事が出来ます。大会を通したマネジメントですね。

というわけで、前段が長くなりましたが、プレビューよりもこちらの方が重要だと思っています。
じゃあ、ようやく上海上港の話に進めましょうか。

3,上海上港のスカウティング

正直スカウティングって程、書くつもりはない相手です。というよりも、書く事があまりないのです。変幻自在なので追うとキリがない。故に図解も少ないです。

まず、上海上港は布陣が多彩です。試合中にもよく変更します。
433、4231、442、343、352と見ていますが、前節でオスカルを試運転して大丈夫そうだったので、先発で使える布陣を選択するでしょう。

このたくさんの布陣は、決して可変ではありません。
サッカーゲームの様に、フォーメーション変更のボタンがあり、試合中に監督がそのボタンを押す様なイメージです。

布陣は選手の特徴を活かすための時もあれば、これが嵌まるかな?的なお試しの時もありますが、意識すべきはこういうタイプの監督だという事です。

攻守に上手くいかない時は、『この相手にはこの立ち位置だと悪いから変更』、『この方が外国籍選手が活きるから変更』という考えを持っている監督なのでしょう。
地味に、面倒な相手だと思います。

この変幻自在な布陣と、我も個も強い外国籍選手がいるので、攻撃では即興性が高くなります。好き嫌いが分かれると思いますが、私は好きです。

この上海上港の攻撃に対しては、そこまで難しく考えない方が良いでしょう。
彼らは相手のブロックに詰まると、簡単に後ろに戻す癖があり(特にサイド)、そこに加えて最終ラインのビルドアップは上手くはありません。強度の高いブロックには、勝手にミスをしてくれます。
なので、狙いはこのビルドアップのところですね。全北はそれを狙って、裏を取られましたが、マリノスにはチアゴがいます。

続いて、上海上港の守備に対してですが、こちらも攻撃時の布陣に合わせて、3~5バックの使い分けをしてきます。
外国籍選手の守備が緩いのは、イメージの通りですが、それに釣られるように他のポジションも前向きに守備をしてきます。
そもそも広く守る意識が強いのに動くので、外国籍選手がいる時の方が、選手間の隙間はより顕著になるでしょう。

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SBやCHも食いつくので、外から攻めても、中から攻めてもバイタルエリアは空きやすいです。

これに加えて、隙間があくと2本の守備ラインはバラバラ。

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うん、狙えるところは多そうです。

外国籍選手がいる時の守備はプレス時にも顕著で、積極的に奪いに来ますが、剥がせば戻りは遅く自由に使えるスペースは広いです。

反対に、外国籍選手が少ない時の方がしっかり守れる印象なので、2連戦のどちらかでは、締まったゲームをしてくるかもしれませんね。

あとは前述の通り、広く守るので1対1の傾向が強い守備ですが、4バックであれば片方のサイドを攻めれば逆サイドは空きますので、丁寧にいつも通りのサッカーをすれば、攻略出来るでしょう。

ボールを保持で圧倒出来ると思うので、カウンターに気を付けながら、延々と穴を狙いたい2連戦です。

4,試合に向けて

ではスタメン。

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マリノスは川崎戦のメンバーが基本だと思います。
サントスに代わって、トップにオナイウ。

上海上港は、オスカルを使うなら4231で入るでしょうか。
お互いに442ベースの4231で、2戦目も考えた布陣になるのではないでしょうか。

上海は、試合の中で3412にして、後ろを堅くしてのカウンターに専念する可能性もあります。これは面倒なので、早めに点が欲しいですね。

という事で、お送りしてきたプレビュー。

2連勝すれば、全北現代とシドニーFCのプレビューはしません。決勝トーナメントに集中します。
かといって、上海上港戦は何かの拍子で敗戦しても落ち込まず、2戦トータルで上回れば良いとも考えています。切り替え大事な短期決戦。
常に前を向いて、共に航海を続けましょう。
サポーターが起こす風が、遠くドーハの地にある船を動かすからね。

ここまで読んでいただいた方、読後に何かのアクションを行っていただいた方に感謝いたします。

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