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非日常を少しずつ日常に

夕方、自宅から車で30分くらいかけて地域小規模児童養護施設に向かう。車を停めて、ピンポン鳴らして、「Kacotamの高橋です」と言う。

インターホンから、背景から子どもの声が聞こえる中「はいどうぞー」と職員さんから声があり、鍵が開く。

ドアを開けると、「こんちはー」と走って、担当のする子どもがやってくる。「おう、こんにちは。お邪魔します。」と言って、中に入る。

その日は「今、休憩中」と言って、施設職員さん手作りのゼリーを食べつつ、コップにジュースを入れていた。

「先生も食べる?」※ここではゆうちょとか先生とか言われている
「ありがとう。でも、大丈夫。」「おいしそうだね。」
「じゃあ、ジュース入れてあげる」
と言ってコップにジュースを入れて、なみなみまで入れようとする勢いだったので、「ここまでで大丈夫。ここまでで」と言って、何とかあふれるのをくい止めた。

部屋に行って、国語と算数の教科書などが机の上にあったので、「今日は、このどっちかをやってみる?」と言うと、珍しく国語を選択した。そのあとすぐ学習に入らず、野球カードやレゴの話をしていると、「そろそろ勉強しようかな」と言って勉強を開始した。その後、モーターの話をしたり、家族の話をしたりしつつ、「そろそろ勉強しようかな」というその子からの合図とともに一緒に勉強をする。その日はとても集中して取り組む日だったけど、全くしないときもある。そうやって日々勉強と、その子と、向き合っている。

その子と関わって半年。最初のころは、お互いにとって非日常であったのが、日々積み重ねていく中で日常へと変わっていく。そこから子どもが見せる顔も変わり、試されることもある。そして、少しずつ安心がその子の中に蓄積され、さらに言動が変わる。

その積み重ねが新たな日常へとなっていく。



NPOの運営や子どもとの関わりなどを中心に記事を投稿します。サポートしていただいたお金は、認定NPO法人Kacotamに寄付をして、子どもの学びの場づくりに活用します。