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めちゃくちゃな問題店だった。

飲食店の経営者(二代目)としての勉強を本格的に始めることになったのは、今年の5月のこと。僕の父は焼そば専門店『想夫恋』のフランチャイズオーナーであり、店を構えてからはや33年が経つ。FCといってもかつての契約内容的には暖簾分けと言った方がしっくりくる。現在では他業種からの参入も受け入れており、そちらをFCとして区分けしている。

○暖簾分け=本部でみっちり数年間の修行ののちに独立開業。
○ FC=加盟金と保証金を納めて数ヶ月の研修で開業。

今年は新型コロナウイルスの影響で世界全体が大きな変化を迎えていたそんな真っ只中の5月から本店での研修がスタートした。例年であればゴールデンウィークや祝祭日には1日で950円の焼そばが1000食出るのが当たり前っだったらしいのだが、非常事態宣言にともなって自粛期間が長引き、半分以下の売上に。
全社員の給与も30%カット、支店の売り上げも半減し、自社生産している原材料の工場稼動率も下がり対応に苦しむこととなった。
どこの業界もほとんど同じ状況で、いまさら驚くこともない。

そんな状況で始まった「焼そば修行」。僕は二代目として修行に入ったわけだが、両親の経営する店で一緒に働いた経験はなく、全くのゼロスタートだった。そんな素人の僕が研修期間中にも関わらず、2020年7月21日に移動を命じられ、とある店舗の臨時店長として派遣されることになる。
しかも、移動日初日の朝にその事実を知らされるという、なんともやりっぱなしの丸投げ人事となった。そんな僕がここでの2ヶ月間どうすればこの店がもっと良くなるかを、実験というかチャレンジというかドタバタしながら経験したことと学んだことを記録していく場所としてnoteを書きたいと思う。

派遣先の「とある店舗」は、数年前に店長が退社してから店長代理として任に就いていた社員ともう1人の社員、ベテランのパートさん2名、学生アルバイト数名のメンバーで運営していた。客席数はゆったりとスペースを設けて31席。
実際には全ての椅子が埋まることはないので23人ほどで満席になる。(2人掛けに1人とか、4人掛けに2人とか)車の通りも多く、駐車場が広いのでお客さんにとっては寄り付きが良く、ふらっと入りやすい感じ。元リンガーハットの居抜き物件だったらしく、店内も過ごしやすい作りになっていて普通の飲食店としての平均点はクリアしていて店舗のハード面は大きな問題はない。

ここで問題となってくるのが店舗運営の「ソフト面」。
正直、驚きの連続でひっくり返りそうになった。

1、初日に、「明日からよろしくお願いします。」と挨拶に行ったところ、社員の二人からの返答はなく、こちらをチラリと見て小さく首を動かす程度だったことにめちゃくちゃ不安を覚えた。とにかく元気と活気がなく、重い空気が充満している。これが第一印象だった。

2、店長代理のA氏は、あまりコミュニケーションが得意な方ではなくアルバイトの子や、僕のような新人に対して必要最低限の連絡事項だけを伝えて、終わり。そういうタイプ。まぁ、初めてのことで分からないことだらけだから、一つ一つ確認をとりながら業務を覚えていこうとする僕や、バイト初日の子に対して、明らかにイラつきながら、ため息まじりで、「めんどくさいから一度で覚えてくれよ」という態度を隠すことなくモゴモゴとした口調で話す彼のことを僕は何度も殴りそうになった。

3、そんな彼が、事実上のリーダーだったことが影響しているのか、アルバイトの子たちにも元気や笑顔、明るい挨拶といった最低限のマナーができていない上に、暇な時間はただボーっっと過ごすし、自分の仕事が最低限終わってしまえば、時間が来るまでスマホを触りながらやり過ごしていた。なぜかは分からないけど、それでよしとされていた。嘘みたいな本当のはなし。

そんな状態の「とある店舗」に期間限定の臨時店長としてきた僕にできる仕事はいったい何があるのだろう。その第一歩目、まずはスタッフのみんなとのことを知ること。そしてより良い店舗づくりのために、自ら率先して明るく楽しく仕事に取り組む姿勢を見せることから始めよう。


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